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中華民国国軍
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台湾向け兵器供与を巡って米中が心理ゲーム!

2011.01.27(Thu)JBプレス 阿部純一

1月11日、中国が開発中のステルス戦闘機「J-20」が、ゲーツ国防長官の訪中に合わせたとしか考えられないタイミングで試験飛行を行い、広く注目を集めた。

 「J-20」が実戦配備されるようになるまで、まだ5~10年くらいかかるだろうというのが常識的な見方である。J-20の評価よりもむしろ関心を呼んだのは、この試験飛行が行われたことを、胡錦濤主席をはじめとする文官の中国指導者が知らなかったと報道されたことだ。

 ゲーツ国防長官との会談で、胡錦濤主席は「J-20」の試験飛行がゲーツ国防長官の訪中とは無関係であることを強調し、「予定通り行われたにすぎない」と、その場を繕った。

 しかし、その弁解には無理がある。最新鋭兵器の開発など、どこの国でもトップシークレットのはずだ。それにもかかわらず人民解放軍はこれみよがしに「J-20」の試験飛行を「公開」し、自由に報道させた。ゲーツ訪中を意識して実施された人民解放軍のデモンストレーションであったことは言うまでもない。

 また、中央軍事委員会主席である胡錦濤の了解も取らず、人民解放軍がこうした行動に出たとすれば、これは極端な表現で言えば「謀反」に匹敵する。

 「面子」をことのほか重んじる中国で、胡錦濤主席の面子を潰す挙に出た人民解放軍の行動は、胡錦濤政権がすでにレームダック化していることを内外に示すとともに、中国共産党の絶対的指導下にあるはずの人民解放軍が「自分勝手に」行動していることを示唆している。

 人民解放軍は明らかに、米国との軍事交流再開に反対なのだ。

人民解放軍はなぜ「J20」の試験飛行を米国に見せつけたのか!

 ゲーツ国防長官の訪中の目的は、2010年1月から途絶えていた米中軍事交流の再開であり、報道ではその方向で話がまとまったとされる。

 しかし、人民解放軍にとってそれが不満なことは明らかだ。

 米中軍事交流を再開させるなら、中断の原因となった米国の台湾向け兵器供与につき、それを「凍結」するなどの言質を米国から取り付けるのが「最低条件」のはずだ。それさえしないまま、軍事交流を再開すると言われても納得できるはずもない。

まして、米中の軍事力は「対等」ではない。世界の軍事力の頂点に立ち続けてきた米国に対し、中国は急速に軍の近代化を進めてきたとはいえ、明らかに劣勢である。

 さらに言えば、米国の軍事交流の目的は、中国の軍事における不透明さを「透明」にすることであり、それは人民解放軍にしてみれば中国の軍事力の弱点を米国に「開示」することに他ならない。そうすることは中国の対米劣勢を固定化してしまいかねないのだ。

 透明性を高めることに抵抗する人民解放軍が、党中央の指導者に了解を得ることなく試験飛行の「公開」を行うからには、それなりの計算があったに違いない。

 つまり、「弱点」を知られることは我慢ならないが、米国も一目置く先端的な技術を見せつけることは、警戒心を持たせるためにも価値がある、ということだ。

 「J-20」の試験飛行の映像から分かる事実は多くはない。エアインテークなど機体の形状が米国の「F-22」に似ているとか、機体のウェポンベイ(爆弾庫)が「F-22」より大きく、より大型のミサイルが積載できる可能性がある、といった程度で、むしろ想像を膨らませて過大な評価につながりやすい。

 ゲーツ長官自身も、中国のステルス戦闘機開発が予想よりも先行していると評価している。だとすれば、「J-20」の試験飛行は人民解放軍の期待通りの効果を生んだことになる。

ジレンマに突き当たっているオバマ政権!

 しかし、そうした人民解放軍の行動が逆効果を生むことも事実なのだ。米国に警戒感を持たせることには成功したかもしれないが、それが米国の台湾への兵器供与を促す副次的効果もあるからだ。

 中国台湾は、昨年「経済協力枠組み協定(ECFA) 」という、事実上の自由貿易協定を結び、市場の一体化が加速している。台湾を訪れる観光客の第1位は中国人であり、中台を結ぶ直行便も増加の一途である。とても中台で軍事的緊張が生じるとは思えない関係の改善が実現している。

 しかし、中国はどうしたことか台湾への軍事的締め付けは一向に緩める気配がない。福建省を中心に配備されている台湾に照準を定めた短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルは増えるばかりで、減少の兆しは見られない。

台湾を取り巻く安全保障環境に改善が見られないとすれば、米国は当然の帰結として台湾向け兵器供与を正当化させることができる。実際、訪中したゲーツ国防長官も米国の台湾政策に変化がないことを確認していた。

 しかし、今回のゲーツ訪中から米中の軍事交流が事実上再開されたと言えるにせよ、オバマ政権が新たな台湾向け兵器供与を発表すれば、また軍事交流が中断されることは十分に予想される。

 だからと言って、台湾の防衛に関して米国が何もしないわけにはいかない。現に「J-20」の開発状況を明らかにしたことからも分かるように、中国の軍近代化のスピードは想像以上に速く、その脅威にさらされている台湾の自衛努力にも限界がある。台湾の防衛に必要な兵器供与を義務づけた「台湾関係法」をホワイトハウスが無視することはできない。

 その意味では、オバマ政権は、台湾への兵器供与の継続と、中国との軍事交流を並行して行わなければならないというジレンマを抱えていることになる。

 もちろん、人民解放軍の反対を押し切った形で米国との軍事交流再開に舵を切った胡錦濤主席も、国内リスクを負っている。だからこそ、なおさらオバマ政権は台湾への兵器供与には慎重にならざるを得ない。

次の台湾向け兵器供与が行われたら中国は黙ってはいない!

