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平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点) 平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中! 無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』 http://www.uonumakoshihikari.com/
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平成22年12月20日 インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー

●アジアの緊張高めた声高の主張!

急速に台頭するアジアは世界の地政学的変化の中心となった。今や、アジア諸国の政
策と挑戦が国際的な経済環境と安全保障環境の形成に一役買っている。しかし、2010
年は、中国が近隣諸国との領土紛争を拡大して緊張を高め、声高の主張をした年として
記憶されるだろう。もっと言えば、2010 年は、中国指導部が拡張する中国への恐怖心
をあおり、アジアの表舞台への米国の復帰を促すことで、中国の国益を損ねた年だった。
中国の力の増大に伴い、アジアでは多くの国が二国間ベースで安保協力関係の構築に
乗り出した。この協力関係は、中国の行動に好ましい影響を及ぼして、中国が越えては
ならない一線を越えたり、自ら唱えてきた「平和的台頭」に反する行動を取ったりする
ことのないようにしたいという、内に秘めた願望を反映するものである。
しかし、パートナーシップを真に構築するには時間がかかる。例えば、米国は近年、
インドを条約上の義務のない「緩やかな同盟関係」に組み込む努力を傾けてきた。それ
でも、利害対立がしばしば浮上する。
米国ベトナムにも秋波を送っている。だが、冷戦の遺産はベトナムの思考に引き続
き重くのしかかる。ベトナム中国へのヘッジ(保険)として米国に接近するものの、
ベトナム指導者の中には、米国がベトナムの体制転換に今なお執着しているのではない
かと心配する者もいる。

●日印米ロの結束は北京の悪夢!

中国インド、日本の戦略的三角関係で、中国は対印関係が悪化すれば対日関係を改
善することでバランスを図ろうとする。逆に、21 世紀の最初の10 年間のように、対日
関係が悪化すれば対印関係の改善を図る。この3 国を三角形の各辺に例えると、短い二
つの辺(インドと日本)を足せば、常に長い辺(中国)より長くなる。今日のアジアで、
最も急速に拡大しつつあると思われるのが日印関係であることは驚くに当たらない。
日印中の3 国に米国を加えた四角関係で、日本とインド米国が緊密に協力すれば中
国の選択肢は限られる。ロシアを加えた五角関係では、中国はのっぴきならない状況に
陥る。日本とインドロシアが米国の手を借りて結束すれば、中国中心のアジアが出現
する見通しが消えるばかりか、中国にとって究極の戦略的悪夢となる。
しかし、最近の動きが示すように、日ロの和解はなお遠い。米中はぎくしゃくした関
係を続けそうだが、あからさまな対立はどちらも好まない。米国にとって、中国の力の
増大は、アジアにおける米軍の前方展開の正当化に役立つのだ。また、中国ファクター
は、米国が既存の同盟国をつなぎ止め、新たな同盟国を引き寄せて、アジアでの戦略的
足跡を拡張するのにも役立つ。
こうした戦略的背景の下で、アジアでは、主要国の力関係は流動的状況が続きそうだ。
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羽二重にエンボスはない。エンボスをつけようとしても、柔らかすぎてつかないという

 

 

エンボス加工を施された他社製品

 

 

羽二重(ケース16ロール→販売価格2,980円 (税込 3,129円)TEL 088-854-0831)
http://www.habutae.net/

土佐藩(1)~望月製紙の「羽二重」

2011.02.01(Tue)JBpress

 望月製紙(高知県土佐市)がつくる「羽二重」は、まさに常識破りのトイレットペーパーだ。

 まず、その柔らかさ。スーパーマーケットやドラッグストアで売っている一般的なトイレットペーパーとは、触った時の感触がまったく違う。「ふわふわ」という言葉がぴったりするほど軽くて柔らかく、肌触りが優しいのである。

また、価格も常識破りだ。スーパーの安売り商品は、1ロール当たりの値段が50円を切るのが当たり前。店によっては20円を切るものすらある。ところが羽二重は1ロールが300円近くもする。日用品としておいそれとは買えないような高額商品なのだ。

 最も常識破りなのは、購入する人の目的かもしれない。世の中でトイレットペーパーを買う人は、まず間違いなく自宅(もしくは自分たちの会社や店など)で使うためである。ところが羽二重は贈答品として購入する人が多い。なんとトイレットペーパーをお中元、お歳暮として、お世話になった人に贈るのである。

「柔らかいって言われるのにひりひりするやないか」と開発に着手!

