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[Google ウェブマスター向け公式ブログ]

有料リンクについて Google ではこれまで、ヘルプ記事 や ブログ記事 など、様々な形でお知らせしてきました。今日は、Google が有料リンクを信頼しないその理由について少し掘り下げて考えてみたいと思います。

まず、典型的な有料リンクの例を紹介しましょう。最近わたしたちが見かけたのは以下のリンク群です。これらはサイトの片隅に配置されていて、サイトの内容とは関係ありませんでした。

外部のサイトからのリンクは、Google 検索の掲載順位を決める要素の一つです。もし、Google がこうして売買されたリンクを通常のリンクと同様に信頼し評価すると、どうなるでしょうか。Google 検索の掲載順位は、自然な評判によらず金銭である程度操作できるものになってしまいかねません。その結果、ユーザーが探している情報にたどり着きにくいものになってしまいます。

例えば、あなたやあなたの家族が糖尿病になって、その対策を知るため「糖尿病」というキーワードで検索したとしましょう。あなたは自然なリンクが集まっているページ(Wikipedia や、厚生労働省、メルクマニュアルなどのページ)と、上のような有料リンクを集めているページ、どちらを見たいでしょうか。(ちなみに、上の有料リンクのリンク先は、いずれも SEO 会社が大量生成している、テンプレート化されたサイト群でした。)

Google は、オーガニックな検索結果を維持し、ユーザーの利便性を守るため、有料リンクを信用しません。有料リンクを信用しないことは、Google だけでなく、主要な検索エンジン各社の意向でもあります。検索エンジンに影響を与える(ページランクを渡す)有料リンクは、Google のウェブマスター向けガイドライン違反 となります。もし、そのようなリンクを発見した場合には、ぜひ「有料リンクを報告」ページから Google へ報告してください。

Google 検索をユーザーの皆様にとってより有用なものとするために、ウェブマスターの皆様には、ガイドラインの確認および有料リンクの報告へのご協力をよろしくお願いいたします。

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巨匠ひしめくパリのショコラ界に新星現る!

2010.12.28(Tue)JBプレス 鈴木春恵


 フランスの年末年始にもやはり、各家庭のテーブルに上る定番メニューというのがいくつかある。フォアグラ、牡蠣、スモークサーモン・・・。クリスマスデザートならやはり、ブッシュ・ド・ノエル。そして、ショコラ(チョコレート)。

巨匠がひしめくパリのショコラ界!

本なら、チョコレート屋さんの書き入れ時と言えばバレンタインデーだが、フランスでは、年末年始の需要が最も多い。スーバーやデパートの食品売り場には、特設のショコラコーナーができ、専門店、つまり高級ショコラの店では、レジに行列ができる。

 東京をはじめ、日本の各都市でも恒例になった「サロン・ド・ショコラ」の影響もあって、フランスの高級ショコラの知名度はここ数年でかなり上昇し、一種のブランドと化した。それはフランス国内でもしかり。

 特にパリでは、老舗の名店に加えて、スターパティシエの店、M.O.F(フランス最優秀職人)の店など、群雄割拠とも言える状況が繰り広げられてきた。

 新顔の登場、巨匠らの支店が続々と増え続ける状況から、この業界もそろそろ飽和状態に達しつつあるのではないか、と思っていた。

 しかし、どうやらその読みは甘く、つまりショコラはまだまだ市場の開拓が望める分野らしく、ここにきてまた、新しい店のオープンが相次いでいるのである。

中でも、11月末に開店した「un dimanche à Paris(アン・ディモンシュ・ア・パリ)」は、従来のショコラティエとは一線を画す方向性を打ち出してきた。

 パリには、約10のグラン・ショコラティエ、つまりこの世界でのビッグブランドが存在するが、サンジェルマンからオデオンにかけては、特に激戦区といえる地域。

 「パトリック・ロジェ」「エール・エルメ」「ラデュレ」「エール・マルコリーニ」「ドゥボーヴ・エ・ギャレ」といった店が、徒歩5分圏内にひしめいている。

 「un dimanche à Paris」が出店したのもまたこの界隈。サンジェルマン大通りから枝分かれする小道、それもいかにも由緒を感じさせる石畳のパッサージュの真ん中に位置している。


オーナーは、Pierre CLUIZEL(エール・クリュイゼル)さん。今まさに働き盛りという年頃のスマートな紳士だ。

祖父の代からショコラティエの家!