 米国防総省の内部情報に詳しい「ワシントン・タイムズ」のビル・ガーツによれば、オバマ政権はすでに新たな台湾向け兵器供与を決定しているという。

 そこには台湾が求めている「F-16C/D型」戦闘機66機も、また長年にわたって懸案とされてきたディーゼル潜水艦も含まれていない。既存の「F-16A/B型」の電子機器やエンジン、搭載するミサイルのアップグレードにとどまるということだ。内容を見れば台湾の現有防衛力を飛躍的に高めるものとは言えない

 それでも、台湾が保有する145機の「F-16」すべてがグレードアップの対象となるため、総額で40億ドルに上る大型パッケージとなる。

 2010年1月のパトリオットPAC3ミサイル迎撃システムやブラックホーク多目的ヘリなどを含む台湾向け兵器輸出が64億ドルであったのに比べれば金額は下がってはいるが、絶対額としては大きい。

 これが実行されれば中国は黙っているわけにはいかないだろう。胡錦濤政権にとっては安定した米中関係の維持もまた重要なはずだが、どこまで強い反応に出るかが注目されることになる。

米国との軍事交流に抵抗する人民解放軍にしてみれば、交流中断のチャンスとばかりに胡錦濤政権に圧力をかけるだろう。

米中は妥協点を見いだせるのか!

 この兵器供与が実行される時期について、ガーツは米国の代表的な台湾ロビー団体である米台ビジネス・カウンシルのルパート・ハモンド=チェンバース理事長の発言を引用する形で、「最終的に議会に通告されるのは2011年の後半だろう」としている。場合によっては、もっと遅くなり、2012年にずれ込むかもしれない。米国中国との摩擦をできるだけ先送りしたいからだ。

 しかし、いくら先送りしても、いつまでもこの摩擦を避け続けることはできない。問題はそのタイミングをどうとらえるかだ。

 2012年3月には台湾の総統選挙があり、国民党の馬英九総統の再選がなるか注目される。同じ年の9月か10月には中国共産党の第18回大会が開催され、胡錦濤の退任、習近平政権の誕生が既定の路線となっている。そして11月には米大統領選挙と、政治イベントに事欠かない。

 選挙のない中国を別にすれば、台湾にしても米国にしても、中国とどう向き合うかが争点となり得る。

 米中が妥協できる可能性があるとすれば、台湾の馬英九総統の再選を米中がどう考えるかという点についてだろう。

 馬英九は中台の緊張緩和を実現した。その馬英九の再選に対して、米国の兵器供与がプラスに働くならば、中国としても強硬な反対はしづらいはずだ。

 中国にしても、台湾人アイデンティティーを強調する民進党の政権奪取は歓迎していないし、胡錦濤政権の最後の年に米中関係を悪化させたくはないからだ。

 2011年後半から2012年初めにかけての時期は、台湾の総統選挙がヒートアップしている時期である。米国の兵器供与は「米国は馬英九政権を支持する」というメッセージになり、再選を目指す馬英九に「追い風」となるのは確実だ。

 同様に再選を目指すオバマ政権にしても、中国に譲歩することなく、台湾に対し「やるべきことはやっている」ことをアピールできるだろう。

 2011年から2012年にかけ、米中関係は台湾を絡めて複雑な心理ゲームが展開されることになる。

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ジュリアン・ポール・アサンジ
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2011年01月26日(水)現代ビジネス 田原総一朗

田原:野口さんはウィキリークスの主宰者、ジュリアン・アサンジにインタビューをしました。今年9月に2日間、のべ6時間にわたって話をきいたそうですね。その模様は昨年末に放送されたNHKのBSスペシャルで拝見しました。あれは世界的なスクープでした。

野口:いや、まあ、結果としてはそうですね。

田原:どうやって、彼に話を聞けたんですか。

野口:当時はまだ彼は指名手配される前でした。だから接触できたんでしょうね。もちろんインタビューに応じてくれるまでは大変でしたが、最終的には彼の右腕を通じて了解をもらいました。

田原:その経緯はまたあとで詳しく聞きます。

 そもそもアサンジとは、どういう人間なんですか? 彼はまだ若い。39歳ですか? オーストラリアで生まれた。で、どうゆう経歴なのですか?

野口:もともとは母親が人形劇のようなことをやっていたようです。

田原:人形劇?

野口:はい。劇団を持っていて、転々としてたらしいんですね。

田原:彼はいってみれば、言葉の使い方が悪いかもしれないけれど、まともな教育を受けてない。小学校、中学校、高校とかは行ってないそうですね。

野口:はい、そうです。義務教育を受けていない。母親がアサンジに、家庭内で教えてたらしいんです。

田原:家庭で?

野口:はい、マンツーマンですよね。ある時、コンピューターを渡して、それでアサンジ少年が、コンピューターにのめり込んでいって、天才ハッカーと呼ばれるようになったということですね。

田原:いくつぐらいの時ですか? 天才ハッカーって呼ばれてたのは?

野口:10代の後半ぐらいですね。15歳~17歳ぐらいだと思いますね。

田原:例えばフェースブックのザッカーバーグだとか、いろんなことやってるのがいますけど、ああいう人々はみんな有名大学へ行っている。だけど、アサンジは大学へ行ってないんですか?