 そんな超高級トイレットペーパー「羽二重」を開発したのは、望月製紙の4代目社長、森澤良水さんだ。 

 四万十川、仁淀川といった清流が流れる土佐は、古くから和紙づくりが盛んだった。望月製紙はその地で、昭和初期に手すき和紙づくりで創業した。

 「2代目社長の時からトイレットペーパーをつくっていて、当時から『柔らかい』という評判をいただいていました。けれども、ごく普通のパルプを原材料にして、安くつくっていました。特に柔らかさを追求していたわけではありません」(森澤社長)

転機となったのは、2000年頃だ。森澤社長が体調を崩して、頻繁にトイレに行く時期があった。「おしりをひんぱんに拭くものだから、痛くなってきたんですよ。うちの商品は『柔らかい』って言われるのに、ひりひりするやないかと。そこで、どうせならとことんこだわって柔らかい紙をつくったら面白いんやないかと思ったんです」

 安売り合戦の中で利益を上げて生き残っていくためにも、望月製紙ならではの特徴ある商品の開発が求められていた。

こうして、森澤社長はとことん柔らかいトイレットペーパーを目指して、一から開発に着手。約5年の開発期間を経て誕生したのが「羽二重」(2005年発売)である。

ふんわりした柔らかさを生み出す製法の秘密!

 その柔らかさの秘密は、原材料となるパルプと、加工方法にある。

 羽二重は、数種類のパルプを独自の配合比率で組み合わせてつくられている。

 「パルプというのは何種類あると思いますか? 実は100種類以上あるんですよ。繊維が太いのもあれば細いのもあるし、固いのも、柔らかいのもある。そういうのを片っぱしから取り寄せて、どれとどれを組み合わせると柔らかくてふんわりしたのができるのかを、徹底的に調べていきました」

加工の時間のかけ方も他社の商品とはまったく違う。まず、漉いた紙の乾燥に十分な時間をかける。

 「ホットケーキを焼く時に、あわててヘラでぎゅうぎゅう押し付けたら、硬くなりますよね。逆に、とろ火でじっくりと焼いたら、ふんわり焼けます。それと同じように、ゆっくりゆっくり乾燥させる。すると、ふんわりとして温かみのある紙になるんです」

 紙を巻き取る機械の回転速度も、一般的な製法と比べて桁違いにスローだ。

 大手メーカーは生産効率を考えて、機械をできるだけ高速に回そうとする。だが、回転速度を上げると、紙が切れてしまう。そこで、切れないようにするために、原料の段階で「叩解度」を上げているのだという。

つまり、繊維と繊維をからみ合わせて強くしているのです。でも、そうすると、つるつるした洋紙みたいな紙になってしまいます。それではトイレットペーパーとして柔らかくないし、使いにくいですよね。そこで、紙の表面にデコボコ(エンボス)を付けることで、柔かく感じさせるようにすることが多い。表面にローションを塗って、柔らかくしている製品もあります」

 一方、羽二重は、素材の力と加工の工夫だけで柔らかくしているのだという。

 「柔らかい紙をつくるためには、できるだけ機械の回転速度を遅くしなければなりません。最適な回転速度について、さんざん試行錯誤してきました。その結果、うちの機械の回転速度は大手メーカーの10分の1ぐらいなんですよ」

使うたびに贈ってくれた人の顔を思い出す!

