大雪の際、屋根に積もった雪を落とす装置を福井大工学研究科の福原輝幸教授と同科博士課程の寺崎寛章さんが開発した。
「危険を軽減したい」として、できるだけ早期の実用化を目指している。
屋根に取り付ける巻き取り式のステンレス板(厚さ約5ミリ)を連ねた装置。屋根最上部に設置した巻き取り部分に収納している板を、リモコンで屋根に沿って軒先まで伸ばし、先端に組み込んだ電熱線の熱で雪を落とす仕組みで、50センチの積雪まで対応できる。除雪時間は、傾斜15度で斜面の長さが3メートルの一般的な民家なら約1時間。
(2011年2月13日03時07分 読売新聞)
◇大雪による死者81人、雪下ろし中が目立つ!
雪下ろし中に屋根から転落するなど、大雪に伴う今冬の死者が80人を超えたことが総務省消防庁の調査(速報値)でわかった。
同庁によると、昨年11月~今年1月31日午後4時半までに、死者は13道県で計81人に上り、このうち53人(約65%)が65歳以上の高齢者だった。「平成18年豪雪」(05年12月~06年3月)では死者152人を数えたが、その後4年間は12、47、21、56人にとどまっていた。
都道府県別では、新潟県19人、北海道15人、秋田県11人、山形県9人など。死亡原因では、屋根の雪下ろしなど除雪作業中の死者が60人(74%)と最多で、次いで屋根などからの落雪が12人(15%)。また、今冬の負傷者は全国で971人。
気象庁によると、今冬は31日までに、全国22地点で観測史上最深の積雪を更新し、滋賀県長浜市で249センチ、福井県南越前町で244センチ、秋田県横手市で191センチ、山形県鶴岡市で129センチを記録。
内閣府(防災担当)によると、事故は、気温が上昇して雪が解けかかるなどした際の転落や落雪が多く、死亡事故では命綱やヘルメットをしていないケースが目立つという。
(2011年2月1日15時00分 読売新聞)
◇屋根雪下ろしの留意点について
白山市役所
除雪中の事故によって毎年、多くの犠牲者がでています。 雪による事故の死傷者の多くは、除雪中の事故によるものです。
除雪中の事故の特徴○除雪作業中、特に屋根からの転落による事故が多い。(3分の1を占めている)
○高齢者の事故が多い。(65歳以上の高齢者が3分の2を占めている)
○1人での作業中の事故が多い
○除雪作業をはじめてからの間もない事故が多い。
○傷害の発見時間が遅れるほど死亡率が高くなる。
○「気兼ねする」「無理とは思わない」との高齢者が多い。
○近年 高齢者の除雪作業中の心疾患、脳疾患等の発症者が増えてきている。
除雪中の事故を防ぐためのポイント
1 必ず2人以上で
1)家族や友人、親戚と一緒に行なう
2)近隣どうし、地域コミュニティと共助 協力して行なう
3)その他の雪処理の担い手と一緒に行なう
2 安全性を高める
1)作業安全の意識を高める
2)道具、器具、機器を活用する
3)機器の適切なメンテナンスをする
4)手順やノウハウ、技術、知識を身につける
5)基準、ルールを定める
3 被害の程度を軽減
1)事故の衝撃を軽減する
2)早期に発見する
3)救命救急に努める
4 作業から開放
1)自力での雪処理が困難な世帯は長寿介護課・各支所担当課へ相談する
2)雪下ろしを不要にする施設整備をする
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思い当たりませんか?
除雪作業に対する慣れや過信、油断が事故を招いています。
○「雪下ろしには慣れている」という過信や油断はありませんか?
○自分の年齢や体力に対する過信はありませんか?
心がけましょう!
除雪中の事故防止のための10か条○作業は、家族、となり近所にも声掛けて2人以上で!
○低い屋根でも油断は禁物!
○建物のまわりに雪を残して雪下ろし!
○作業開始直後と疲れたころには特に慎重に!
○晴れの日ほど要注意、屋根の雪がゆるんでる!
○忘れずに!命綱とヘルメット
○はしごの固定を忘れずに!
○除雪道具はこまめに手入れ、点検を!
○エンジンを切ってから!除雪機の雪つまりの取り除き
○携帯電話の携行を忘れずに!
北陸地方豪雪対策検討会「屋根の雪下ろし3つの用心!」
http://www.city.hakusan.ishikawa.jp/mpsdata/web/5400/yaneyukikokoroe.pdf