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米Salesforce.comの会長 兼 CEOであるMarc Benioff氏が来日し、クラウドコンピューティングの今後と日本の可能性について語り、「次世代クラウドで日本は有利」と述べた。
ZDNetJapan藤本京子(編集部) 2010年5月11日 19時50分
Salesforce CRM
http://www.salesforce.com/jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%A0
米Salesforce.comの会長 兼 CEOであるMarc Benioff氏とジャーナリストのCarlye Adler氏の共著「クラウド誕生 セールスフォース・ドットコム物語」(ダイヤモンド社発刊、原題「Behind The Cloud」)が5月11日、日本国内にて発売開始された。同書の発売に伴って開催された記者会見にてBenioff氏は、クラウドコンピューティングの今後と日本での可能性について語った。
Salesforce.comの会長 兼 CEO、Marc Benioff氏 Benioff氏はまず、クラウドコンピューティングの現状について、「今、大きな変化が起こっている。第1段階のクラウドは、エンタープライズソフトウェアをウェブで提供するというシンプルなアイデアでしかなかったが、次世代のクラウドではデバイスもさまざまで、モバイルデバイスやソーシャルコンピューティングとの親和性も高まってくる。コンピューティング業界の発展に伴って、次世代クラウドへの動きが大きくなっている」と述べた。
Benioff氏は、これからの10年がクラウドで大きな変化が起こる期間だとし、次世代クラウドにおいては特に日本が有利だと話す。その理由として、ネットワークの品質が非常に良いこと、他国に類を見ないほど高速モバイル通信が発展していることなどを挙げる。また、特に日本でグループウェアがよく使われていることから、「日本のビジネス文化に合っているのではないか」としている。
日本に期待を寄せるBenioff氏は、日本国内のデータセンターについても言及した。これまで何度も「日本にデータセンターを設置する予定だ」と発言していた同氏だが、今回は「2011年にも東京にデータセンターを開設できるだろう。今回の来日には、データセンターに最適な場所を探すという目的もあった」と、より具体的な内容を述べた。
ジャーナリストのCarlye Adler氏 今回の来日は、Benioff氏と共に書籍を書き上げたジャーナリストのCarlye Adler氏も伴ってのことだったが、Adler氏の目にBenioff氏はどう映っているのだろうか。「彼のビジョンはとても明確。また、ビジネス以外にもさまざまなことに興味を持っている。そして彼は誰に対しても透明性を持って接している。これほどオープンな人はいないのではないか」とAdler氏。また、2009年に年間売上高10億ドルを達成したSalesforce.comがほかの企業と違う点については、「何と言っても成長の速度がとても速い。本を執筆している間にも次々と新しいことが出てきて、ついていくのは大変だった」と話す。
Benioff氏は言う。「クラウドは従来のソフトウェア業界よりずっと大きくなる」と。現時点ではSalesforce.comの年間売上高10億ドルという数字は、MicrosoftやOracleなどの巨大ソフトウェア企業と比べると小さなものだ。しかしBenioff氏は、「MicrosoftやOracleは特にユニークというわけではない。彼らは20世紀の会社だ」と話す。「特にMicrosoftは、この10年間苦しんだ。WindowsやOfficeの売上を何とか保てたため、インターネットの重要性を的確にとらえることができなかったのだ」(Benioff氏)
iPadはコンピュータのあるべき姿
一方でBenioff氏は、Appleを称賛している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB_%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89
「Appleは今後が楽しみな会社だ。中でもiPadはすばらしい。電子書籍のプラットフォームとしても最適で、私はiPadを使い出してからAmazonのKindleを使わなくなった。ネットワークコンピューティングのデバイスとしてはベストではないか。エンタープライズコンピューティングの世界でもiPadが一番優れている。現在ベータ版で提供している新サービス『Salesforce Chatter』もiPadに対応させる予定だ。今後iPadのような製品がコンピュータのあるべき姿となっていくだろう」(Benioff氏)
MicrosoftやOracleを「20世紀の企業」とみなすBenioff氏にとって、Salesforce.comこそが「21世紀の企業」だとするBenioff氏。メインフレーム時代からPCの時代に移行した時も、PC市場がここまで成長するとは考えられていなかったが、今はPCからインターネットの時代に、さらにはソーシャルメディアインターネットの時代に移っているとBenioff氏は見ている。
「MicrosoftやOracleは創業から30年以上経過している。これらの企業だけではないが、これまでに成功した企業や失敗した企業を数多く見てみると、そこにパターンがあるのがわかる。だから現在われわれが成功している姿も予測できていた。新しい時代には新しい企業が生まれ、新たな価値が生まれるのだ。私は常に自ら変化をもたらすことが大切だと思っている。この考えを基に、これからもSalesforce.comはクラウドコンピューティング分野のリーダーであり続ける」(Benioff氏)
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