平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点)
平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中!
無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』
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中国が犯した2つの誤算~中国株式会社の研究~
2010.09.17(Fri)JBプレス 宮家邦彦
9月7日に起きた中国漁船と海上保安庁巡視船との「衝突事件」は、日中間の大きな外交問題に発展しつつある。この間の日中両国政府の動きを詳しく追っていたら、ふと、日中間で厳しい軋轢が生じた小泉純一郎政権時代のことを思い出した。
当時、筆者は在北京・日本大使館で広報を担当していたので、記憶は今も鮮明だ。今回は、誤解や批判を恐れず、こうした個人的体験に基づき、この事件を巡る日中当局間のやりとりを改めて検証してみたい。
日中外交について学んだこと!
1. 日中関係は本質的に脆弱である
日中関係は意外に脆い。文化的な共通点こそ多いが、韓国とは異なり、政治的に共有できる価値観があまりないからだ。
海辺に作った「砂の城」のように、大波一つでそれまで築いてきた関係は一瞬に崩れる。このことを皮膚感覚で思い知ったのが北京の大使館時代だった。
評論家なら「けしからん」「砂の城など、なくてもいい」と書けばすむだろうが、現実はそれではすまない。
13億の中国人と1億3000万の日本人が互いに引っ越せない以上、政府レベルでは、たとえ「砂」であっても「城」を作り続けなければならない。
2. 日中外交の9割は内政問題である
日中関係では、一つ対応を誤れば国内の反対派が黙っていない。現政権に対する批判が瞬時に吹き出るという点でも両国はよく似ている。
日中外交のエネルギーの9割は、外交交渉ではなく、国内の潜在的反対者への「丁寧な説明」に注がれるといっても過言ではない。
3. 中国人の面子が潰れれば、反日ナショナリズムに火がつく
中国では健全なナショナリズムと過激な排外主義の間の「敷居」が日本ほど高くない。特に、公衆の面前でプライドが傷つけられたと感じれば、普段温厚な中国人でも態度を豹変させる。
とにかく、これはもう「いつ」「なぜ」といった理屈の世界ではないのだ。
4.一度反日感情に火がつけば、収拾は容易ではない
一党独裁の下で生きる中国人は、常に政治的「立ち位置」に敏感だ。個人同士ならともかく、集団の中で「日本批判」は事実上義務となる。
下手に日本を擁護しようものなら、逆に袋叩きに遭うのが関の山だ。かくして、一度火のついた反日感情は限界まで拡大していく。
5. 反日運動は容易に反政府運動に転化する
中国政府が最も恐れるのは、反日運動が制御不能となり、反政府運動に転化することだ。日中双方、特に中国側は、コントロールの限界を見極めつつ、常に政治的「落とし所」を探っている。
不幸にも日中関係における失敗は、まさにこの「落とし所」の「読み違い」から生ずることが多い。
尖閣諸島付近で何が起きたのか!
続いて、今回の事件を改めて振り返ってみよう。9月7日から16日までの動きを時系列順にまとめたうえで、それぞれにつき筆者のコメントを付した。もちろん、これらは最近の報道・公開情報に基づく筆者の個人的見解である。
9月7日午前、違法操業の中国漁船が立ち入り検査妨害のため海上保安庁巡視船に衝突
9月7日夜、中国外交部次官、丹羽宇一郎大使を呼び(1回目)、「違法な妨害行為を停止すべし」と抗議
9月7日夜、外務省アジア大洋州局長、駐日中国大使に電話で「遺憾の意」を伝達
発端は中国漁船の日本領海内での違法操業であり、この日も約30隻が領海侵犯したという。中国船に対する立ち入り検査は昨年までほとんどなかったが、本年、特に8月中ごろから急に増えたらしい。
恐らく、その時点で中国国内の「誰か」が尖閣諸島周辺海域での操業を「解禁」したのだろう。
今回の違法操業は決して偶発事件ではない。この事件の背景には、中国政府最高レベルとは言わないが、少なくとも政府の一部による明確な意図が感じられる。
このことは、過去数カ月間、人民解放軍海軍が黄海や南シナ海において自己主張を強めていることと無関係ではなかろう。
