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藤末健三
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E6%9C%AB%E5%81%A5%E4%B8%89

増税の前にやるべきことがある!

2011年2月18日(金)日経ビジネス 藤末健三

2月6日に実施された名古屋市長選挙は、河村たかし候補が再選を果たし、民主党が推薦した石田芳弘候補は敗退した。今回の市長選挙の結果を見ると、民主党支持の票が河村候補に流れたようである。

 実際に名古屋市に入って応援を行ったが、話をしてもなかなか聞いてもらえる感じではなかった。特に民主党が推した石田候補が「ストップ河村」という形で活動したことについては、自分の後援者から「なぜ民主党は河村候補を応援しないのか?」との指摘を受けた。

 私自身も国会議員の議員数削減と歳費削減を訴えており、河村候補の市会議員削減と給与半減は民主党としても受け入れられるものではないかと思う。

 今回の選挙結果から民意を拾うとすれば、まさしく「議員自身が自ら身を切る」ことをしなければ有権者からそっぽを向かれることだと見ている。


危機的な財政の借金依存体質!

 国会では、平成23年度予算案の審議が始まった。

 中小企業も含めた法人税率の引き下げ、科学技術予算やグリーン・イノベーションやライフ・イノベーションへの予算の重点化など、ミクロで見ると私個人としては自分の長年の主張が実現できた。しかしながら、マクロで見ると「2年連続で新規国債発行額が税収を上回る予算案」となっている。

 政府の債務残高はGDPの2倍を超え、埋蔵金も使い果たし、また、社会保障費が引き続き毎年1兆円以上増加する見通しであり、再来年度(平成24年度)予算は今回のような形では組むことはできないであろう。このような危機感は政府・民主党も共有しており、菅直人総理は消費税を含む抜本改革案を、6月を目途にまとめる方針を示した。

 民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」でも、2月2日の総会で、仙谷由人会長が、「23年度予算のような公債に頼るような予算はもう作れない。国債大丈夫(暴落しない)との意見もあるが、経常収支がいつまでも黒字であるとは限らず、貯蓄率も急激に落ちている」と述べていた。

 私は昨年、同調査会の副会長として税制と社会保障制度の改革の議論に参加したが、この検討に参加しながら常に感じたのは「増税の前に国会議員がすべきことがある!」ということだ。


忘れてはならない経済成長戦略!

 そもそも、国家としての長期戦略を策定し、経済を元気にすることが必要だ。経済成長を実現すれば、税収は増える。菅政権は、「平成の開国」の理念を掲げている。 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加し、太平洋地域における経済活動の一層の活性化を実現するとともに、より効率的で生産性の高い日本経済をつくるべく、できる限りの手段を尽くすべきであることは言うまでもない。

1998年度の税収は60兆円だったが、景気対策としての所得税や法人税の軽減・タックスベースの縮小などによって、今年度は37兆円とピーク時と比べて23兆円も減っている(下グラフ参照)。しかし、名目経済成長4%を達成できれば単純計算で2兆円程度の税収増となる。4%の成長が5年間持続できれば10兆円の増収となる。

しかしながら、短期的には、景気の急上昇や税収の回復に期待するのは現実的ではない。となると、やはり、再来年(平成24年)度の予算案は、歳出と歳入を大幅に見直さざるを得ない。つまり、景気に配慮しつつ、歳出の抑制と歳入の増大を図るという困難な方策を考えなければならない。

 そうした経済と財政の将来像と具体的な選択肢を国民に示さなければならない。その中で、消費税の引き上げも議論に入ってくる。


消費税引き上げの多難な歴史!