「私はショコラの中に生まれたようなものです」

 と、彼は言う。つまり、ショコラティエは生家の家業だった。

 お祖父さん、マーク・クリュイゼルという人は、はじめ料理人だったのだが、パティシエ、そしてショコラティエとしてノルマンディーに店を開いたのが1947年のこと。

 その息子ミッシェルもまた、14歳の時からショコラティエとして働くことになる。

 そして、自身の名を冠したショコラティエ「Michel CLUIZEL」を全国規模、いや、今までは世界規模のマーケットを持つ企業にまで成長させてきた。その家の3世代目の長男としてエールさんは生まれたのである。

 弟と2人の妹同様、エールさんもファミリービジネスに参加。マーケティングの分野を主に担当し、それと並行して、ショコラの原料であるカカオを産出する国々に足を運び、また、消費者としての取引先である国にも何度も訪れている。

 「日本にも、十数回行きましたよ。大好きな国です」

 このように、世界をまたにかけて家業に打ち込むこと25年。その間に、ショコラの新しい方向性を実現させたいというパッションが育まれていった。

「カカオの産出国というのは、だいたい30カ国くらい。アフリカ、南米、中米、またインド洋周辺の島々ですね」

「そこで取れるカカオは、地元の仲買人から、世界各国の仲買人に渡り、それからショコラティエに回るというようなルートを経ます」

 「実際現地に行ってみると、そこで働いている人々の暮らしぶりというのは、自転車も買えないような非常に貧しいものですけれども、彼らの瞳の輝きは生き生きとしていて、実にエネルギーに満ちているんです」

 「これまで、その流通に何段階もの人の手が入るために、一般には、カカオの作り手のことが伝わってくるようなショコラというのはあまりなかったと思います」

 「しかし、そういった人たちに始まり、ショコラを味わう人まで直結するようなリレーションを築きたいと思っていました」

ファミリービジネスから独立して出店!

 つまり、ショコラの1から10までを実際に肌で知っているという経験をもとに、カカオ、ショコラの持つ可能性を最大限に引き出す方法を頭のなかで描いきた。

 そして、ファミリービジネスを離れ、つまり、自分の分の株式を手放して独立する形で、このたびの店を実現したのである。

それは「ショコラを核にしたコンセプトストア」というもので、単にショコラそのものを売るブティックだけでなく、レストラン、バーラウンジ、さらにクッキングスタジオまであるというものだ。

 「ショコラはいわばワインと一緒。テロワールごとのクリュ(銘柄)というのがあります。そういったことを、より深く味わうための様々な方法を通して伝えたいし、料理やお酒に合わせたりする楽しみ方も発信してゆきたいと思っています」

 それにしても、いわば無名のブランドとして、いきなり激戦区にこのような大規模な空間を出現させるというのは賭けに近い冒険だが・・・。

「一からの出発ではあっても、まず小さいところから始めるという発想はしませんでした」

 「コンセプトそのものが従来のショコラティエとは違っているわけですから、それを強調するためにも、まず『ワォ、いったいこれはなんだ?』というふうに、いきなり注目を集めることを狙いました」

愛想の悪いパリにあって異色のサービス!

確かに、パリの一等地にこれだけ間口の広い空間というのは、建築段階からしてとても気になる存在だし、実際出来上がってみれば、人々は金魚鉢を覗くように、必ず立ち止まって見ている。

 さらに言えば、オープン1週間目というタイミングでお邪魔したこの時、キッチンスタジオではフランス国営放送のテレビクルーによる撮影の真っ最中。

 常に新しいものを探しているメディアにとっては、格好の材料だし、それが報道されることによっての影響は言うまでもない。

 造りの素晴らしさにも増して、私が好印象を持ったのは、まずスタッフの感じのよさ。

お客様が神様の国からは想像しにくいかもしれないが、パリの接客というのは、しばしば不愉快と言えるくらいにお粗末であることが多い。それに比べると、ここのブティックの女性たちはとても感じがいい。

 それと、いかにもよく考えられた買いやすい値付けをしている。具体的にいうと、ギフトボックスのサイズと値段の刻み方が細かい。

 一口サイズのショコラが2つ入った2.90ユーロ(約310円)から、6個入り、15個入り、そして最大120個入り101.70ユーロ(約11000円)まで、8段階のサイズ、値段設定になっている。

 特にこの小さいサイズの充実が、独特の“お土産文化”をもつ我々日本人にはうれしいところだし、これが意外に、従来のショコラティエにはない。

ええ、よく分かっていますよ。日本の方は、ちょっとしたものをたくさん買われますものね。小さいサイズを設けたのはそのためです。それと中判サイズはフランス人向け、そしてアメリカ人にはビッグサイズです」

日本に学んだ店づくりと接客ノウハウ!