野口:メルボルンの大学で勉強をしていたという話はありますが、どういう形だったかはよくわかりません。小学校や中学校のような義務教育は受けていないようです。

田原:ほお。そのアサンジが天才ハッカーだと。ハッカーというのは、いろんな企業とか、政府のコンピューターの防御をガ―ッと抜くわけだよね。なんで、そうゆうことに興味を持ったんでしょうね。

野口:うーん、やはり彼の話を聞くと、政府であったり、大企業であったり、銀行であったり、権力組織、それと自分たち一人一人が弱い存在である個人、この組織対個人っていう対立構造で、彼は世界を見てますね、間違いなく。

 彼がハッカー、ハッキングにのめり込んでった理由というのは、やはり、大きな組織には必ず、ほころびがあるということだと思います。

田原:秘密ということですか?

野口:穴があると。

田原:秘密があって、必ずそこにたどり着くような、入口がある、穴があるというわけか。

野口:そう、脆弱というか、弱点があるだろうと。それで、そこに入って行って、権力構造の実態が明かしたり、その権力構造を変えるようなことが、ハッキングによってできると考えた。その延長線上にウィキリークスがあるんです。

田原:これは非常に次元の低い質問ですけど、ハッカーをやったって、何にも得ははいわけでしょ? 金にならない。

野口:そうですね。

田原:なんで、そんなにそれにのめり込んでいくんですか?

野口:そうですね。いわゆる愉快犯のような。

田原:一種の愉快犯か。

野口:ええ、言葉は悪いですが、自己満足でしかなかったと思います。彼はただ、ここまで自分ができるんだと見せたかった。それで、政府なり、企業なりを変えられると考えたのではないでしょうか。社会正義に目覚めたというか、自信を持ったんでしょうね。

ビル・ゲイツとアサンジの共通点!

田原:ちょっと、ハッカーの話を聞きたい。ハッカーって、仲間というか、グループはあるんですか?

野口:ありますね。

田原:一人でやってるんじゃなくて?

野口:そうですね。航空宇宙局NASAに入っていったときは、仲間がやったみたいですね。彼が指示したというか、指揮したっていう話もありますけど。

田原:一種の連携プレイみたいなことをやるわけですか。

野口:まあ、個人プレイもすごくあるみたいですね。

田原:天才的ハッカーでも、マイクロソフトのビル・ゲイツみたいに、巨大ソフトを作っていくというような、まあ、いってみれば破壊的な行動から、建設的な行動に移る者もいますよね。

野口:そうですね。いま、それをお話ししようと思ってったところです。

田原:はい、どうぞ。

野口:僕はビル・ゲイツへは、4回インタビューしてるんですよ。

田原:4回!? ほー。

野口:(2人とも)非常に似てるところがあるんです。実社会とともにコンピューターの世界と、バーチャルな世界と、両方見えているような感じがするんですね。話を聞いていると。

田原:僕もじつはね、ビル・ゲイツに会ったことあるんですよ。

野口:そうですか。

田原:西和彦っていう日本人がいて。

野口:ええ、アスキーの。

田原:西和彦さんがマイクロソフトの副社長(極東担当)だった。で、西和彦さんに会いに行ったんですよ。本社へね。そしたら、玄関のところで、大学生みたいなTシャツを着た男がいまして。その男に「西さんに会いたい」って言ったら、「わかった」って連れて来てくれた。そしたら西和彦さんが、「これがビル・ゲイツだ」って。それでそのまんま食事をしましたけどね。野口さんは4回も会っていらっしゃるんですか?

野口:はい、インタビューしました。

田原:ビル・ゲイツとアサンジは似てるんだけど、まったく違うことをやっているわけですね。そこのところをうかがいたい。

野口:2人とも若くてクールで頭がいい。その点は共通しています。ビル・ゲイツは、インターネットにはさほどのめり込んでいませんでした。しかし、アサンジはインターネットを武器として使ってました。いわゆる、ハイテクっていうか、IT技術を利用して、世の中をどこまで良くできるのかを試そうとしていた。ビル・ゲイツからは、正義感のようなものをあまり感じなかったんですが、アサンジからは非常に正義感を感じましたね。

弱い個人が情報を使って権力に勝つ!

田原:なるほど。たしかに頭がいい、それに、ドライでもあると。
そもそもアサンジは、ウィキリークスをどんなきっかけで、どうやって作ったんですか?

野口:インタビューでは、12年~13年くらい前に、いろいろと、この手のことをやりたいというふうに思いはじめたと言ってました。つまり、情報を得て、権力構造、弱い個人が勝てないような相手を変える、いい方向に変える、そうゆうことを考えはじめたと言ってましたね。

田原:何人ぐらい仲間がいたんですか?

野口:それは聞いてないんですけれど、最初は数人だったようです。

田原:数人ですか。

野口:はい。やはり全員がハッカーというか、インターネットの技術に非常に詳しい人ばかりです。とにかく身元を明かさないような工夫をしたそうで、それはやはり、彼らの技術でしょうね。

田原:内部告発者の身元が、ばれないようにするということですね。

野口:そうしないと、情報が入ってきませんから。 

田原:そもそも内部告発する人は、なんでウィキリークスに送ろうと考えたのか? だって、最初はみんな知らないわけでしょ、ウィキリークスなんて。

野口:最初はそうですよね。

田原:なんで、内部告発をする人たちに知れわたるんですか?

