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第3回【利権に駆られた“一人っ子政策”が中国を空洞化させる】

以前、中国は高齢化の波を迎えている世界の多くの国に学び、定年退職の年齢を延長すべきではないかという声が上がってきた。しかし、この論調は大衆の猛反対を招いた。先進国と同様の養老問題は30年にわたる強制的な出産計画政策がもたらした必然的結果とも言える。多くの中国人は財産を紙幣と同一視している。実は財産は労働の成果であり、具体的な実物である。同時期の若い人が労働の成果を出さなければ、定年退職で働かなくなる人はお金があっても何も買えないことになる。

  合理性に欠ける人口構造は間違いなく経済成長に悪影響を及ぼす。目下出稼ぎブーム、大卒者の就職難などの社会問題を議論する際、それらの問題は往々にして計画出産の合理性を裏付けるための有力な証拠と見なされている。しかし、それらの問題は各地域の出産分布の不合理性が経済成長を妨げる要因となっていることをも裏付けている。教育条件の悪い農村部で生まれた子供は、教育条件のよい都市部で生まれた子供に比べてはるかに多いという結果は、現行の計画出産政策の唯一の「功績」ではないかと思われる。

  30年前に計画出産政策を打ち出した理論根拠は「人が多いため、国の負担が重い。経済成長と社会安定に不利になる」という判断に基づいたものである。こういう理論に従えば、人口増加の速度を遅くしなければならない。しかし、改革開放以来、人口密度のより高い中国東南沿海地域、京津地域などは急速な発展ぶりを見せた。人口過疎地域の西南・西北地区は依然として発展が遅く貧しい地域である。こういう事実からいえば、人は決して「負担」一辺倒ではなく、富を創る役目をも担うのである。今まで数億の人口を減らしてきた計画出産は、減らした数の多さばかり注目されるが、その質についての議論は少ないようだ。

  利権に駆られた計画出産は魔法の赤い靴のダンスのように止まらない。2005年末に中国の実際人口は12.5億人で国家統計局が発表した13.07億人より少なかなったという分析があった。同時期の『国家人口発展戦略に関する研究報告』の予測では、現在の計画出産政策のもとで中国の人口は2033年に15億人に達するという。この予測の根拠の一つは2006年に1300万人増えるという見込みにある。しかし、国家統計局の発表によれば、06年は692万人しか増えていない。従って、高齢化が進むにつれて、人口のマイナス成長への転換の日が近づいているという認識が高まっている。現在の計画出産を続けていけば、14億人に達することはできず、計画出産委員会が公言した16億人は絶対に不可能な数字だろうともされる。

  中国政府の公式サイトで公開されているデータ(2008年人口変動状況サンプリング調査報告)により、2008年末に中国大陸の13.28億人の人口の中で、老年人口(65歳以上)は1.1億人で8.3%を占める(「7%」という高齢化社会の判断基準を超えている)。現在、中国の老年人口は全世界の23%を占め、アジアの38%を占めている。いわば中国社会の高齢化は急速進展中だ。中国人口の年齢別構造が「成年型」から「老年型」へと変わるのは18年程の歳月しか経っていない。先進国と比較すれば、そのスピードは驚異的である。予測によると、2020年までに中国の老年人口の割合は総人口の11.82%を占め、8人に1人の割合となる。2020年以降、老齢化が更に進み、21世紀中葉まで、老年人口の割合は総人口の25%を占め、4人に1人の割合となる。中国の高齢化が出産率の急激な下落によるものであるため、社会が豊かになる前に高齢化社会になってしまったことになる。発展途上である中国、現在の薄弱な経済的土台は老年人口を扶養できる能力が備わっているとは言いがたいのが実情だ。

  要するに、健全な人口構造は経済成長の前提である。近年、中国では、毎年の出生人口はすでに1200万人(これは1940年代のそれにすら及ばない数字である)にまで減少している。その中の女の子は600万人以下という。この600万人の女性が一生の間に生む平均的子供の数を2人とすれば、20-30年後には毎年の出産人口は1200万人前後、一方、同時期の毎年の死亡人口が2000万人という数値も出ており、完全な純減だ。2040年以降、毎年の死亡人口は2500万人(1960年代中期の毎年の出生人口は2500万人以上)という数字から考えると、中国の毎年の人口減数は実に1000万人を越えることになる。その時の中国は、名実ともに中身のない空っぽの大国となっていることだろう。
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