これとは別に、今回の日中外交当局間のやりとりについては、なぜ日本大使は夜の「呼び出し」に応じたのか、なぜ外務省は駐日中国大使を呼び出さず、電話だけで抗議したのかといった的外れの批判もあるようだ。
そもそも日本側の立場は、「領土問題は存在せず」、領海内での違法行為には「国内法を適用」するということだ。アジア局長が粛々と駐日中国大使に「領海侵犯はけしからん」と伝えたことに問題があったとは思えない。
日本政府の対応を「弱腰」と批判する向きもあるが、「違反者を逮捕して拘束すること」のどこが弱腰なのか、筆者にはよく分からない。
「強く抗議する」姿勢を外に見せる必要があったのは、漁船と乗組員を拘束されて「面子が潰れた」中国側であって、日本政府ではない。
日本大使は呼び出しに安易に応じるべきでなかったという批判もちょっと違う。外務次官からの呼び出しには嫌でも応じるのが大使の宿命である。
もちろん愉快な仕事ではないが、日本側に負い目は一切ないのだから、日本大使が自国の立場について堂々と反論するのはむしろ当然ではないか。
閣僚以外に会うべきではないとの指摘もあるが、外交は相互主義である。駐日中国大使、米国大使だって、外務省の次官、外務審議官の呼び出しには基本的に応じている。過去には「逃げ回った」中国の大使もいたようだが、これこそプロの外交官のすることではないだろう。
中国側の第1の誤算
9月8日未明、海上保安庁、船長を公務執行妨害容疑で逮捕。外交部部長助理、丹羽大使を呼び(2回目)、中国人船長らの即時解放を要求
船長の逮捕で中国側の面子は「丸潰れ」となった。恐らく中国側は、中国漁船が日本の巡視船に体当たりし、日本側が乗組員と漁船を拘束することまでは予想していなかったのではないか。これが中国側の第1の「誤算」である。
日本大使が外交部の局長レベルの呼び出しに応じたのはおかしいとの批判もあるが、「部長助理」は局長クラスではなく、次官級の外務審議官に相当する。
確かに中国の官庁には「次官級」ポストが多すぎるとは思うが、それが嫌なら日本も次官級ポストを増やせばよい。不愉快ではあるが、少なくとも8日の呼び出しに応じたことが「外交慣例上誤り」だったとは思わない。
9月9日、外交部、無条件の乗組員解放などを要求、漁業監視船の派遣を発表。外交部副部長、丹羽大使を呼び(3回目)、中国人船長らの無条件釈放を要求
中国人の男が広州市にある日本総領事館の壁にビール瓶を投げつける
9日、中国外交部副部長が再び丹羽大使を呼んでいるが、なぜかこのことを中国側は発表していないらしい。恐らく、中国外交部は「対日弱腰外交」を批判する中国国内の諸勢力を十分コントロールできていないのだろう。
まさに中国側の右往左往と混乱が目に見えるではないか。
中国側の第2の誤算!
9月10日 北沢俊美防衛相、同日朝までに中国の漁業監視船が撤収したことを確認
中国外交部長、丹羽大使を呼び(4回目)、中国人船長らの無条件釈放を要求
岡田克也外相、「日本大使が呼ばれたことは遺憾だが、冷静に対応する」と発言
中国側が漁業監視船の派遣を断念したということは、中国側内部の混乱が10日の時点でも続いていたことを意味する。内部で何らかの取引があったのかもしれない。
いずれにせよ、単なる領海侵犯、違法操業事件で日本大使を4回も呼びつけたことが「けしからん」ことは、岡田外相のおっしゃる通りである。
中国側の第2の「誤算」は、船長乗組員の拘束が予想以上に長引いたことだろう。今回日本側は従来のような「簡単な取り調べの後、早期に国外退去させる」という定番メニューを提示しなかった。
それに対する中国側の「焦り」こそが、10日に「外交部長」を使わざるを得なかった最大の理由だと思う。
9月11日 中国国家海洋局調査船、尖閣付近で海上保安庁測量船に調査を中止するよう勧告。中国外交部、ガス田共同開発関連条約の局長級交渉を延期すると発表
9月12日未明、戴秉国・国務委員、丹羽大使を外交部に呼び(5回目)、「賢明な政治決断と中国人漁民と漁船の即時送還」を求める
夜、天津市にある日本人学校に何者かが金属球を打ち込み、窓ガラスが割れる
中国国内の反日感情はますます高まりつつある。この時点で船員と漁船は拘束されたままだ。これを放置すれば反日デモ、暴動化、反政府行動にもつながりかねない。
こう危惧した中国政府は、最後の手段として、「国務委員」を担ぎ出さざるを得なくなったのだろう。
未明の呼び出しは非礼か!