この新規事業の準備期間中、改めて集中的にビジネススクールに通ったというエールさん。それには海外の企業での研修というのもカリキュラムに含まれていたそうだが、先進数カ国の選択肢のなかから、彼は迷わず日本を選んだ。

 「数えきれないくらい行っていて、よく知っている国ですけれども、ビジネス、特に店づくりのディテールや接客のノウハウという点で、一番学ぶところの多い国だという確信があったので、日本を選んだのですよ」

スタッフの応対の良さや、箱のサイズの刻みには、紛れもなく、日本のエスプリが生かされているということになる。

 ところで、店名の意味は、「パリの日曜日」。

 これもまたショコラティエとしては珍しく、日曜日も営業するそうで、レストランでは、このところ流行しているブランチはもちろん、ランチとディナーの折衷スタイル「ドランチ」メニューも準備中とか。

 そして、ゆくゆくは、ニューヨークや東京への進出というのもエールさんの意中にある。さて、「パリの日曜日」が世界で楽しめる日はいつごろのことか・・・。まずしばらくは、大激戦区での健闘ぶりを見守ることにしよう。

カカオ産地の人々とショコラを味わう人を“結ぶ”という意味合いを表したかったという、トレードマークの紐がポイントになったパッケージング

製造工程の病治療の次は、設計工程だ!

2010.12.28(Tue)JBプレス 湯之上隆

 半導体デバイス原価の50%以上は、製造装置代である。したがって、利益率を上げるためには、製造装置コストの低減が必要不可欠である。そのためには、500ステップ以上になる工程数をどうやって削減するかがキーポイントとなる。

 以前、本コラムで、インテルは最終製品から逆算して、コスト最優先で工程フローを構築していることを紹介した(図1) 。つまり、PCの原価を10万円、プロセッサーの原価を1万円と設定し、原価1万円になるように工程フローを構築するのである。

コスト度外視で工程フローを構築する日本メーカー!

 一方、ほとんどの日本半導体メーカーは、工程フロー構築時に性能と品質を最優先し、コスト意識がない。その結果、工程数が果てしなく多くなり、それを基に量産工場に多数の製造装置を並べることになるため、利益が出ないのである。

 例えば、最も高価なリソグラフィー装置は、現在、55億円もするという。500工程のフローならば、10台のリソグラフィー装置で足りるかもしれないが、700工程のフローの場合は15台必要かもしれない。これだけで、275億円もの差が出ることになる。

 現在、最先端の半導体工場を1つ建設するのに3000億円以上かかると言われている。そのうち、少なくとも2200億円が設備代である。もし、上記のように、工程数が1.5倍になったとすると、3000億円で済む設備投資が4000億円を超えることになるのである。

 これが、過剰技術で過剰品質を作る日本半導体産業の「病気」である。

 筆者は、2004年頃から各種雑誌への寄稿や講演などで、この病気の治療が必要であることを訴えてきた。しかし、当事者たちは、病気を認識することもできず、したがって、治療もなされていなかった。

 昨年、ある半導体メーカーの執行役員からは、「分かっちゃいるけれど、どうにもできないんだ」という嘆き話も聞いた(しかし、少しも同情できない。このようなことを実行するのが執行役員なのではないか。筆者の何倍もの高給をもらっているのだろうし)。

 6年以上も言い続けたが、蔓延している病気が治る兆しは一向に見えない。筆者としても、同じ主張をし続けることにだんだん疲れてきていた。

エルピーダが工程減らす新技術を開発!