野口:とにかく、身元がばれないということでしょう。そこですね。やっぱり。

田原:だって、身元がばれないってこと、どうやって伝達するんですか?

野口:そもそも、何からはじまったのか、そこは僕もまだ取材してないんです。口コミでたぶん、広がったんだと思います。

田原:口コミでね。

野口:去年の4月にアメリカで、いわゆる「アフガンダイアリー」っていうアフガン戦争関係の資料が出で話題になりました。

 その2年も3年も前に、例えば、スイスの銀行家が提供した情報を公開して、マネーロンダリングの方法とか実例を世界に流したわけですね。

 あと温暖化データの捏造なんかも、3年から4年ぐらい前ですから。ウィキリークスの名は、一部には知れわたっていたんですね。

田原:ウィキリークスを運営するための金はどうしてんですか?

野口:寄付だというふうに聞いてますね。組織とか個人。

田原:それは、どういうところから金が集まるんですか?

野口:やはり、いまの体制に対して不満を持ってる人が中心だと思いますね。

田原:世界中から? あるいはアメリカから?

野口:世界中からと言ってました。

田原:ふーん。

野口:アメリカが結構多いようですね。なんだかんだいっても。アメリカ政府はああやって怒ってますけど、一般の国民で支持してる人はかなりいますよね。ボランティアもアメリカ人が多いと聞きました。

 

イラク戦争で感じた伝統的メディアの限界!

田原:ボランティアだけでなく、ウィキリークスは支持してるジャーナリストが1000人ぐらいいる、世界に。

野口:やはり、大手メディアの限界を自分たちなりに感じているってことなんじゃないかと思いますね。

田原:1000人のジャーナリストの中には大手メディアの社員とかね、従業員もいるわけですか。

野口:います。例えば、いま右腕になって中心的な役割を果たしている人っていうのは、元アイスランド国営放送の記者であり、プロデューサーです。

田原:この前も出てきましたね。BSの番組に。

野口:はい。

田原:まあ、アイスランドはわかるんですよ。あれは国がらみで内部告発を守ろうとしたり、特にアメリカに対しては強い反発を持ってるから。だけど、フランスとかアメリカとかの人たちが、なんで応援するんですか? 

野口:僕はフランスはよくわからないですけど、アメリカでいえば、例の9・11の同時多発テロが起きてから・・・。 

田原:9・11に貿易センタービル、あるいはワシントンの国防省、これをやられた。それで?

野口:あの事件以降、やはり、いろんな形で報道の仕方が変わったんですね。

田原:どう変わったんですか?

野口:まずはマスコミの自主規制の様な形が広まった。情報を出すことによって、その情報がテロリストの手に渡り、テロ行為に走らせてしまう。だから、自主規制をする。
もうひとつは、ブッシュ政権が明らかにやったことが後になってわかったわけですけど、イラク大量破壊兵器があるとリークしてるわけですね。ラムズフェルドとチェイニー副大統領、この二人がかなりやったわけです。いわゆる、メディアをある意味だました。

田原:大量破壊兵器がある。だから、イラク、フセインは悪い奴だと。

野口:ええ、これはアサンジがインタビューではっきり言ってましたね。
私と共通の知人が、ジュディス・ミラーっていうニューヨーク・タイムズの記者なんですが、彼女はどんどん書きまくったわけなんですね。ブッシュ政権下で情報をリーク受けて書きまくった。

 それで、ニューヨーク・タイムズが彼女の記事によって、大量破壊兵器があるだろうという報道をした。アサンジは言ってました。その記事は世界中に流れただろうと。これが、伝統的なメディアの限界、問題なんだと。

田原:たしか、彼女は逮捕されますね?

野口:そうですね。情報源を秘匿した結果ということです。はい。

田原:で、たしか、拘置所だかなんだかに入りますね。

野口:入りました。

アサンジと共通の知人!

田原:そこがすごい。日本では、日本政府の機密情報をガーッと流して捕まるまでやるのはいない・・・。あ、西山太吉さんはいたな。毎日新聞の(沖縄返還協定にからみ、外務省女性事務官から取材した機密情報を、社会党議員に伝えたため、有罪となった西山太吉記者のこと)。

 なんで、彼女はそこまでやったんでしょうね。

野口:うーん、彼女とは僕は、もともとカザフスタンにある、ソ連の世界最大の炭そ菌製造工場の取材で初めて知りあって・・・。

田原:野口さんは彼女を知ってるんですか?

野口:はい、知ってます。それで、それ以来、交信を続けて、ある程度の知人友人の関係だったんですね。それでまた、アサンジと盛り上がったところがあるんですけども。 

田原:そんなつながりがあるんだ。その野口さんだから、メールを出すと、アサンジもこの男ならって、なるわけね。

野口:そこはわかりませんが、2人いるんです、共通の友人知人が。
一人はそのニューヨーク・タイムズのジュディス・ミラーで、もう一人はダニエル・エルズバーグという、ペンタゴンペーパー(ベトナム戦争に関する極秘報告書)の執筆者です。

田原:ペンタゴンペーパー。

野口:はい。刑務所入りを覚悟して、機密文書を入手して、ニューヨーク・タイムズに報道させたというアメリカの英雄ですよね。

田原:この人、野口さんの友達ですか?

野口:友達ですよ、何度もインタビューしてますし。

田原:ちょっと話が脱線するけど、野口さんてどうゆう人なんですか? 一体(笑)。 僕はねえ、野口さんからツィッターで呼びかけてもらって、はじめて知りました、あなたのことを。

 野口さんは、アメリカへいつごろ渡ったんですか?