日本国内で批判が集中したのは「呼び出し」の時間である。確かに「未明の呼び出し」は異例であり「けしからん」とは思う。
だが、よく調べてみると、必ずしも真夜中に突然連絡が入り、直ちに外交部に「呼びつけられた」わけではないようだ。
中国外交部から日本大使館に連絡があったのは前夜午後8時過ぎだという。双方で日程調整した結果、最終的に会談のタイミングが「未明」となったようだ。
今回の会談時期が異例だったことはその通りだが、手続き的に異例なことはない。「未明の呼び出し」は、船員14人の釈放が近いことを知った中国側の焦燥感の表れと見るべきではないか。
9月13日 仙谷由人官房長官、深夜の丹羽大使呼び出しについて、「遺憾だ」と発言。中国人船員14人が帰国
中国外交部報道官、14人の帰国は「政府・国民の一体行動の成果」との談話を発表。中国側、全人代常務副委員長の訪日延期を通告
9月14日 外交部報道官、全人代常務副委員長の訪日延期を発表、船長の無条件釈放を要求。丹羽大使、外交部の劉振民部長助理(領海担当)に抗議
9月15日 北京の日本大使館、在留邦人らに注意喚起
9月16日 仙谷官房長官、国連での日中首脳会談見送りを表明
9月18日 反日デモ発生?
以上の通り、本件を巡る日中双方の動きを冷静に振り返れば、誤算や判断ミスにより国内が必要以上に混乱し、政府内部も右往左往して場当たり的な外交を繰り返したのは日本ではなく、むしろ中国側である。
そのことを正確に理解しない限り、日中関係の将来は語れないだろう。
当面日中関係はギクシャクするだろうが、中国側はいずれ必ず折れてくる。日本政府はそれまで粛々と国内法に基づく手続きを進め、法治国家として司法判断を下せばよい。
その間、国民はつまらない揚げ足取りなどやめて一致団結し、中国側に対し付け込む隙を一切与えないことだ。
対中外交の最後の教訓は、やはりこの「官民一体」である。
2010.09.17(Fri)JBプレス 宮家邦彦
9月7日に起きた中国漁船と海上保安庁巡視船との「衝突事件」は、日中間の大きな外交問題に発展しつつある。この間の日中両国政府の動きを詳しく追っていたら、ふと、日中間で厳しい軋轢が生じた小泉純一郎政権時代のことを思い出した。
当時、筆者は在北京・日本大使館で広報を担当していたので、記憶は今も鮮明だ。今回は、誤解や批判を恐れず、こうした個人的体験に基づき、この事件を巡る日中当局間のやりとりを改めて検証してみたい。
日中外交について学んだこと!
1. 日中関係は本質的に脆弱である
日中関係は意外に脆い。文化的な共通点こそ多いが、韓国とは異なり、政治的に共有できる価値観があまりないからだ。
海辺に作った「砂の城」のように、大波一つでそれまで築いてきた関係は一瞬に崩れる。このことを皮膚感覚で思い知ったのが北京の大使館時代だった。
評論家なら「けしからん」「砂の城など、なくてもいい」と書けばすむだろうが、現実はそれではすまない。
13億の中国人と1億3000万の日本人が互いに引っ越せない以上、政府レベルでは、たとえ「砂」であっても「城」を作り続けなければならない。
2. 日中外交の9割は内政問題である
日中関係では、一つ対応を誤れば国内の反対派が黙っていない。現政権に対する批判が瞬時に吹き出るという点でも両国はよく似ている。
日中外交のエネルギーの9割は、外交交渉ではなく、国内の潜在的反対者への「丁寧な説明」に注がれるといっても過言ではない。
3. 中国人の面子が潰れれば、反日ナショナリズムに火がつく
中国では健全なナショナリズムと過激な排外主義の間の「敷居」が日本ほど高くない。特に、公衆の面前でプライドが傷つけられたと感じれば、普段温厚な中国人でも態度を豹変させる。
とにかく、これはもう「いつ」「なぜ」といった理屈の世界ではないのだ。
4.一度反日感情に火がつけば、収拾は容易ではない
一党独裁の下で生きる中国人は、常に政治的「立ち位置」に敏感だ。個人同士ならともかく、集団の中で「日本批判」は事実上義務となる。
下手に日本を擁護しようものなら、逆に袋叩きに遭うのが関の山だ。かくして、一度火のついた反日感情は限界まで拡大していく。
5. 反日運動は容易に反政府運動に転化する
中国政府が最も恐れるのは、反日運動が制御不能となり、反政府運動に転化することだ。日中双方、特に中国側は、コントロールの限界を見極めつつ、常に政治的「落とし所」を探っている。
不幸にも日中関係における失敗は、まさにこの「落とし所」の「読み違い」から生ずることが多い。
尖閣諸島付近で何が起きたのか!