 そのような中、2010年12月11日の日本経済新聞に、このような記事が掲載された。「エルピーダは、主力製品であるDRAMの構造を簡素化して製造工程を減らす技術を導入した。(中略)加工工程を減らせば、それだけ投資額は少なくて済む。今年、台湾の子会社の加工技術を65nm(ナノメートル)から45nmに微細化した際、通常なら1500億円必要だったが、この4分の1に圧縮できた(後略)」とのことである。

 やっと、筆者の主張を実現する半導体メーカーが現れたことに喜びを感じる一方、なぜ、こんなに時間がかかってしまったのかと残念にも思う。何しろ、筆者が主張し始めてから6年もたっているのだ。

 また、「4分の1に圧縮」ということは、これまでは4分の1に圧縮せずに、つまり、4倍も不必要な投資を行ってDRAMを作ってきたわけである。これでは、利益率が低くても致し方あるまい。

 さらに、記事には、「資金繰りが苦しい中で投資を低く抑える技術の開発に取り組んできた」とある。もし、資金が潤沢にあったら、このような見直しは永遠になされなかったということなのか? そう考えると、空恐ろしい気がする。

 しかし、時間がかかろうとも、たった1社であろうとも、病気治療に取り組み始めた半導体メーカーが出てきたことを、素直に喜ぶべきなのだろう。

設計のやり方で原価に差は出るのか?

 ここまでの話は製造プロセスに関するものである。図1に示した通り、プロセス開発の前には、設計工程がある。しかし、筆者はプロセス技術者出身で、設計を行ったことがない。設計技術者が何を考えて設計しているかもよく知らない。

 インテルの事例が示すように、プロセス開発の初期過程が、半導体の原価に大きく影響している。すると、その前にある設計のやり方によって、半導体の原価に大きな差が出るということもあるのではないだろうか?

そこで、設計に詳しい半導体業界の人々に、聞き取り調査を試みた。

 まず、ある大手半導体メーカーの元設計責任者(元社長)にヒアリングしたところ、「設計のやり方でコストに差が出るだって? ・・・(しばらく考えて)そうかもしれないけど、どうなのかな?」とクエスチョンマーク付きの回答であった。そして、「俺はもう引退したんだ。現役を紹介するから、そっちに聞いてみろ」と別の方を紹介された。

 次に、新たに紹介された設計関係のコンソーシアムの責任者(社長)に、同様なヒアリングを行ったところ、「・・・(やはりしばらく考え込んで)、実証するのは難しいが、そうかもしれない。どうなんだろう?」と、やはりクエスチョンマーク付きの回答であった。そして、「俺はビジネスに関わっていない。実際にビジネスをやっている者を紹介するからそちらに聞いてみろ」と、また別の方を紹介された。

 さらに、上記で紹介された、ある大手半導体メーカーの設計統括部長に同様なヒアリングをしたところ、「設計のやり方でコストに差が出るだって? そんなことはあり得ない。設計なんて誰がやったって同じなんだ。デバイスのコストに差が出るということはあり得ない」という信じられない回答を耳にした。

 2時間かけて様々な角度から質問を行ったが、「設計でコストに差は出ない!」と一蹴されてしまった。筆者は驚くとともに信じられない思いであった。

コストに敏感な設計ファブレスの回答は?

 これらの回答に満足できなかった筆者は、設計ファブレスへのヒアリングを試みた。設計ファブレスは、設計だけで収益を上げている。きっとコストに敏感であろうと思ったからだ。3社にヒアリングした結果、概ね、次のような結果を得た。

 「設計には、大きく分けて4段階ある。まず、第1段階のアーキテクチャの設計。ここで、最もコストに差が出る。うまい設計者とアホな奴とでは、半導体デバイスのコストに10倍の差が出る。

 次に、第2および第3段階の論理設計および回路設計。ここでは、うまい設計者とアホな奴とでは2~3倍の差が出る。

 最後のレイアウト設計。ここでは、うまい設計者とそうでないのとでは、数十%の差が出る」

 やっぱり! 設計で差が出るじゃないか! それも、最上流の設計工程では、なんと10倍ものコスト差が出るとのことだ。

設計のやり方で、デバイスのコストに差が出ないのか?」と質問されて、「出る」と即答できない設計関係者、および「差が出る筈がない」と断言した設計関係者は、一体どのような設計を行っているのだろうか?

生産段階になって右往左往するCEO!