野口:20数年前ですね。

田原:日本でマスメディアの仕事をされてたんですか?

野口:いやあ、まったくしてないです。

田原:え!?

野口:普通のサラリーマンです。それで、アメリカカリフォルニア大学のバークレー校の大学院でいろいろ勉強して、で、いまもその気持ちがより強いんですけど、日本の方々に、アメリカではこう、世界ではこういうことが起きてると、それを是非、考えてほしい、知ってほしい、で、実行してほしいと、そういう気持ちがあって、まあ情報発信して・・・。

田原:情報発信した日本の相手は、どんなところに発信したんですか?

野口:まあ、活字メディアが多かったんですけども、ある日、NHKが連絡してきまして・・・。

田原:野口さんが日本に発信してらした情報は、僕が無知なのかもしれないが、まったく知らなかった。

野口:まあ、僕の場合はNHKの仕事が多いので。

田原:NHKの前は?

野口:地元紙に寄稿する程度でした。NHKの仕事を始めてから、『文藝春秋』や『アエラ』などに記事を書くようになりましたが・・・。

田原:でも野口さんはすごい人ですよ。ほかにも、とんでもない世界的スクープを放っているんです。ソ連最大のスパイ、ですね?

野口:(笑)

田原:ラストヴォロフ?

野口:そうですね、ゾルゲが最大だと思います。ラストヴォロフはナンバー2だと思います。

田原:ゾルゲ、ゾルゲね。これはもう、処刑されましたけど、ラストヴォロフもインタビューしてるんです。

野口:これは世界、最初で最後ですね。

 

ケータイだけなくテレビも「ガラパゴス」を目指すのか!

2011.01.26(Wed) JBプレス 池田信夫

菅首相が1月24日に行った施政方針演説によれば、国づくりの第一の理念は「平成の開国」だそうである。しかし、日本の情報通信は、国を挙げて鎖国に走っているようだ。

 最高裁は1月18日に「まねきTV」、20日に「日本デジタル家電」によるテレビ番組のネット配信サービスを「違法」とする判断を下した。

 これまで日本では、この種のサービスは原則禁止だったが、この2社だけが知財高裁(東京高裁の知的財産権を扱う法廷)で「合法」との判決が出て、テレビ局(NHKと民放キー局5社)が上告していた。この上告に対して最高裁知財高裁へ審理を差し戻した。

 細かい法律論を省いてビジネスパーソンにとって重要な部分だけ紹介すると次のようになる。

 この2社のサービスは、テレビ番組を個人の録画機(あるいは中継器)でその所有者が見るものだ。だが、最高裁は、自分の機材で自分が見るだけでも自動「公衆」送信にあたり、しかも、その利用者だけではなく装置を設置した業者も自動公衆送信の「主体」だ、と判断した。

 これは通常の日本語の定義を大きく逸脱するもので、影響は大きい。

 例えばマンションの共同受信施設でテレビを受信して各部屋に配信する場合も公衆送信にあたり、違法になる恐れがある。データセンター(企業のサーバを提供する業者)を使ってテレビを社内に配信するのも違法で、データセンター業者も摘発されるリスクがある。

 問題は、テレビ番組だけではない。音楽配信についても同様の判決が確定しているので、個人ユーザーが自分のCDをデジタルデータにして会社のサーバに送って出先で聞くと、「公衆送信」として違法になる。この場合、会社が違法行為の「主体」と判断されるので、会社が家宅捜索を受けるかもしれない。

 今回の最高裁の一連の判決は、ごくわずかに例外として残っていたネット配信の道をふさぎ、第三者による映像や音楽のネット配信は全面禁止という方針を出したものだ。

これは著作権法で、映像のネット配信を「地上デジタル放送区域内の再送信」以外はすべて禁止とした趣旨を徹底したものとも言えよう。

日本のスマートTVは死んだ!

 海外でも映像のネット配信はビジネスとして注目されているが、方向はまったく逆だ。

 欧米では、IPTV(インターネット放送)はケーブルテレビと同じ有線放送と位置づけられ、ケーブルテレビと同じ法律で規制されている。このため、インターネットでテレビ番組を放送するのも原則自由で、米国ではテレビ局自身がすべての番組をネット配信する「hulu」というウェブサイトが人気を呼んでいる。

 ところが日本では、著作権法で「インターネット放送は放送ではない」という奇妙な規定ができ、IPTVは通信の一種(自動公衆送信)に分類された。これは大きな違いである。

 放送の場合は、再送信の許諾はケーブルテレビのように一括して得ればよいが、通信の場合は一つひとつの番組についてテレビ局や音楽の作曲者などの許諾が必要で、実際には再送信は不可能だ。

 米国でもケーブルテレビのサーバーによる録画配信は訴訟になったが、2009年に連邦最高裁でケーブルテレビが勝訴し、欧米ではテレビはオンデマンドで見るものになりつつある。

 ところが日本では、個人が自分の録画機を遠隔操作して見るのさえ違法という、世界にも類のない異常な規制が敷かれることになった。

 これが法律論として妥当かどうかはおくとしても、ビジネスに与える影響は大きい。携帯電話にインターネット機能を搭載する「スマートフォン」に続いて注目されているのは、テレビにインターネット機能をつける「スマートTV」だが、今回の最高裁判決は、日本ではスマートTVは禁止と宣告したに等しい。

例えば注目を集めている「グーグルTV」は、インターネットから映像を検索してテレビ画面で見るシステムだが、この場合のグーグル最高裁判決によれば自動公衆送信の「主体」となり、利用者が著作権法違反の映像を再生した場合はグーグルも違法行為の共犯になる。したがってグーグルは、日本でグーグルTVのサービスを開始する予定はない。

電波もガラパゴス化する!

