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富裕外国人が集まるスイスは税金を交渉で決められる!


2011年1月25日(火)日経ビジネス 河合江理子

 デフレと人口減に悩む日本は外国人観光客の誘致に力を入れている。では、本当の観光立国とはどこが違うのか、先行する国々の事例と比較しながら、日本が対応すべき課題を考えていきたい。

 バーゼルの国際決済銀行(BIS)時代の元の同僚シンガポール人から冬休みにニセコにスキーにいったという新年のメッセージをもらった。彼は過去数年シンガポールからニセコにスキーに来ている。ニセコに行く以前はカナダまでスキーにいっていた。

 海外からの観光客で賑わうニセコについては、すでに日本でもよく報道されている。彼の言葉を借りれば『ニセコにいると日本にいるということを忘れてしまう。スキーのコーチが日本人ではないし、スキーのレンタルもオーストラリア人が応対するし、ピザの配達を電話で頼めばオーストラリア人が応対する。今回義理の兄がスキーの事故で足を折ってしまい、ニセコの病院にいった。そこには英国人のインターンがいて通訳をしてくれて助かった』日本にいながらすべて英語で用が足りる。

 そういえば香港で働いているハーバード大学の同級生が、ニセコに土地を買って外人用の高級アパートを建てたいとクラスメートの建築家に相談していたな、と思い出した。ニセコはオーストラリア人だけではなく、アジア中で注目しているスキーリゾートなのだ。

 九州はお隣の韓国からゴルフと温泉ツアーで賑わっている。韓国のソウルの近辺でゴルフをすると5万円ぐらいかかる。だから、わざわざ交通費をかけてもゴルフをして温泉も楽しめるといって九州が人気になっている。ゴルフ人口が減ったゴルフ場などはそれで活性化しているという。他の温泉地も日本人客が減っている分を中国人や韓国人観光客で埋めようしているところが多いと聞く。

 ヨーロッパでもスペインやポルトガルでは英国人やドイツ人のためのリゾート地が海岸沿いにできており、英語やドイツ語でことが足りるようになっている。今年の冬の休暇はポルトガルの南部の海岸で休暇をとったが、30年ぐらい前までは寂れた漁村だった地域は英国人のリゾート地へと変化している。不動産業者、会計士、マッサージやテニスのコーチに至るまであらゆる業種で英国人が働いている。リゾート地の住人のほとんどが英国人で、住居や宿泊施設には英国人用のケーブルテレビが入っており、スーパーマーケットにいっても英国人の好みにあわせた品揃えがしてある。

 スペインのマジョルカ島では、太陽と暖かい気候を求めるドイツ人が休暇滞在だけでなく居もかまえており、場所によってはドイツにいるような感覚を受ける。レストランではスペイン語を話させないドイツ人のウエーターが働いていたりする。今はマジョルカ島のリゾート地の方がドイツの一部の主要都市よりも不動産価格が高くなっている。

シンガポール政府は長年ギャンブルを禁止していたものの、2010年に観光客から外貨収入を得るために巨大カジノをオープンした。外国人がカジノに入るのはパスポートを見せれば無料だが、シンガポール人は100シンガポールドル(約6400円)の入場料を払わなければならない。外国人が賭博でお金を落としていくのは国が豊かになるのでいいが、入場料を高めにしてシンガポール人がギャンブルに走らないよう配慮している。シンガポールでカジノを経営する米国のラスベガス・サンズは2010年同国で600億円ほどの利益をあげたという。


外国人富裕層が税金を直談判して決めるスイス

 スイスも同じように観光立国として富裕観光客からの恩恵を受けてきた。スイスは州によって税率が異なり地方自治体が自由に地方税を設定できるので、税金を低く抑えようとする欧州の金持ちや世界的に有名なスポーツ選手そして芸能人たちが、地方政府と交渉し低い税金でスイスの居住権を得ている。例えばカーレーサーのミヒャエル・シュマッハーはスイスに居住しているが、ドイツで税金を払うのとスイスで税金を払うのでは何億円、いや何十億円の違いが出てくるのだろう。

 小さな山村にとってこういった外国人からの税収入はかなり魅力的である。スイスに住みたい外国人は、まず納税額を最初に交渉で決め、次に居住権を得る。日本の都道府県にもこうした柔軟な税制があれば、地方に住みたいという外国人が増えるかもしれない。

 もちろん税金が安いからという理由だけで、富裕層がスイスには喜んで住んでいるわけではない。スイス国民が外国語を流暢に話すということも大切な要素だ。公用語(ドイツ語、フランス語、イタリア語)に加えて英語はほとんどの場所で通用する。私はドイツ語がほとんど話せないが、スイスドイツ語圏に住んでいてもあまり苦労はしない。医療施設、レストラン、市役所の職員、駅員、家主など、たいていの人は英語を話す。電話で英語が通じない場合は、少し待てば英語を話す人が電話に応対してくれる。スイスの誇る美しい自然やすぐれた医療、安全などの環境面でも優れている。