 新製品開発におけるCEOの活動プロフィールを調査した論文がある (図2)。この論文における「新製品」とは、半導体に限らない。新製品は、「研究→設計→開発→生産→マーケティング→営業」を経て、市場に投入される。

新製品の行く末に対する影響力は、上流ほど大きい。したがって、CEOが最もその能力を発揮しなくてはならないのは、研究、設計、開発などの上流段階である。

 しかし、多くの産業、多くの企業におけるCEOの典型的な活動プロフィールは、そうはなっていないという。上流ではなく、生産やマーケテイングなどの下流段階で、CEOは積極的に関わろうとするのである。ところが、この段階では、時すでに遅し。新製品の行く末に影響することはほとんどできない。

 なぜ、このようなことが起きるのか? それは、図3に示したように、研究、設計、開発などの上流段階でほぼコストが確定するにもかかわらず、実際に大きなコストが発生するのは生産段階であるからだ(特に半導体産業では、生産段階で発生するコストは巨額である)。

そのため、コストが発生する生産段階で、CEOが右往左往するのである。しかし、この段階では、コストはほぼ確定しているため、大したことはできない。

 日本半導体メーカーのCEO殿、貴社の研究、設計、開発は大丈夫ですか? 巨額の投資が発生する生産だけに神経を奪われていませんか? 設計や開発の初期過程を野放しにしていませんか?

 量産工場で製造する前に、コストの勝負はついていますよ。

DIAMOND online 2010年12月29日  

 未来学者として『未来の衝撃』『第三の波』『パワーシフト』『富の未来』など数多くのベストセラーを世に送り出してきたアルビン・トフラーとハイディ・トフラー夫妻は2010年、『未来の衝撃』刊行40周年を迎えたことを機に、「今後の40年を左右する40の変化」(英題は「40 FOR THE NEXT 40」)を発表した。これは、世界各地で政治、経済、社会、テクノロジーなど分野ごとに行った分析調査をベースに導き出された予測であり、国家や企業そして個人が未来を左右する原動力を知り、いかに生きるべきかを考察するための道しるべともなるものだ。ここでは、トフラー夫妻の右腕であり、報告書作成を担当したトフラー・アソシエーツのマネジングパートナー、デボラ・ウェストファル氏へのインタビューをお届けする。その前に、この貴重な報告書の骨子に目を通していただきたい。

<政治分野>

●世界各地でリーダーシップが交代することによって、(政治の)目標や関係性が激変する(補足(※)今後3年間で約80カ国において大統領選が行われる/国家のリーダー的な地位に就く女性が空前のペースで増える/世界各地で宗教グループが政府に進出しようとする)
●世界における国家パワーは、誰がどこでそれを行使するかという点において、ますます多極化する(※ブラジル中国、インドの経済はますます米国EU中心ではなくなっていく)
●非政府的存在のパワーが高まり、国家のパワーや影響力により広く挑戦するようになる(※ここでいう非政府的存在とは、プライベートセクター、NGO、宗教グループ、国家を上回るリソースを持つことで非常に大きな力を与えられた個人“hyper-empowered individuals”等を指す)
●社会貢献資本家(philanthro-capitalists)が、世界的スケールで影響力とパワーを行使するようになる(※ビル&メリンダ・ゲイツ財団のような組織がやがては、第三世界諸国における教育や疾病根絶では、国家組織や多国間組織よりも大きな影響力を持つようになる)

<社会分野>

●急速な都市化と世界規模の人口移動によって、メガ都市が生まれる。
●世界の人口と人口構成の変化が、国家の財政的、社会的、経済的な重荷となる(※先進諸国の人口は、本国生まれの高齢者と他国から移民してきた若年層で構成されるようになっていく)
●ソーシャルネットワークは、新しい方法による影響力行使を可能にしていく(※政府や企業はそれまでつながることがなかったコンタクトに触れることになり、それによって新たなリスクに晒される)
●消費者が選択を動かすようになる(※コミュニケーション技術やソーシャルネットワークがますます影響力を持つようになり、製品やサービスの提供において決定的ファクターとなる)
●組織が不適切な行為を隠すことは不可能になる(※情報量が急速に増えることに加えて、プロフェショナル・コンシューマ向けの分析ツールが“拡散”することで、前述したhyper-empowerd individualsが組織の行動を見張り、その情報を他者に伝えやすくなる)

<経済・ビジネス分野>

中国は、長期に渡り、世界的な経済パワープレイヤーであり続ける(※通貨の分野ではブラジルインドなどの新興国とチームを組み、エネルギーや原材料の分野ではベネズエラやアフリカなどの他国とパートナーシップを組む)
●南米は、長期に持続する経済成長によって姿を変える(※国際的な影響力を回復させるほか、ベネズエラのような国が域内での米国の影響力に挑戦する)
●無用知識のコストが高くなり、国際競争力に影響を与えるようになる(※無用知識=OBSOLEDGEとは、obsolete(役に立たない)とKnowledge(知識)を合成したトフラーによる造語。全ての知識には寿命があり、どこかのポイントで無用になっていく。しかも無用になっていくペースは加速する。知識を新たなものに保つためのコストは上昇し、意思決定に影響を与える)