 これは日本のテレビ局や電機メーカーにとっては好都合だろう。彼らの開発した「アクトビラ」というIPTVシステムは、特別に許可されたコンテンツしか見られないため、4年間で250万台しか売れていない。全世界で数億台を目指すグーグルTVが日本に進出してきたら、ひとたまりもない。スマートTVを殺すことによって「ガラパゴス化」して生き残ろうというのが、彼らの戦略なのかもしれない。

 同じことは、電波の世界にも起こっている。総務省は電波を競売にかける周波数オークションについて、「将来は実施することを検討する」という方向を打ち出したが、来年にも割り当てられる700/900メガヘルツ帯については見送った。

 これによって、900メガヘルツ帯はソフトバンク、700メガヘルツ帯はNTTドコモとKDDIに割り当てることが内々に決まろうとしている。

 つまり、新しい通信業者の参入を許さないで、既存業者が無料で電波を「山分け」するのだ。これによってガラパゴス化した日本の通信業者は、国際競争に巻き込まれることなく守られるだろう。

 しかし、日本の携帯電話の世界市場でのシェアは5%以下。市場が成熟してこれから人口が減少してゆく日本では、携帯サービスも成長する見通しはない。

 鎖国しているうちに経済力が衰えて世界に大きく後れを取るのは、江戸時代に経験したことだ。かつては日本が植民地にされる直前に明治維新で日本を救う英雄が出たが、21世紀の日本を滅亡から救う人は出てくるのだろうか。

Facebook(フェイスブック)
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2011年01月26日(水)現代ビジネス 市川裕康

 先日、日本で封切られた映画『ソーシャル・ネットワーク』、併せて発売され、本コラムでも紹介した書籍『フェイスブック 若き天才の野望』の好評判も影響し、身の回りのいろいろなところでフェイスブックのことが話題になりつつあります。

 そんな中、『知らない人からの「友達リクエスト」にどう対処していいか分からない!』、という質問を、何度となく頂く機会があります。

 個人どうしの交流、ビジネスのブランディング、そして先日のチュニジアで起きた政変等、社会に大きなインパクトを与える可能性を持つフェイスブックですが、まずは個人が安心してこの新しい道具を使いこなすことは大事なステップだと思います。

 そこで、今回は友達リクエストに関して気になっているポイントを3つ、ご紹介したいと思います。

[1] 知らない人からのリクエストは勇気を持って「保留」を!
 そもそも個人の自由な考え方でポリシーを持っている方も多いと思いますが、私が敢えて推薦したいのは、知らない人からの友達リクエストの「承認」は勇気を持ってご遠慮することです。「承認」と「後で」の2つの選択肢があるのですが、「後で」をクリックします。その際に相手には「保留」となったことは通知されません。

 理由はいくつか挙げられるのですが、重要と思われる点は以下3つです。

1.  そもそもフェイスブックの基本的な思想として、既にリアルな人間関係を有している友達、家族等とコミュニケーションを取るためのプラットフォームである、という点が挙げられます。

[2] 自分の情報開示レベルを確認しましょう
 まだフェイスブックを使い始めたばかりで、会社の上司、取引先、知らない人からあまり見つけて欲しくない、という方も多いと思います。自分の情報開示レベルをしっかりと確認した上でフェイスブックに馴染むのが大切です。

 「プライバシー設定」のページにアクセスすることで簡単に設定変更が可能なので、情報開示を全て「友達のみ」にしておくなど、開示レベルを安全なところから使い始めるのが無難だと思います。

 なお、フェイスブックに登録すると、自動的にグーグル、ヤフー等の外部検索エンジンの検索対象となっているので、希望しない方は「設定画面」の「一般検索」の箇所でチェックを外すことが可能です。

[3] 自分ならではのソーシャルメディアポリシーを宣言してみましょう。
 実名、そして写真付きで頂いた友達リクエストを「保留」することで、まるでその方を否定してしまうようで申し訳ない気持ちになるのも無理はありません。まして、その方が仕事上関係するかもしれない人だったり、共通の知人がいたりして、お断りしにくい場面もあると思います。

 そんな時には自分にとってのソーシャルメディアポリシーを明示する方法を提案したいと思います。例えば、著名人である勝間和代さんの個人ページを訪れると、自己紹介の欄には「友だち申請の承認は、実際にお会いして、今後もお付き合いがある方に限らせていただきます。よかったら、ファンページへどうぞ。」と書かれています。

 ツイッターでは45万人以上のフォロワーがいるにも関わらず、フェイスブックでの友達の数は非常に限られた数となっています。全ての人が勝間さんと同じように独自のファンページを運営できるかどうかは別としても、このようにスタンスを明確にすることで、一貫性を持ったコミュニケーションのスタイルを持てることは、ある意味センスのいい、効果的な使い方ではないかと思います。

 ツイッターの利用が急速に拡大した日本において、「フォロー」する感覚でフェイスブックの「友達リクエスト」を送る方が多いように感じます。「日本ならでは」の使い方はもちろんあるとは思いますが、一人ひとりが安心して、心地よいコミュニケーションを行うための、マナーやルールが、これから徐々に発展し、拡がっていくことを願っています。