 観光立国からの弊害ももちろんないわけではない。ロシア人の大金持ちなどが国際的に人気の高いスキーリゾート地のサンモリッツなどの不動産価格をつり上げていることへの反発も多い。小さなアパートでも1億円以上する。普通のスイス人には手の届かない高級リゾートになってしまっている。ジュネーブの周辺の高級住宅地に住む友人が家を売ろうとした時、隣人から「ロシア人だけには売らないでくれ」と頼まれたという。スイスではまだかなりの地域で外国人の土地の所有には様々な制限がされている。外国人の買占めを防止するためにうまく工夫しているのだ。

 国外の富裕層からの経済的なプラス効果を享受しているスイスでも、移民や単純労働に従事するような外国人に対する感情は悪化している。外国人イコール犯罪者として排除のキャンペーンしている排他的民族主義政党もかなりの国民の人気を受けている。このような政党が躍進しているフランスやオランダも同様で、移民同化問題はヨーロッパ全体の問題である。フランスになじめない移民2世が、パリの郊外で人種差別や失業などの不満が爆発して車を何万台と火をつけたのは2005年のことだった。

 日本人の富裕層が税率の安いシンガポールや香港に移住してしまうことが報道されている。これとは反対に世界の優れた技術や才能を持った外国人が喜んで働く国際的都市が日本に誕生すれば、これは日本の将来にとって好ましいことではないだろうか。

デフレや人口減少などの問題を抱える日本を活性化する上でどのように外国人を受け入れていくかが今後重要になってくるだろう。人口が増えないと長期的には土地の価格は低下してしまい、デフレスパイラルから逃げるのはかなり難しくなる。ニセコの例を挙げるまでもなく観光客が地元経済を活性化する可能性は大きい。

 フランスで移民暴動事件等を経験しているから安易な移民政策を唱えるつもりはないが、スイスシンガポールのように外国人をうまく取り込む政策というものを積極的に考えたらどうだろうか。以前に比べてかなり改善したが、英語の標識は少ないと日本を訪問した友人たちは指摘する。英語を話す層も増えているものの、やはり世界的にみてまだまだ少ない。

 政府の英語教育関係資料を見ても、英語能力試験(cBF TOEFL)の結果では日本は平均得点において他のアジアの諸国と比べても低い水準にとどまっている。データは少し古いが、2006年の段階で、コンピューターベースの同じテストを受けた場合、日本の平均点は192点。中国韓国とは約20点低く、インドからは40点低いという結果になっている。(詳しくはここをご覧ください。[pdfファイル:429kb])

 アジアから日本に来る観光客を見ていると、ある程度の教育を受けている人たちは英語を話す。一方で、日本では高い水準の教育を受けていても英語を話す人はまだ少ない。

 今後、海外からの観光客が増え日本人の中で片言でも英語を話す層が拡大すれば、日本の国内の国際化が進むことになる。そして、観光客が増えれば日本の内需が刺激される。世界どこの国に行っても、観光客相手の人は片言の英語を話す。海外からの旅行者にとって片言の英語でも話してくれればありがたいし、少なくとも外国人とコミュニケーションをしたいという意欲を感じてくれる。コミュニケートする努力は日本が観光立国を目指すとすれば必須であると思う。

 そして観光客が増えれば実際に英語を使う機会が増え勉強するインセンティブも高まるであろう。片言の英語というのは本来の英語教育の目的としてはさびしいが、話すことでモノが売れる、宿泊客が増える、という直接的な理由があれば、日本の観光地でも英語を話そうというモチベーションはもっと広がっていくはずだ。ニセコの例を見ると、案ずるより産むが易しかもしれないと思う。

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少子化、就職難の今こそ日本の教育を考える!

2011.01.24(Mon)JBプレス 佐田重夫

1.就職難に喘ぐ若者たち!

 景気が思うように回復しない中で若者は就職難に喘いでいる。大学は卒業したものの就職先が見つからず、留年して翌年の就職に再チャレンジする者もいるという。

 少子化と高齢化というダブルパンチが同時に押し寄せる厳しい時代に、日本の将来を担う人材としての若者が職に就けず貴重な時間を浪費する。

 このことは本人はもとより、国家としても大きな損失と言わねばならない。

 雇用環境を見ると今後企業のグローバル化は一層進んでいくだろうし、海外進出企業は既に採用しているが、国内企業も有能な外国人(特に若者)の採用数を増加する傾向にあり、この先景気が回復しても日本の若者にとって簡単に就職環境が改善されるとは思われない。

 加えて日本の若者は、この住みやすい日本(将来どうなるか分からないが)から外に出て新しいことにチャレンジしようという気概が以前に比し低下してきており、グローバル化の流れに全く逆行している。

 お隣の韓国は、国内だけでの努力では発展に限界があるとして、早くから海外に目を向け留学や海外企業への就職を積極的に行い、一流の最先端分野で経験を積み、その一部が母国に帰り国内企業発展の大きな原動力となっている。

 一方、日本はバブルが崩壊してからの20年、かつての成功方程式の幻想や既得権の呪縛から抜け出せず、抜本的な改革の手が打てずに、ずるずるとここまでやって来た感がある。そのため世界の流れから周回遅れという評価もあるくらいだ。

 自衛隊OBである筆者がここで景気回復の手をどうすべきだと述べる資格も能力もないので、政府の景気回復や雇用拡大施策を待つしかないが、その成果が表れるまでは当分時間がかかりそうであるし、このような状況は常態化することも考えられる。

 従ってこのように就職したくてもできない意欲的な若者に対し、無駄に時間を費やさせずに自衛隊を活用して、日本再生の原動力として期待すべく若者世代に不足するものを補って世に送り出す方法はないものだろうかとの提案である。

2.若者の成長環境と特色!