<テクノロジー分野>

●イノベーションのためのオープンなネットワークが、世界中の専門家への迅速なアクセスを可能にする
●プロセシングとストレージの新技術が、情報処理の方法を根本的に変える(※世界はペタバイトの時代に入り、10~15年以内に量子コンピューティングが現実的な可能性を帯びる)
●大量生産は、複雑な製品・サービスのオンデマンド・カスタム生産に取って代わられる(※小さく俊敏な企業が顧客の関心を集めることで、大メーカーと効果的に競争していく)
●企業は、「コネクター」となることによって、その価値を高めていく(※企業は引き続きアップルのiPhone型の価値創造を追求する。すなわち製品をクリエートするのではなく、市場をホストし、生産者と消費者をコネクトすることから収益を上げる)

<環境分野>

●エネルギー競争は激化し、国家権力を変動させる(※エネルギー資源は経済戦争の中で影響力を及ぼすための“てこ装置”として使われる)
気候変動は、脆弱な国家にとって紛争の種となる(海面レベルの上昇に伴う領土の喪失によって引き起こされる人口移動が原因で、紛争が起きる)

さて、トフラー夫妻が設立したトフラー・アソシエーツは、こうした未来の波にどうすれば乗ることができるか国家や企業などに対するアドバイスを行っている。では、「今後の40年を左右する40の変化」報告書作成を担当した同アソシエーツのマネジングパートナー、デボラ・ウェストファル氏へのインタビューをお届けしよう。(聞き手/ジャーナリスト、瀧口範子)

――「40の変化」からいくつか具体的に解説をお願いしたい。政治分野では「非政府的存在のパワーが高まり、国家のパワーや影響力により広く挑戦するようになる」という項目がある。その中で「高度にエンパワーされた個人集団(hyper-empowered individuals)」が果たす役割の重要性が語られているが、そもそも「高度にエンパワーされた個人集団」とはどんな存在なのか。

 たとえば、1人の人間が何100万人ものフェイスブックのメンバーを喚起して、何らかの運動を起こすようなことだ。これはいい意味でも悪い意味でも起きる。テクノロジーの仲介によって個人がエンパワーされ、仲間を見つけていくのだ。あるいは、NGOの数が増えていることも同じだ。数年前、インドには一握りのNGOしかなかったが、今では50万ものNGOがそれぞれの影響力を行使している。これは、インド一国での話だ。ここで見られるのは、国家という存在からこうした組織にパワーがシフトしているということだ。

――なぜそうしたことが起こっているのか。NGOは政府よりも柔軟に行動できるからか。

 テクノロジーによって知識を得て、他人ともコネクトできるという可能性を手にした人々が力を得た結果だ。今や、地球上の誰とでもコネクトできる状態になったと言っても過言ではない。これを起点に、これから真のエンパワーメントが生まれる。

 フェイスブックひとつとっても、今はただおしゃべりをネットに上げているに過ぎないが、世界や地域の深刻な問題を解決するために、あるいはセキュリティのためにこうしたネットワークが集結することも考えられる。

――非政府的な存在が大きくなった時、政府はどのような存在になるのか。

 政府は、その時々に社会から求められる要望に応えられるように変化するしかない。なぜ政府があるのか、政府の目的は何かについて今多くの疑問が出ているのは周知のとおりだ。いずれ、基礎工事をやり直すような時期がくるだろう。根本的な変化が起こるだろう。政府はこれまで信頼を置いてきたルールが未来においては通用しないことを思い知らされるだろう。既得権にしがみついて同じことをし続けるのではなく、鍬を持って未来の大地を耕さなければならないことを理解する必要がある。

――同じ政治分野で「社会貢献資本家(philanthro-capitalists)が、世界的スケールで教育や疫病根絶などに影響力とパワーを行使するようになる」としている。象徴的な例として、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の存在を挙げているが、つまりこれは巨額の資産を持つ個人が影響力を増すということか。

 金だけの力とは限らない。同じ政治分野で「スマートパワーが、国防上の問題の解決に活用される」と予測したが、貧困問題、政治不安、移民問題、若者の雇用問題などは、もはや軍事力や金の力だけでは解決できない。知識やスキルなど他のスマートパワーによって、道路や水道を整備し、国の経済力を高める必要がある。そうした意味で、政府だけでなく、企業、NGO、個人などが協力するということだ。