 羽二重を発売してから2年後の2007年には、羽二重をさらに柔らかくしたトイレットペーパー「羽美翔(はねびしょう)」を発売した。三笠宮家にも献上しているという、皇室御用達の最高級品である。

望月社長にとって、柔らかさの追求にゴールはない。「もっと柔らかくなるんじゃないかと思って、今もずっと改良を続けています。パルプの組み合わせの研究も継続的に行っています」という。

 こうした休むことのない改良・開発のモチベーションとなっているのは、購入者から送られてくるハガキである。

望月製紙の商品には、意見や感想を書いてもらうハガキが同梱されており、毎月、全国の購入者から100通近くのハガキが返送されてくる。

 ハガキの内容は例えばこんな具合だ。

<育児疲れをこの紙で癒やしています>
<これを使うと我が家がみんな笑顔になります。家庭円満にもつながっているみたいです>
<友人に贈ったところ、使うたびに私を思い出してくれるとのことです>

 森澤社長は、「こういうハガキをもらっていると、いい加減な商品をつくってはいけないし、いい商品、喜ばれる商品をつくらなければならない、と思いますよね」と語る。

 2010年は、羽二重と羽美翔を合わせた売り上げが、前年比で約2倍に拡大した。大量生産できないので通信販売のみ。広告宣伝も打っていない。しかし、テレビや新聞、雑誌などで取り上げられ話題になったこともあり、知る人ぞ知る商品としてファンを増やしている。

 何よりも、プレゼントとしてもらった人が自分で注文してくるケースが増えているという。もらった人が使い心地に感激し、今度は他の人に「使ってほしい」と思うようになるのだ。

 望月製紙がつくっているのは、もはや「たかがトイレットペーパー」ではなく、人と人をつなぐ魔法のトイレットペーパーなのである。

 

ギフト用にラッピングされた「羽二重」ロール

 

羽二重は柔らかさとしなやかさを兼ね備えている

死神首相なら、日本から出て行け、鬼は外!

2011.02.05(Sat)JBプレス 川嶋諭

与謝野馨氏に引き続き柳沢伯夫氏の登場である。政府民主党社会保障・税一体改革の「集中検討会議」の民間委員に、自民党政権で厚生労働大臣だった柳沢(現・城西国際大学長)を起用した。

財務省の言いなり政権ではこの国は滅びる!

柳沢氏と言えば、女性を「子供を産む機械」と決めつけたあの御仁で、与謝野氏と同じ旧大蔵省(現・財務相)のキャリア出身。

 2月4日付の朝日新聞では記者のインタビューに答えて、「消費税は10%では間に合わぬ」と堂々と発言している。

 鳩山由紀夫政権時代に財務大臣だった菅首相は、完全に財務省官僚の洗脳を受けてしまったらしい。

 人事ほどリーダーの考えを如実に示すものはないので、与謝野氏に続き柳沢氏を起用したのは、財務省の言う通りにしますと宣言しているに等しい。

 だとすれば、これほど日本経済にとって危険なことはない。

 デフレが続く日本でもし、経済を活性化する十分な施策のないまま大幅な増税が繰り広げられれば、経済が完全に凍り付いてしまう危険性がある。

 そうなれば、菅首相はのちのち「日本にとりついた死神首相」と、孫の代まで、いや菅家が日本に続く限り、日本国民から謗りを受け続けるだろう。

 まずは英フィナンシャル・タイムズ紙のこの記事「英国の緊縮財政計画に厳しい警告」を読むべきである。格好のお手本がユーラシア大陸の先の島国にあるのだから。

 英国は昨年6月、ジョージ・オズボーン財務相の主導で歴史的な財政再建策に打って出た。大幅な歳出カットと日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)アップに踏み切ったのである。

その案が出た当初から、英FT紙は英政府の“英断”には懐疑的だった(「英国が払う緊縮財政の代償」)。そして、その懸念は2010年の第4四半期に早くも現われ始めた。

増税と緊縮財政で経済が凍りついた英国

 この期の国民総生産(GDP)は過去20年間のトレンドを8%も下回るという衝撃的なものだった。経済が麻痺し始めたのだ。

 FT紙のマーチン・ウルフ氏は次のように書いている。

 「政府は今、はっきりと警告を受けた。GDP比の支出の長期的なレベルの決定は、基本的に政治的価値観の問題だ。しかし、財政赤字をどれほど速く削減するかは、また別問題である」

 「政府が今の経常支出の計画に固執したいのであれば、そうさせておけばいいが、筆者がかねて論じてきたように、有益な計画投資を遂行しないでおく理由はない」

 「同様に、経済が今よりずっと力強くなるまで、計画した増税を先送りしたり、ことによれば今は減税したりすることを思いとどまるべき理由もない」

日本の失政の二の舞を演じた!