今年の新成人は、平成2(1990)年生まれ、全国で124万人(4年連続過去最低を更新、将来は100万人を切りそうだ)、人口全体に占める割合が初めて1%を割り込み、まさに先細り現象だ。

 つまりこれから成人になる若者は、すべて平成生まれで、大学を卒業する者もやがて平成生まれの人ばかりになる。

 この平成生まれの若者は、バブル崩壊後に生まれ成長したが、豊かさがまだ感じられる中で核家族の一人っ子として大事に(中には甘やかされて?)育てられたが、途中から停滞(衰退?)していく日本の状況も感じつつ成長した。

 高卒者の多くが大学に進学(平成21=2009年度大学・短期大学進学率56%、浪人を含む)しているが、それほどの激しい競争もなく入学でき、大学は学ぶところというよりも受験勉強や親から解放されて自由を楽しむところとの感覚が強い。

 卒業すれば何とかなるとの思いで、単位は卒業に必要な程度で学生生活を過ごしてきた者が多いのではないか。

 もちろん、中には卒業後に目指すべきものをしっかり定めて世界を視野に学問、研究、芸術、スポーツなど熱心に励んでいる学生もいると思うが、その傾向は右下がりである。

 この世代の人は、住み心地のよい時代(ピークは過ぎていたが)に成長したためか平和や繁栄は当然あるものと思い、それが厳しい競争や微妙な力のバランスの上に成り立っているとの実感はあまりない。

 そのために国家安全保障や国の防衛といったことには関心がなく、日本という国家意識や国家への義務感は低く、日本の歴史や文化に対する誇りも薄い。

 生活面で見ると祖父母や多くの兄弟姉妹と共に生活をした者は少なく、食べることの苦労もあまりしていない。

 まして人間としての倫理・道徳観や宗教観となると古臭いと感じるのか教わっていないのか、理解しがたい領域である。

 誰にも迷惑をかけなければ(本人は気づかないだけで周りは迷惑を受けているのであるが)いいではないかとの思いが行動の基準である。難しく言えば、人間が有すべき根源的な戒め(持戒)とは何かの意味が理解できていないのである。

 反面、流行や人間関係には異常なほど敏感に反応する傾向がある。従って楽しいこと、面白いこと、珍しいことには関心が強く、出会う人(先生、友達、先輩)によって善くも悪くも大いに影響を受けやすい。

 つまり関心のあることや人や環境との出会いによって大きく変わる、成長できるということである。

 そんな若者たち、好むと好まざるとにかかわらずこのような平成の時代環境に生まれ育ち、育てられたのである。

 平成の時代環境を内政面で見ると、少子高齢化の頭でっかちの人口構造、巨額な財政赤字という重荷、景気の停滞、それらを解決する目途が立たない不安定な政治情勢が挙げられる。

 一方、外交・防衛の面では、日本周辺が先行き不透明で何が起こるか分からない厳しい安全保障環境、経済面ではグローバル化による新たな発展・流通システムの構築が迫られるなど、日本は厳しい舵取りをしなければならない状況にある。

 これからそんな厳しい環境に対応していかねばならないのであるが、危惧されるのは個人や国家が元来持っていた日本人としての文化・伝統・価値観といったものの骨幹(軸、芯)が崩れかけ、あるいは溶けかけているのではないかと言われ始めていることである。

 だからなのか個人としても国家としても何を根拠(根本理念・思想)にして何をすべきなのか見出せず、重苦しい明るさ(展望)の見えない厚い雲(閉塞感)で日本全体が覆われている感じである。

 従ってせめて今が、自分が、自分の国がよければと、一時的・利己的・内向きな考えになっているように思う。

 もちろん、このような環境の中でも志を世界に向け、自分たちの世代が何とかしなければという意識を有する将来に期待が持てる若者も育っているだろうが、それはまだ一部の人に限られ、世代としての勢いが感じられるところまでは至っていない。

 若者が益々減少(出生者数は昭和24=1949年のピーク時で269万人に対し平成18=2006年は109万人)していく中で、多くの若者が職に就けずにいたらどうなるのか。成長は止まり意欲は低下し、社会での活躍を期待するどころか社会のお荷物になる可能性すらある。

 そうなったら多くの課題を抱える日本は、いったいどうなるのか。

3.若者に対する期待

 それでは、今の時代どんな若者が求められるか。これからの時代を考えるとグローバル化、ハイテク化、ハイスピード化という状況の中で、多くの課題と向き合いこれを解決していける若者の意欲や行動力そして若者世代の勢いに期待したいのである。

 以前、団塊の世代が若者であった時代からはその数が半減し、将来は3分の1近くになりそうである。減少した分だけ質の方は倍増、3倍増してもらわねばならないのである。

 具体的には、グローバル化の中で日本の置かれた状況を世界的視野で観察し、日本の進むべき方向を見定め、その中で世代の役割を十分理解し周り(人、社会、国、世界)を動かして行動できる人が求められる。

 つまり日本の現状をよく理解したうえで、日本(国益)のために汗を惜しまぬ人である。これは、国家が本腰を入れて育成しなければ、実現できないのである。

4.自衛隊の教育機関とその活用!