 わが国における消費税問題の歴史は長い。30年以上前、1978年に大平内閣時に「一般消費税」が浮上したが、選挙の結果を受け撤回された。また、1986年には中曽根内閣が「売上税構想」を打ち出したが、マスコミは大反発した。そして、1988年に竹下内閣時に消費税法が成立し1989年4月から3%の消費税が始まった。その後1994年に細川内閣で「国民福祉税(税率7%)」が提案されたが大きな世論の反発を受けて撤回され、1997年4月には地方消費税1%の導入と消費税税率の4%への引き上げ(合計5%)が橋本内閣において実施されたのでる。このように消費税増税を唱え実現した政権は選挙で大きく負けている。

 そして昨年の参議院選挙で菅総理は消費税の見直しに触れて民主党は負けた(地方選挙区も全国比例選挙区も総投票数では民主党がトップだったが、一票の価値が高い地方区で勝てなかったことが議席数に影響した)。

 このように消費税の議論は長い経緯があり、また、選挙に大きな影響を与える。政治的には、よほどの覚悟がなければ消費税率の引き上げは実現できないのである。


世界の消費税引き上げ事情!

 ちなみに、世界には、消費税(付加価値税)率が25%のスウェーデンやデンマークをはじめとして、消費税率が日本の何倍もする国が多い(下図参照)。

 だが、これらの国々も、一朝一夕に今日のような高い消費税率を実現したわけではない。社会保障や子育て支援・教育予算の充実、実現所得税や法人税の減税をパッケージにすること、明確な財政再建策の提示、低所得者に配慮した食料品に対する軽減税率の設定、消費税収入を地方自治体の収入にすることだけでなく、国会議員や政府の経費削減を実施した。国民に負担を強いるには、それ相応の見返りや納得できる理由を提示する必要があった。

ちなみに、民主党社会保障と税の抜本改革調査会」の会長を昨年まで務めた藤井裕久衆議院議員は、消費税をすべて社会福祉に回すべきと考えていた。

 それでも、過去に増税を公約として掲げた政党が選挙で勝利した例は、2005年のドイツがほぼ唯一の例だと思う(しかもメルケル党首のCDUは単独過半数の議席は得られなかった)。

 さらに、過去に高い消費税率を実現した国の多くは、ある程度高い経済成長を続けていた。税率が数%上がっても、預金の利率は高く、国民の所得も上昇していたので、それほど大きな不満はなかったのだ。一方で、現在の日本は、長引くデフレで所得は上がらず、銀行に預金しても利子はほとんどつかない。消費税増税を国民が簡単に受け入れられる状況にはない。


まずは議員が自ら襟を正すべき!

 こうした状況から、私は消費税を上げるには以下の手続きが必要だと唱えている。

 まずは、(1)国会議員が自ら身を切ることである。単純計算で議員1人当たりに使われる税金は3億円/年。民主党が公約している衆議院で80名(約480名中)、参議院で40人(約240名中)の削減によって、単純計算で360億円の支出がカットできる。

 実はこの「国会議員1人当たり3億円」という数字は、私が国会で質問して得られた数字である。新聞にも大きく取り上げられた。今でも忘れられないのが、その新聞記事を読んだ先輩議員が「藤末君、仕事をうまく進めるには、あまりこんな質問はしない方がいいよ」と心配してアドバイスをくれたことだ。それほど国会議員も議員数の削減などには拒否感が強い。

 そして次が(2)公務員人件費・経費削減となる。公務員人件費は、国家公務員約5兆円、地方約28兆円である。2割の削減で6兆円、つまり消費税3%分に相当する額の支出を抑えられる。同時に10兆円程度と推定される事務経費も2割削減すれば2兆円削減となる。地方議会議員でも、神奈川県議会議員選挙に立候補するべく準備を進めている吉岡けんじ氏は、1600万円の議員給与の3分の2を返納することを公約にしたいと話している。

 財政再建は、改革の道筋と将来の社会保障や税の姿をきちんと示すことが必要だが(これについては次回以降に書く予定)、まずは国会議員が自分自身の身を切ることから始めるべきである!

 先週から10人程度の仲間の国会議員と「マニフェスト財源確保研究会」を始めた。まだまだ、小さな波しか起こせないが、声をあげ、その声をどんどん大きくしていきたい。

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