続いて、今回の事件を改めて振り返ってみよう。9月7日から16日までの動きを時系列順にまとめたうえで、それぞれにつき筆者のコメントを付した。もちろん、これらは最近の報道・公開情報に基づく筆者の個人的見解である。
9月7日午前、違法操業の中国漁船が立ち入り検査妨害のため海上保安庁巡視船に衝突
9月7日夜、中国外交部次官、丹羽宇一郎大使を呼び(1回目)、「違法な妨害行為を停止すべし」と抗議
9月7日夜、外務省アジア大洋州局長、駐日中国大使に電話で「遺憾の意」を伝達
発端は中国漁船の日本領海内での違法操業であり、この日も約30隻が領海侵犯したという。中国船に対する立ち入り検査は昨年までほとんどなかったが、本年、特に8月中ごろから急に増えたらしい。
恐らく、その時点で中国国内の「誰か」が尖閣諸島周辺海域での操業を「解禁」したのだろう。
今回の違法操業は決して偶発事件ではない。この事件の背景には、中国政府最高レベルとは言わないが、少なくとも政府の一部による明確な意図が感じられる。
このことは、過去数カ月間、人民解放軍海軍が黄海や南シナ海において自己主張を強めていることと無関係ではなかろう。
これとは別に、今回の日中外交当局間のやりとりについては、なぜ日本大使は夜の「呼び出し」に応じたのか、なぜ外務省は駐日中国大使を呼び出さず、電話だけで抗議したのかといった的外れの批判もあるようだ。
そもそも日本側の立場は、「領土問題は存在せず」、領海内での違法行為には「国内法を適用」するということだ。アジア局長が粛々と駐日中国大使に「領海侵犯はけしからん」と伝えたことに問題があったとは思えない。
日本政府の対応を「弱腰」と批判する向きもあるが、「違反者を逮捕して拘束すること」のどこが弱腰なのか、筆者にはよく分からない。
「強く抗議する」姿勢を外に見せる必要があったのは、漁船と乗組員を拘束されて「面子が潰れた」中国側であって、日本政府ではない。
日本大使は呼び出しに安易に応じるべきでなかったという批判もちょっと違う。外務次官からの呼び出しには嫌でも応じるのが大使の宿命である。
もちろん愉快な仕事ではないが、日本側に負い目は一切ないのだから、日本大使が自国の立場について堂々と反論するのはむしろ当然ではないか。
閣僚以外に会うべきではないとの指摘もあるが、外交は相互主義である。駐日中国大使、米国大使だって、外務省の次官、外務審議官の呼び出しには基本的に応じている。過去には「逃げ回った」中国の大使もいたようだが、これこそプロの外交官のすることではないだろう。
中国側の第1の誤算
9月8日未明、海上保安庁、船長を公務執行妨害容疑で逮捕。外交部部長助理、丹羽大使を呼び(2回目)、中国人船長らの即時解放を要求
船長の逮捕で中国側の面子は「丸潰れ」となった。恐らく中国側は、中国漁船が日本の巡視船に体当たりし、日本側が乗組員と漁船を拘束することまでは予想していなかったのではないか。これが中国側の第1の「誤算」である。
日本大使が外交部の局長レベルの呼び出しに応じたのはおかしいとの批判もあるが、「部長助理」は局長クラスではなく、次官級の外務審議官に相当する。
確かに中国の官庁には「次官級」ポストが多すぎるとは思うが、それが嫌なら日本も次官級ポストを増やせばよい。不愉快ではあるが、少なくとも8日の呼び出しに応じたことが「外交慣例上誤り」だったとは思わない。
9月9日、外交部、無条件の乗組員解放などを要求、漁業監視船の派遣を発表。外交部副部長、丹羽大使を呼び(3回目)、中国人船長らの無条件釈放を要求
中国人の男が広州市にある日本総領事館の壁にビール瓶を投げつける
9日、中国外交部副部長が再び丹羽大使を呼んでいるが、なぜかこのことを中国側は発表していないらしい。恐らく、中国外交部は「対日弱腰外交」を批判する中国国内の諸勢力を十分コントロールできていないのだろう。
まさに中国側の右往左往と混乱が目に見えるではないか。
中国側の第2の誤算!