陸・海・空各自衛隊には自衛官を志願する人に対し必要な基礎的教育を行う機関(新隊員教育隊)がある。

 当初の3カ月間は自衛官候補生(昨年できた制度)として、徳操・使命教育(人間教育)、自衛官共通の基礎的事項を、後半の6カ月間は、自衛官として各職域に必要な基礎的知識・技能を修得する。

 人員は、ピーク時には年間3万人程度教育していたが、最近は、景気低迷による退職者の減少や定数削減が影響して採用数が極めて減少し2000人程度であり、かつての10分の1以下になっている。

 この自衛隊の教育機関を就職待ちの若者に開放し育成に活用したらどうか。つまり就職浪人の若者たちを自衛隊を活用して教育できるようにする制度を法制化・予算化するのである。

 教育の目的は、学校を卒業した平成の若者に対し、将来を期待される日本人として必要な教育(欠落している分野を補うもの)を施し、志と自信を持たせて社会に送り出すことである。

 結果として若い世代に国防の理解者が拡大できるし、少子化が続けば必ずや自衛官の確保も難しくなる。その時にこの制度の修了者がいろいろな面で役に立つものと思う。

 教育要領は、いろいろなことを考慮して決定しなければならないが、一案を提示すると次のようなものである。

 教育人員は、この十数年の教育実績と新隊員(自衛官候補生)の教育所要があるので当面1万人を上限とする。期間は、3カ月コース(基本教育)と6カ月コース(基本教育+部隊での技能教育と実習)2コースを準備する。

 期間については、教育効果があれば更に延長することも考慮する。募集は、厚生労働省文部科学省の協力を得て、各都道県に所在する自衛隊地方協力本部が有する機能を使って自衛官候補生の要領に準じて行う。採用は、この制度の特性から論文と面接を重視する。

 身分は、自衛官として入隊するのが望ましいが、自衛官定員の関係で困難であると見込み、定員別枠の防衛省職員とする。在籍する大学などからの教育委託学生とする方法も考えられる。

 経費については、新隊員教育と同様に教育に必要な経費および隊内での生活経費は国が負担する。手当については、身分により異なるので細部検討する必要がある。

 資格は日本国籍の男女で、年齢は高校卒業年齢の18歳から大学卒業年齢の23歳までとする。

 各コース修了後、希望者は所要の手続きや補備教育を受ければ現役自衛官や予備自衛官の道を選べるようにする。また修了者に対しては、自衛隊のよき理解者として必要な協力関係を結ぶようにする。

 一般企業への就職は国(防衛省厚生労働省が連携)が斡旋する。また修了者の雇用協力企業に対しては、何らかの特別措置を考慮する。

 教育課目は、新隊員教育隊の課目を基本にするが、日本国民としての意識・誇り・役割(使命、義務)の認識を講義と実技・実務で促す教育を重視する。教育内容によっては自衛隊以外から適任の教育者を招致することも考える。

珍しく的を射た菅首相、その志をムダにするな!

2011.01.25(Tue)JBプレス 岡俊彦

ここに1冊の文庫本がある。新人物往来社が出版した秋月達郎氏による『海の翼―トルコ軍艦エルトゥールル号救難秘話』という本である。

在外邦人は日本政府が救出してくれることを望んでいる!


イランイラク戦争中の1985年3月17日、イラク軍は3月19日以降、イラク領空を飛行する航空機への無差別攻撃を宣言した。

 この時、イラン国内に取り残され、帰国する手段を持たない苦境に立たされた在留邦人に対し、トルコ政府は日本人救出のため特別機を提供し在外邦人の救出に当たった。

 その背景にある100年前のトルコ海軍エルトゥールル号救出への恩返しを描いたドキュメンタリー小説である。

 小説とは言いながらそれぞれにモデルが存在し、イランに在留する日本人の取り残された焦りや恐怖感、また、欧米の航空会社が自国民を優先して搭乗させているのに、なぜ日本の航空機は救出のために飛んできてくれないのかという日本政府に対する情けない思いなど当時の現場の雰囲気が、ひしひしと伝わってくる。

 その当時は、自衛隊に対して「在外邦人等の輸送」という任務が規定されていなかったために自衛隊の航空機を派遣することはできない状態であった。

 その後、自衛隊法が改正され、現在では自衛隊法第84条の3において、「防衛大臣は、外務大臣から外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して生命または身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があった場合において、当該輸送の安全について外務大臣と協議し、これが確保されていると認める時は、当該法人の輸送を行うことができる」と規定されている。

 現状、自衛隊法によるこの規定が、我が国における在外邦人輸送の唯一の根拠であるが、この条文には3つの重要なポイントがある。

 最も重要なポイントは、「在外邦人等の輸送」であり「救出」ではない点である。次に「輸送の安全が確保されている」ことであり、最後に「外務大臣からの依頼」があることである。

邦人輸送と邦人救出!