 友達リクエストを送る際の確認ボックスには「〇〇さんに友達リクエストが送信されます。友達リクエストは知り合い以外には送らないようお願いします。」とも明確に記載されています。*つい最近までこのメッセージは「〇〇さんにあなたと友達だということを確認していただく必要があります。」というものでした。

2.  「承認」をすることで写真、職場、居住地の情報、近況コメント等、膨大な個人情報へのアクセスが可能になります。起こって欲しくはないですが、どうしてもスパム行為、個人情報の流出等はありえます。 そういったリスクの可能性を低くするためにも、全く会ったことがなく、しかも文脈を明記する一言メッセージが含まれてないリクエスト等は保留するのが安全です。

3. フェイスブックの優れた機能として、既に友達になっている人とのつながりから類推し、「知り合いかもしれない人」が推薦されることがあります。実際の友人との精度の高いつながりを保つことで、昔の同級生、連絡先が分からなくなっていた懐かしい友人、興味関心の近い人との、思いがけない出会いの確立が高まります。

県と政令市の合併による自治の拡大を目指す「新潟州(新潟都)」構想
http://www.city.niigata.jp/info/koho/kaiken/h22/110125.pdf#search='新潟州';

YouTube "新潟州"構想 知事&新潟市長 「合併を目指したい」 20110125
http://www.youtube.com/watch?v=YMBud6UuTYk


毎日新聞 1月26日(水)12時48分

泉田裕彦知事と篠田昭新潟市長が25日、県と同市を合併・再編し「新潟州」に移行する構想を発表した。地域主権推進を掲げていた民主党政権に対し、泉田知事と篠田市長は「改革は進んでいない」と不満をあらわにし、それが州構想という旗を立てる動機だったと述べた。橋下徹大阪府知事が「大阪都」を、河村たかし前名古屋市長らが「中京都」の構想を表明し、地方自治のあり方に一石を投じたなか、新潟からものろしが上がった。【小川直樹、黒田阿紗子】
 新潟州となった場合、県や新潟市はどういう姿に変わるのか。泉田知事らは、現在の東京都と、区長を選挙で決める特別区(東京23区)の関係が参考になると説明した。
 州構想では、県と同市がまず合併し、市を解体して、複数の特別区を置くことを想定。県は州に移行するが、名称は「新潟都」とする案もあるとした。
 特別区は新潟州の出先機関ではなく、独立した基礎自治体とする。特別区は住民に身近な業務や課題に対応し、県の権限をより移すことを目指す。州は特別区の仕事を補完し、広域的な業務を担う。現在、県と市の両方が手がける図書館運営のような二重行政を排し、効率化を図るという。
 新潟市以外の市町村が特別区や州にどう関わるかは今後の検討課題となる。
 ◇統一選視野に、市長が持ちかけ
 このタイミングで構想を発表した狙いについて、泉田知事は「今春に統一地方選が予定されており、地方自治のあり方を世に問う時期として適切だ」と説明。「篠田市長の発言に私が賛同した」とし、篠田市長から持ちかけられたと示唆した。
 篠田市長は、「特別自治市」を提案した指定都市市長会での地方主権議論を通じ「国にしっかりボールを受け取ってもらえない」といらだちを募らせた。大阪府・市と異なり、「新潟では関係が極めて良好」という事情もあり、泉田知事と意見が一致したという。
 目指すのは、国から権限と財源を移し、州と特別区が国に縛られない行政運営を行うこと。県の担当者は「社会福祉施設の設置などでも、地域の事情に合った設置・運営がしにくいのが現状。国から権限を移す『受け皿』が求められていた」と話す。若者らの失業者対策も、特別区に権限と財源を集約することで、就職紹介や生活保護支給などの一体化が期待できるという。
 ◇大阪、愛知との連携も
 今後、県と市は合同の検討委員会を設置するが、時期や人員などは未定。いつまでに新潟州への移行を目指すかの日程も示されていない。今後、泉田知事と篠田市長が県・市議会に説明し、県民の合意形成を図るとするが、突然、浮上した構想に県民の賛同が得られるかは未知数だ。
 また、国からの権限移譲などには地方自治法の抜本改正が必要で、県や市の意向だけでは実現できない。橋下知事や河村前市長らと連携し、国への働きかけをすることも検討するという。
 24日に泉田知事から州構想について電話連絡を受けたという橋下知事は「新潟が入ってくれたので、霞が関にメッセージが届くのかもしれない」と連携に期待感を示した。
………………………………………………………………………………………………………
 ■ことば
 ◇府県市再編構想
 「大阪都」構想は橋下徹大阪府知事が提唱し、政令市の大阪、堺両市を解体し、中核市並みの権限を持つ複数の特別区を設置し、府全体を都として再編するもの。行政のトップは都知事となり、政策決定の迅速化と行政運営の効率化を図れる、としている。実現の目標期限は15年春としているが、大阪、堺両市長は構想に反発している。
 「中京都」構想は河村たかし前名古屋市長と大村秀章前衆院議員が提唱。愛知県と名古屋市を一体化し、権限強化と行政効率化を目指す。現在、河村氏は同市長選に、大村氏は同県知事選に立候補している。
 橋下氏と河村、大村両氏は連携することで一致している。橋下氏は地域政党「大阪維新の会」代表を、河村氏は同「減税日本」代表を務め、今春の統一地方選で勢力拡大を狙う。



◇橋下知事「前夜に電話、協力」 新潟州に4政令市長は疑問視!