――テクノロジー分野では、「イノベーションのためのオープンなネットワークが、世界中の専門家へのアクセスを可能にする」という項目がある。オープンネットワークによってイノベーションが進められるようになると、企業自体はどんな組織になるのか。小規模なものでいいということか。

 その企業のコア自体は残るが、ピラミッド構造ではなくパンケーキ構造になるだろう。それが、外部も含めたネットワークに組み込まれるということだ。その企業のコアの強みが1枚のパンケーキとなり、複数あればそれが積み重ねられる。その中でのリーダーの素質は、これまでのマネージャ的なものからコーチやメンターのようなものに変化するだろう。つまり、ボスではない違ったタイプのリーダーだ。それに応じて、管理や業績を測る基準も変わる。これまでとは異なった素質、プロセス、管理方法、構造が求められる。これを可能にするためには、膨大な量の才能を活性化させなければならない。

――大企業は存続するのか。

 依然として存在し続けるだろう。すべてが小さくなるわけではない。ただ、その企業の財産は何か、その企業がどう評価されるのかは変化する。これまでは売り上げや利益、規模、どれだけの資産を持つかによって、つまり産業的尺度によって測られてきたが、未来においては、世界が抱える問題をどう解決するかによって評価されるだろう。見えないものが、その企業の財産を測る要素として入ってくるわけだ。

――興味深い項目が、経済分野で挙げられている「無用知識(obsoledge)」だ。知識がすぐに陳腐化して無用の知識になるので、「知識を新たなものに保つためのコストがグローバル競争の要になる」というものだ。どうすれば、そのコストを低く保てるのか。

 無用知識とは、物置に打ち捨てられたガラクタのようなものだ。もう使わないが、捨てるには惜しい。変化が急速なため、そんな無用の知識はどんどん貯まっていく。未来においては、無用知識を処理するビジネスが出てくるだろう。物置に入って行って整理したり、いい知識を探し出したり、古い知識をリサイクルして新しいものに変えたりするようなビジネスだ。コンサルタントかもしれないし、データベースやソフトウェアとなるかもしれない。

――さて、この「40の変化」は国家や企業向けに役立つ指針だが、この変化に対して個人はどう準備すればいいのか。

 急速な変化の中で生き残るために、個人は変化を見定めて賢く対応しなければならない。目を見開いて、世界で起きていることを理解する必要がある。もっと旅行して方々へ出かけ、たくさんの本を読まなければならない。世界の出来事の点と点を結びつけるために、幅広い理解力が求められるからだ。そうすることによって、そこに機会を見出すことが可能になり、この変化を恐怖として捉えるのではなく、歓迎すべきものとして捉えることができるはずだ。

日本製品“高品質神話”の意外な落とし穴!

2010年12月29日 DIAMOND online 山谷剛史 [フリーランスライター]

上海や北京などの大都市に外国ブランド製品が中国初上陸し話題らしい話題となるのは過去の話。最近は内陸都市に様々な外資系ブランドが進出することのほうがその都市その土地で話題になる。

 中国の消費者は経験から母国製品の品質をよく思っておらず、企業規模の大小を問わず詐欺に関するニュースが連日報道されているため、金に余裕さえあれば外資系製品を購入したいと思っている(そうは言っても、近年の物価上昇・生活費上昇の中でそんな余裕もなかなかないのが現実ではあるが)。

 中国にも商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情(中国語で「投訴」)や問合せなどを受ける「消費者センター」は存在する。インターネット上の「投訴サイト」は多数の苦情を受け付け、有効な苦情や意見は公開され、公開された苦情の一部は、例えば著名企業の製品の苦情であるために、どこかのサイトでニュースとなったりする。

 中国におけるインターネットの利用者の年齢構成は世界的にみても極めて特殊で、文革を経験していない35歳以下に偏っている。そのためインターネット上の投訴専門サイトで公開されている苦情は、中国のインターネット世代が好む「インターネットサービス」「家電製品」「IT製品」「車」「化粧品」などに偏っている。インターネット世代以外の世代に向けた製品ジャンルでは、老人向けの健康グッズで詐欺まがいの事案が頻繁に発生している。