 残念ながら現在の自衛隊法では、あくまでも輸送の安全が確保されている状態で自衛隊機を民間機の代わりに輸送機として(あるいは、海上自衛隊の艦艇を)使用できるという規定であり、在外邦人の望む邦人救出とは異なる。

 我が国では、邦人輸送と邦人救出が同じ概念で使用されている懸念があり、さらには、自衛隊法の規定で邦人救出が可能であるように解釈されている。

そのいい例が、昨年暮れ、菅直人首相が朝鮮半島有事の際、邦人救出のために自衛隊機を現地に派遣できるよう、韓国政府と協議に入る考えを表明したことである。

ところで、邦人輸送と邦人救出は、どう違うのであろうか?

 数多く自国民を紛争地域から救出している米軍の考え方、すなわち、米軍の統合図書(United States Military Joint Publication)3-68「非戦闘員退避活動(NEOs:Noncombatant Evacuation Operations)」を参考にし、その違いを分析することにする。

 非戦闘員退避活動(以後「NEOs」という)とは、米国市民、国防省の文官、ホストネーション国の国民および第三国の国民を外国の危険地域から安全な避難地に退避させることであり、敵対的な危険からだけでなく、自然災害に伴う危険からの退避も含まれている。

 また、NEOsの目的は、次の3つである。

(1)保護、安全な避難地への退避および避難地の福利厚生を提供すること。
(2)死亡および/又は人質として拘束される危険に陥る人数を最小限にすること。
(3)予想されるあるいは実際の戦闘地域にいる人数を最小限にすること。

 この概念こそ邦人救出の概念であり、飛行の安全が確保されている地域からの輸送とは大きく異なっている。在外の邦人が望むものは、まさしくこの邦人救出≒NEOsにほかならない。

邦人救出の所管は誰か!

 NEOsでは、国務省が全責任を負い、非戦闘員の保護、退避のための緊急対応策並びに計画および手順を策定することとされている。

 NEOsを実施中は、戦闘指揮官や統合軍指揮官ではなく、現地の大使が最高権威者としてNEOsと退避の安全について全責任を負っている。国防省は、国務省のNEOsの計画策定に助言し、NEOsの手段を提供するだけである。

 自衛隊法でも在外邦人などの輸送は、外務大臣からの要請によることとされており、この面からは外務省が所管すると読めるが、外務省が全体としての輸送計画を立案しているとは、寡聞にして知らない。

一国の首相が邦人の救出が必要であるという認識ならば、国としての救出の意思を明確にし、外務省を中心として邦人救出計画を立案することに最初に着手しなければならない。

我が国の現状の態勢で邦人救出が可能か!

NEOsにおいて、国務省は、既に不安定な環境への軍の投入はさらなる不安定を生起させるため、スモールフットプリントを維持すべく軍のレベルを制限し、あるいは、最小限の行動とするよう計画を策定する。

 また、このために武器の使用を政治がコントロールするROE(Rules of engagement:部隊行動基準)を策定し、部隊に明示することが不可欠である。

 朝鮮半島有事の状況で邦人救出を実施しようとすれば、自衛隊の投入のフットプリントを最小限にするにしても、救出任務を遂行するための、あるいは、邦人を保護するための武器の使用は不可欠である。

 現状の憲法解釈、特に武力の行使と武器の使用を同一に解釈するのであれば、朝鮮半島有事における実効ある邦人救出は極めて困難である。

 そこを改善しない限り、現行の輸送の安全が確保されている状況での邦人輸送しかできない日本国のままである。


ところで、自衛隊が保有する邦人輸送のための手段は、輸送用ビークルとして航空自衛隊が運用する政府専用機(B747-400×2機)、輸送機(C-1×26機、C-130H×16機)、海上自衛隊の艦艇(特に、おおすみ型輸送艦×3隻、ひゅうが型護衛艦など)を活用することができ、また、陸上自衛隊は護衛部隊として、年度ごとに派出護衛部隊を指定している。

 一方、邦人輸送の訓練は、2003年11月に海上自衛隊演習の一環として、海上自衛隊の大村航空基地において、海上自衛隊と陸上自衛隊が協同して実施したことがある。

 この時は、紛争などで混乱した外国から在外邦人を迅速に誘導、避退させることを狙いに、陸、海自衛隊員約1000人と海上自衛隊の大型ヘリ2機、護衛艦と輸送艦計4隻が参加して実施された。

 外務省係官に扮した隊員が旅券により身元を確認後、海上自衛隊の大型ヘリで「出国」、長崎県の大瀬戸町沖に待機する輸送艦に収容した。

 

このほかに、陸上自衛隊と航空自衛隊の間では数多く邦人輸送に関わる訓練が実施され、航空機の離発着時の航空機の安全を確保するための警備、待機場所での身元確認、誘導、邦人の警備等のノウハウは確立されている。