産経新聞 1月26日(水)9時41分配信


【「新潟州」構想】

 新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長が25日、共同で発表した「新潟州」構想。県と市の二重行政の解消や自治体の権限強化を図ることを目的とした合併構想で、新潟市を解体し、東京都のような特別区に再編することを目指し、国に地方自治法の改正などを通じた権限移譲を求める。

 大阪府の橋下徹知事は「(愛知県と名古屋市の)中京都構想よりも、大阪都の考え方に似ている」と評価。24日に泉田知事から電話で「州構想」の内容などについて連絡があったことを明らかにし、「泉田知事とタッグを組んでやっていく」と連携を強調した。

 また、新潟県・市の関係について「おかしいと思ったら、一定の方針を決めてこうやろうと。うらやましいですね。(大阪市は)既存の制度が絶対だという人が首長で何も動かないので」と話し、大阪市の平松邦夫市長の姿勢を批判した。

 一方、平松市長は「国が一向に進めようとしない地方分権改革に一石を投じた」と前向きに評価。「そういう話し合いができる(首長同士の)関係はうらやましい」と橋下知事を牽制(けんせい)した。

 また、大阪都構想に距離を置く堺市の竹山修身市長も「画一的な制度にこだわる必要はなく、新潟オリジナルがあっていい。新潟県民や新潟市民が十分議論して制度をつくればいい」と理解を示した。

 一方、京都市の門川大作市長は「国政レベルでも並行して議論しないと実現は困難ではないか。1200年の歴史がある京都市を人工的に分割することはありえず、市民のほとんどが反対すると思う」と、府県と政令市の垂直合併を疑問視。神戸市の矢田立郎市長も「ちょっと疑問を持っている。具体的な機能がどう形を変えていくのか見えない」と戸惑いを隠さなかった。


◇新潟州 県・市が構想発表! 二重行政廃して効率化目指す

毎日新聞 1月25日(火)21時9分配信

 新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長は25日、同市内で共同会見し、県と市が合併し「新潟州」設立を目指す構想を発表した。県と政令市による二重行政を廃して効率化を図り、基礎自治体の権限強化を図る狙い。府県と政令市を再編する動きは、大阪府の橋下徹知事が打ち出した「大阪都」構想や、愛知県の「中京都」構想がある。新潟ではこれらの地域との連携も模索しており、全国的に広がる可能性がある。

篠田市長は会見で、「新潟は、政令市と県の関係が他の地域に比べて極めて良好なのが特徴。知事と司令塔を一つにという方向で価値を共有できた。大きな旗を立てて全国に問題提起したい」と、市側から構想を持ち掛けたことを示唆した。

 泉田知事は「新潟州」のイメージについて「東京都と特別区の関係を参考にする」と説明。橋下知事らとの連携については、「同じような課題認識を持っている地域と連携して、国に実現を求めていきたい」と前向きな姿勢を示した。ただ、具体的な内容は詰まっておらず、今後、県と市で検討委員会を設置し、「州」設立に必要な地方自治法の改正などを国に求めていく。

 一方、橋下知事は同日、東京・内幸町の日本記者クラブで「大阪都」構想について会見し、人口約260万人の大阪市を「(同じ人口規模の)広島県知事が市町村長がいない状況で、住民サービスから広域行政まで引き受けている状態。両方できるわけがない」と指摘。現在の政令市のような人口要件ではなく、都市の実情に合った制度の必要性を主張した。

 片山善博総務相はこうした動きに「政令市と府の二重行政や、巨大都市での住民自治というのは重要な問題提起だ。検討態勢を作り、都府県と大都市との関係、住民自治と大都市とのかかわりなどを点検したい」と述べ、検討を進める考えを示した。ただ、「都」構想などについては「県と市を一緒にするとより大きく複雑になり、住民自治やチェックがおろそかになるとの批判もある」と述べ、より大規模な行政体の形成になることの課題を指摘した。【黒田阿紗子、笈田直樹】

 ◇タッグを組みたい…大阪府の橋下徹知事

 新潟県と新潟市の合併による「新潟州」構想について、大阪府の橋下徹知事は25日、記者団に「(府県と政令市の関係に)問題があることを国民に意識してもらえつつある。愛知、新潟とタッグを組んで(構想実現に必要な)地方自治法改正を迫っていきたい」と述べた。【佐藤慶】

 ◇「うらやましい関係」…大阪市の平松邦夫市長

 大阪市の平松邦夫市長は「国が一向に進めようとしない地方分権改革に一石を投じた」と評価。さらに、知事と市長の共同構想である点に触れ、「大阪都構想」を巡って対立が続く自らと橋下徹・大阪府知事との関係と比べるように「うらやましい関係」と述べた。


◇[団体区分別職員数の状況]
http://www.soumu.go.jp/iken/kazu4.html
新潟県職員数  6,438人(一般行政部門) 35,694人(平成20年総数)
新潟市職員数  7,792人(平成20年)


◇新潟県議会定数(53人)
http://www.pref.niigata.lg.jp/senkyo/1198602068509.html
新潟県議会議員給与条例(月額 77万円)
http://www1.g-reiki.net/niigataken/reiki_honbun/ae40101381.html

◇新潟市議会定数(56人)
http://www.city.niigata.jp/reiki/reiki_honbun/ae40212181.html
新潟市議会議員報酬(653,000円)
http://www.city.niigata.jp/info/gikai_jimu/index.htm

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