 筆者は中国のITについて執筆する物書きであるため、仕事柄頻繁に新製品を購入しては使っているが、多くのモノに関して使い始めた当初は問題は無いが使ってしばらくすると壊れるか、どこか不具合が生じたりしている。

 読者の方々もニュースなどを通じて爆発するトイレの便座の話は聞いたことがあるかもしれないが、筆者自身の経験を挙げるだけでも「突然再生できなくなったDVDプレーヤー」「突然起動しなくなるパソコン」「電源をつけると何かが燃える臭いがする電気ストーブ」「電源を入れるとキーンという音が鳴るテレビ」「充電できなくなった充電器」「すぐに片方から音が出なくなるイヤフォン」など、枚挙にいとまがない。

恨み節を書いても仕方ないが、要は中国メーカーは品質管理を徹底せずそこそこの品質チェックをした後に、「この程度でいいや」とばかりに出荷する傾向にあり、それが低賃金・デザインの模倣とともに低価格を実現する要素のひとつとなっている。

 投訴サイトでの中国製品に関する苦情の東の横綱は、「突然壊れた」「おかしくなった」というものである。ちなみに、中国製品に関する西の横綱は「誇大広告で実際買ったら全然違うもの・サービスだった」というものだ。

 日本においてメーカーサポートの多くは「購入から一定の期間内のユーザーの過失以外の故障は無償修理」「ユーザーの過失や無償修理期間が過ぎたら有償修理」であり、いずれにしろ故障したらサポートセンターまで持ち込むか、宅配業者が家まで来て故障した製品をひきとってくれるというものである。だが、それが中国の消費者にウケが悪い。

「中国人は謝らない」とよく言われるが、品質が良くないことは中国メーカー自身も認識している。建前上保証期間は設定しているものの、故障や問題が発生した場合、原因究明を待たずして購入後どれだけ時間が経っていても、各都市のサポートセンターが無償交換対応をしてくれる。これは企業規模の大小を問わない。中国の消費者は品質の悪さや壊れやすさに慣れているが、一方で迅速な新品無償交換サポートもまた彼らの中の常識なのである。

 投訴サイトからは外資企業にも多くの苦情が集まっていることが確認できる。日系メーカーに対しても家電製品、IT製品、車のそれぞれの製品ジャンルで苦情が多く投げかけられている。

 その原因は中国メーカーにありがちな製品の品質ではなく、まさに日本式サポート体制にある(ちなみに韓国サムスンも同様にサポート面で苦境に立たされている)。日本人なら経験したことがあるであろう「故障したときに下手したら修理で部品を交換するだけで、ワンランク下の新品が買えてしまう修理代を見積もられる」ということが中国の消費者には到底受け入れられないのだ。

故障品をサポートセンターに送った場合、中国メーカーならすぐに新品を送り返してくれるのに、日系メーカーなど外資系企業は原因調査等を理由に、交換のための時間も中国メーカーよりもずっとかかる。

 中国の地場メーカーに比べれば、中国全土の各都市でのサポートセンターの展開は遅れがちだ。大都市に中国メーカーのサポートセンターは幾つもあるのに、日系メーカーのそれは1つしかない場合が多い。

 日系メーカーの製品のほうが、中国メーカーの製品よりもずっと値段が高いことから、中国の消費者の期待を裏切る結果となり、こうした感情的なことも背中を押して、投訴ネットへの苦情へと繋がる。

都市の大きな書店には、家電や車など本来「開けるな、危険」の製品の修理マニュアル本が並ぶ。都市の繁華街にはないが、大都市でも地方でも住宅地にはよろず修理屋があり、メーカーや製品ジャンルを問わず修理を試みてくれる。

 就職難の現在、各都市には修理のプロになるための専門学校も次々に出来ている。ネジ一本でもゆるめようものなら「無償サポート対象外」が先進国のメーカーのお作法だが、そうした点でも中国のメーカーは寛大であり、中国の消費者もそうした寛大さを外資系メーカに望んでいる。

 中国において315は消費者センターの代名詞。315とは3月15日のことで、この日は日本ではなじみがないが「世界消費者権利デー」である。

 この日、中国では毎年のようにテレビ、新聞、ネットメディアにおいて、サポートを含むあらゆる面から著名企業をチェックする。そこでやり玉に上がってしまった企業は、一時的とはいえ評価が急降下する。

 中国に進出している企業担当者は、年始からでも遅くないので、安心の品質面はそのままに、サポート体制も今一度見直してみてはいかがだろうか。

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