また、2006年から自衛隊は本格的な統合運用体制に入り、当初、2つ以上の自衛隊が協同して行動する場合の指揮の問題(誰が指揮官となるのか)は、統合部隊の編成により解決され、より円滑に実施できると見積もられている。

 このように、自衛隊はいつどこにでも出動できる意思と能力を有しているが、これまで訓練している内容は、待機(避難)場所からの出国手続き、警護が主であり、現地の大使が指定する避難場所までの誘導、警護を含めた訓練はなされていない。

 これは、邦人輸送を主導する外務省との調整がなされたうえでの訓練ではなかったためである。輸送の安全が確保されている状況での邦人輸送ならば、これでいいのかもしれないが、実際の状況では、現地の大使が指定する避難場所までの誘導、警護が最も困難な任務である。

 以上のことから、現状の我が国の邦人輸送の態勢は、防衛省自衛隊が飛行の安全が確保された状況で、邦人輸送に提供できるビークルを保有しているという段階にとどまっている。

 国を挙げて邦人輸送の態勢を確立するためには、まず第一に、「輸送の安全が確保されている」という現行法規の前提を正すべきである。

 次いで、官邸、外務省に関係省庁(厚生労働省国土交通省など)を巻き込んだ(必要であれば在日米軍を加えた)図上演習により国としての邦人救出計画およびROEの立案、検証を図り、その計画に基づく実動訓練により、さらなる検証を行い、邦人輸送の態勢を完備すべきである。

朝鮮半島有事における邦人救出!

 一般に、NEOsにおいては、次の3つの情勢に区分し、それぞれの対応を定めている。

(1)Permissive Environment(退避対象国との間に行き来が可能な状態)
(2)Uncertain Environment(退避対象国の軍隊が作戦を実施中であるが、政府の領土、国民に対する統制が効果的に実施されているか不明な情勢)

(3)Hostile Environment(騒乱からテロ行為、全面戦闘に至る状況で、非戦闘員は避退させられる情勢)

 韓国には約3万人の邦人が滞在していると見積もられている。しかも、その大半が首都ソウルおよびその近傍に起居していると言われている。

韓国の首都ソウルは38度線から数十キロしか離れておらず、朝鮮半島有事の場合、一瞬にしてパニックとなり整斉とした避退を困難にする。

 従って、朝鮮半島有事の邦人救出は、できるだけ Permissive Environment な情勢の下で開始すべきである。

 ところが、筆者が現役自衛官であった時、韓国合同参謀本部の防衛計画を担当する部署との意見交換の折、朝鮮半島有事の際は早めの邦人救出が必要である旨を表明したところ、次のような返答が返ってきた。

 「大量の日本人が韓国から退避を開始すれば、韓国国内は、何か異変が起こるのではないかと国民の間にパニックが生じてしまう。従って、早めの退避には、韓国政府として協力しづらい」

 もちろんこれは個人的意見であるが、十分考慮の対象になることである。

 菅首相の発言に対して、朝鮮日報は社説で「非常に配慮に欠け、誤解を呼び起こしかねない不適切なもの」と断じている。

 また、我が国のマスコミは、日韓の間には歴史問題があるため調整は困難であり米軍への期待を表明する論調も多い。

 しかし、韓国内外の雰囲気がこのような状態であったとしても、日本国として韓国在住の約3万人の邦人を、他国の援助を期待し、手をこまぬいて見過ごすことはできない。

 救出の手立てを尽くすことは、日本国政府の基本的な任務であり、政治家、官僚だけでなく国民一人ひとりを含め、国を挙げてこの問題に対処すべきである。

 幸いに、韓国との間には、1994年11月に第1回の日韓防衛実務者対話をソウルにおいて行って以来、相互に防衛首脳などのハイレベル交流、防衛当局者間の定期協議、部隊間の交流などが着実に進展している。

本月の10日には北沢俊美防衛大臣が訪韓し、日米間で締結されている物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向けた協議を呼びかけるなど、安全保障面での韓国との戦略調整が進もうとしており、韓国政府と腹を割って Permissive Environment における邦人救出の必要性を説き、徐々に調整の下地を整えていくべきである。

 もちろん、Uncertain Environment および Hostile Environment における邦人救出も当然考えられ、自衛隊のフットプリントを韓国国内に示すことのアレルギーは当然予想されるが、どこまでのフットプリントならば許容できるのか調整の余地はあると思われる。

 同時に、残された軍事的対応の必要については、米軍を巻き込み韓国側と調整せざるを得ないと思われる。

 朝鮮半島情勢は、北朝鮮のミサイルおよび核兵器の開発に加えて、昨年の北朝鮮による韓国海軍警備艇「天安」の撃沈事件および延坪島砲撃事件並びに2012年強盛大国の大門を開くための後継者の選出などの混沌とした情勢から想像を超える事態が発生する可能性を否定できない。

 そのような情勢認識に立てば、菅首相が邦人救出のための自衛隊機の派遣の考えを表明したことは、的を射たことであり、首相発言を契機に与野党が一致協力して、国会の総力を挙げて邦人救出の態勢を整備すべきである。