9月10日 北沢俊美防衛相、同日朝までに中国の漁業監視船が撤収したことを確認
中国外交部長、丹羽大使を呼び(4回目)、中国人船長らの無条件釈放を要求
岡田克也外相、「日本大使が呼ばれたことは遺憾だが、冷静に対応する」と発言
中国側が漁業監視船の派遣を断念したということは、中国側内部の混乱が10日の時点でも続いていたことを意味する。内部で何らかの取引があったのかもしれない。
いずれにせよ、単なる領海侵犯、違法操業事件で日本大使を4回も呼びつけたことが「けしからん」ことは、岡田外相のおっしゃる通りである。
中国側の第2の「誤算」は、船長乗組員の拘束が予想以上に長引いたことだろう。今回日本側は従来のような「簡単な取り調べの後、早期に国外退去させる」という定番メニューを提示しなかった。
それに対する中国側の「焦り」こそが、10日に「外交部長」を使わざるを得なかった最大の理由だと思う。
9月11日 中国国家海洋局調査船、尖閣付近で海上保安庁測量船に調査を中止するよう勧告。中国外交部、ガス田共同開発関連条約の局長級交渉を延期すると発表
9月12日未明、戴秉国・国務委員、丹羽大使を外交部に呼び(5回目)、「賢明な政治決断と中国人漁民と漁船の即時送還」を求める
夜、天津市にある日本人学校に何者かが金属球を打ち込み、窓ガラスが割れる
中国国内の反日感情はますます高まりつつある。この時点で船員と漁船は拘束されたままだ。これを放置すれば反日デモ、暴動化、反政府行動にもつながりかねない。
こう危惧した中国政府は、最後の手段として、「国務委員」を担ぎ出さざるを得なくなったのだろう。
未明の呼び出しは非礼か!
日本国内で批判が集中したのは「呼び出し」の時間である。確かに「未明の呼び出し」は異例であり「けしからん」とは思う。
だが、よく調べてみると、必ずしも真夜中に突然連絡が入り、直ちに外交部に「呼びつけられた」わけではないようだ。
中国外交部から日本大使館に連絡があったのは前夜午後8時過ぎだという。双方で日程調整した結果、最終的に会談のタイミングが「未明」となったようだ。
今回の会談時期が異例だったことはその通りだが、手続き的に異例なことはない。「未明の呼び出し」は、船員14人の釈放が近いことを知った中国側の焦燥感の表れと見るべきではないか。
9月13日 仙谷由人官房長官、深夜の丹羽大使呼び出しについて、「遺憾だ」と発言。中国人船員14人が帰国
中国外交部報道官、14人の帰国は「政府・国民の一体行動の成果」との談話を発表。中国側、全人代常務副委員長の訪日延期を通告
9月14日 外交部報道官、全人代常務副委員長の訪日延期を発表、船長の無条件釈放を要求。丹羽大使、外交部の劉振民部長助理(領海担当)に抗議
9月15日 北京の日本大使館、在留邦人らに注意喚起
9月16日 仙谷官房長官、国連での日中首脳会談見送りを表明
9月18日 反日デモ発生?
以上の通り、本件を巡る日中双方の動きを冷静に振り返れば、誤算や判断ミスにより国内が必要以上に混乱し、政府内部も右往左往して場当たり的な外交を繰り返したのは日本ではなく、むしろ中国側である。
そのことを正確に理解しない限り、日中関係の将来は語れないだろう。
当面日中関係はギクシャクするだろうが、中国側はいずれ必ず折れてくる。日本政府はそれまで粛々と国内法に基づく手続きを進め、法治国家として司法判断を下せばよい。
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