 のちに仙谷由人官房長官(当時)がその考えを否定したように首相のその場の思い付きにしてホオカムリをしてはならない。

産経新聞 1月24日(月)

大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」は24日午後、今春の統一地方選挙に向けたマニフェストを発表する。大阪府と大阪市を再編する大阪都を実現させた後、特別区などに中核市並みの権限を付与するほか、府市の二重行政を解消することで、大阪府と大阪市の職員数を約3割削減することなどを盛り込む。府議選、大阪、堺市議選に勝利すれば、それぞれの議会で都制移行を決議し、平成27年春にも大阪都を実現させる-とするスケジュールも明らかにする。

マニフェストによると、5月に府と大阪市、堺市による協議機関を設置し、特別区の財源配分などの検討を開始。住民投票などを経て大阪都に移行し、27年4月に初の特別区長、議員選を行うとしている。ただ、区割りや区議の定数には触れていない。

 一方、生活保護や国民健康保険、介護保険は大阪都が管轄。特別区は各区の判断で大阪市が行っている現行の敬老パスを維持したり、公立中の給食実施、医療費の中学生までの無償化などが可能とした。

 また、大阪市営地下鉄とバスは民営化。JR大阪駅前の北ヤードについては森にすることとし、将来は関西国際空港との結節点とするリニア中央新幹線の新駅建設を提唱している。

 橋下徹知事は「特別区には中核市並みの権限を付与すると明記しており、これぞ、地方分権だと思う。大阪都構想の中身についてはこれでほぼ固まった」と語った。


◇「三都」連携、日本を再生 経済圏、リニアで合体!

2011/01/01 産経新聞

【橋下知事インタビュー】

 4月の統一選を中心に地方選イヤーを迎えた中、大阪府の橋下徹知事は産経新聞の単独インタビューに答え、自身が掲げる「大阪都」に加え、河村たかし名古屋市長らが打ち出す「中京都」と、東京都の日本三大都市圏が協調して発展する「三都構想」が不可欠との考えを提示。将来的に三都を一つの経済圏として、世界的な都市間競争に向かうべきだと主張した。橋下氏は「都構想こそが国家戦略」としており、三都連携を軸に、新たな国のかたちづくりに本格的に乗り出す構えをみせた。

橋下氏が三都構想をもとにした日本再生のビジョンを打ち出したのは初めて。当面、2月の愛知県知事選、名古屋出直し市長選に出馬する大村秀章衆院議員と河村氏を全面支援するとともに、4月の東京都知事選でも構想に理解を示す候補を支援し、各選挙を通じて構想実現のための法改正を政権与党に迫る考えだ。

 ただ、産経新聞が12月、インターネットを通じて行った意識調査では、橋下氏の支持率は76・8%で高水準を維持する一方、大阪都構想実現のため自身が率いる地域政党「大阪維新の会」の政党支持率はわずか3%に低迷、浸透しきれていない様子もうかがえる。

 橋下氏は三都構想について、平成57(2045)年までに東京-大阪間が開通予定のリニア中央新幹線も見据え、「日本のGDPの7割を生み出す都市圏がリニアで約1時間で結ばれ、一つの経済圏になる。東京だけでは日本は引っ張りきれない」と強調。「これまでは国土の狭さが不利だといわれたが、世界でもこれほど経済圏が近接した国はなく、その狭さがチャンス。三大都市圏のトリプルエンジンでいきたい」と語った。

 その上で「三都合わせると有権者約3千万人の声になる。これを民主党が無視すれば、地域主権は虚像以外の何物でもなくなるし、無視できないのではないか」と主張。愛知県知事選や名古屋市長選、東京都知事選でもこうした構想に賛同する候補を支援し、協調して国への働きかけを進める考えを明らかにした。

 三都構想の根底には、世界的な都市間競争があるといい、「今までは、都市部も地方も抱き合わせでやってきたが、都市部の意をくんだ政治勢力と、地方の意をくんだ政治勢力という軸で対立構造になる時代になってくる」と推測。こうした二極による政治グループの再編が必要との見方を示した。

本体は3万9800円の低価格!1年間の電気代はわずか624円

オフィスでは1人1台のパソコンがあたりまえとなって久しく、もはや日常業務にパソコンは不可欠だ。ビジネスの現場では、パソコンの有効活用による生産性向上とともに、コスト削減やセキュリティ強化への要求がますます高まっている。

ユニットコムはBTO/自作パソコンショップ「パソコン工房」や「Faith」、「TWOTOP」を全国展開している企業である。主にコア層の個人ユーザー向けに、性能・信頼性・コストパフォーマンスそれぞれに満足度の高いオリジナルパソコンを長年提供してきた。

同社はこの度、そのような豊富な実績を背景に、法人向けパソコンの分野にも事業領域を拡大。その第一弾として、2010年11月末より販売開始した製品が、液晶一体型パソコン「Lesance Crimson-e」(レサンセ クリムゾン イー)である。OSは最新のWindows 7 Home Premium 32bit 正規版がプリインストールされている。

同製品の特長としてまず挙げられるのが、コストパフォーマンスの高さだ。本体は3万9800円(税込)という低価格を実現。もちろん一体型ゆえに、液晶モニター込みでの価格であり、有線のキーボードやマウスも付属する。企業はパソコンの導入コストを大幅に削減できる。

導入時のイニシャルコストに加え、ランニングコストの低減も期待できる。省エネ・薄型LED液晶の採用などによって、低消費電力を達成。年間の電気代(電気使用量料金)をわずか624円※に抑えられる(1日8時間稼働、スリープ時稼働16時間で年間360日使用の場合)。これは、3年前の一般的なデスクトップパソコン+液晶モニターの環境と比べて、1年間で約9600円※のコスト削減になるという。

※いずれもユニットコム調べ。

※電気代の計算は以下の数字を用いた。
稼働時消費電力:12W 8時間×30日 東京電力費用44.9円/月
スリープ時消費電力:1W 16時間×30日 東京電力費用7.5円/月
合計 月間消費電力:3.36kW 約52円/月

◇フルHDの広い画面で効率よくソフトが使える!

コストパフォーマンスの高さと並ぶ同製品の特長が、高解像度の液晶画面だ。解像度1920×1080ドットのフルHD18.5インチ型ワイド液晶を搭載している。液晶パネル周囲の枠(ベゼル)は、幅を最小限に抑えたスタイリッシュな設計となっており、画面の大きさを活かすデザインとなっている。

解像度1024×768ドットのスクエア型液晶と比べると表示範囲が格段に大きく、デスクトップを広々と使えるので、オフィスワーカーの生産性の向上に寄与する。例えば、ビジネスで多用される表計算ソフトなら、より多くの行/列を表示できるようになる。それゆえ、下や右の方にあるセルを表示するために、いちいち画面をスクロールする手間が少なくすみ、作業に要する時間を短縮できる。プレゼンテーションソフトにおいても、各種ツールバーや作業用ウィンドウを表示しながら、スライドを大きく全体表示できるなど、効率よく作成できる。ほかにも、日常よく使うワープロやWebブラウザー、業務アプリケーションなどあらゆるソフトウエアで、広い画面を利用するメリットがある。

CPUはインテル Atom プロセッサー N450、HDDも160GB、メモリは1GBなど、ハードウエアは必要最小限なスペックにとどめられているが、通常のビジネスユースには全く問題ない。文章作成や表管理作業、インターネットやメールなど、高い性能を必要としない業務に日々使うパソコンの新規導入に最適な製品だ。同時に、長年使い続けている一世代前の高消費電力・低解像度のパソコンのリプレースにも向いている。

◇優れた省スペース性を実現 ドライブレスで持ち出し防止も!

Lesance Crimson-eは高い省スペース性も備える。一体型なので、パソコン本体の設置スペースを別途必要としない。本体の最も薄い部分は16mmのスリム設計なうえ、本体とモニターをつなぐケーブルもないため、オフィスの机の上のスペースをより有効利用できる。重さは1.76kgと軽量ボディのため、セッティングやオフィスのレイアウト変更に伴う移動も容易だ。

本体カラーはブラックとホワイトの2色が用意されており、職場の雰囲気に合わせて選択できる。また、パソコンは電源ファンの音が結構うるさかったりするが、本機はACアダプター駆動のため騒音が少ないのもオフィスユースではうれしいところだ。

セキュリティについても優位性を持つ。一般的な事務業務では、光学ドライブを利用するケースは極めて少ない現状から、ドライブレス構成を採用している。その結果、コスト削減とともに、機密データを書き込んだCD/DVDディスクの持ち出しによる情報漏えいの防止も実現した。ほかにも、据え置き一体型のため、ノートパソコンのように持ち出される心配は少なく、紛失や盗難による情報漏えいのリスクも低い。

◇グラフィック機能が充実の上位モデル 全国を網羅したサポート体制!

ユニットコムではLesance Crimson-eと並行して、上位モデルの「Lesance Crimson-e EX」も提供している。同モデルはLesance Crimson-eをベースに、メモリは2GB、HDDは320GBと2倍の容量にアップ。さらにはグラフィック・アクセラレーターとして、「NVIDIA ION Graphics Processor」を搭載するなど、駆動性や保存性、描画性能でワンランク上のスペックを装備している。ちょっとした画像加工や動画再生などが発生する業務なら、上位モデルの方がより快適に利用できるだろう。カラーはブラックのみで、価格は4万9800円(税込)となっている。

Lesance Crimson-eシリーズは、ユニットコムが運営する北海道から九州まで全国89店舗の「パソコン工房」の店頭と法人営業窓口から購入できる。また、通信販売でも購入可能だ。気になる修理サポートも、パソコン工房が担う。そのため、万が一トラブルが発生した際も、地域を問わず迅速なサポートが受けられる。

企業はLesance Crimson-eシリーズを導入すれば、コスト削減をはじめ、生産性向上やセキュリティ強化、省スペース化など、オフィスのパソコンにおける様々な課題を解決できる。


◇株式会社ユニットコム 販促企画部
TEL 06-6647-6077
FAX 06-6647-6099
URL http://www.unitcom.co.jp/
メールでのお問い合わせはこちら
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パソコン工房
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