 成長戦略をきちんと描き、そこに思い切った投資を重ねて経済を成長の軌道に完全に乗せる前に思い切った財政再建に乗り出しても、それは経済を殺すことになり、結局は再建どころか税収が減ってさらなる赤字を積み上げる結果となる。

 英政府の“英断”を懸念したFT紙のフィリップ・ステファンズ記者は1990年代の日本の姿を見ているようだと書いている。

 経済が多少上向いたことを理由に、わずか2%だけだったが消費税増税に踏み切ったために、その後、失われた10年に見舞われた日本の姿は英国の未来に見えるというのだ。

 消費税の大幅増税を目論む日本政府が、英国の姿をどのように見ているのか聞いてみたいものだ。恐らく、「私たちはすぐに増税するわけではない。次の衆院選挙後までは増税しないと公約したのだから」との答えが返ってくるのが落ちだろう。

しかし、すでに小沢一郎氏の周辺では今年中にも衆院解散があるから準備しておけとの声が飛び交っているそうではないか。

消費税を上げるぞと脅しただけで景気は冷える!

 たとえ解散がなく今の衆院議員が任期を全うできるにしても、こんな経済環境でそもそも「大幅増税やむなし」のラッパを高らかに吹き上げる意味が分からない。日本国民に「消費はできるだけ控えて将来に備えなさい」とでも言いたいのか。

 それとも、国民の反対を押し切って消費税を上げることに成功したら、サッカー日本代表の李忠成選手が起死回生の1発を見事に決めてヒーローになったように、日本の総理史に名誉な名前を刻めるとでも思われたか。

 消費税率のアップを検討したいなら、できるだけ秘密裏にやったらいい。経済がしぼんでいる時にわざわざ国民の前でぶち上げる話ではない。

 その前に、日本経済をどのように成長させるのか、具体的に国民に示すことの方が先だ。そのうえでその成長戦略を軌道に乗せるために、投資計画を練り上げて、国民全体をその気にさせなければならない。

 それこそがリーダーとしての務めではないのか。サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督を見よう。選手のモチベーションを高めるために何をしているのか。

バラマキではないと鬼気迫る首相!

 衆院予算委員会では、「子ども手当てはバラマキでは絶対にない」と強弁を繰り返している姿が印象的だ。鬼気迫るものがある。

 バラマキという言葉の定義はよく分からないので、その真偽を問う気はないが、実際のお金の流れを見ればこの政策が経済を冷やすことに一役買っているのは明白だ。

 子ども手当ては、その約6割が貯蓄に回っているという。銀行に預けられた子ども手当てはどこへ行くか。銀行から中小企業などへの融資に回されるならそれもいいだろう。

 しかし、現実には銀行は集めた預金で日本国債を買っている。何のことはない。扶養手当などの廃止で増税し、それを子ども手当ての名目で一部の国民に支給して日本国債を買わせているのである。

回転させてこそ価値があるお金を塩漬けにしているのだ。銀行が国債を買えば国債の価格が上がり利回りが下がる。赤字国債の利子払いを少しでも下げたい財務省にとってはあり難い戦略なのだろうが、国民経済にとってはたまったものではない。

経済成長なくして財政再建なし!

 今の日本に必要なのは、お金をあつめて国債で運用することではない。国内に成長産業を作るために投資することだ。どのような成長産業が考えられ、どのような投資をすれば最も効率的なのかを考えることだ。

 民間の金融機関が投資意欲を減退させているのであれば、その意欲が回復するように政府が代って投資すべき時だろう。そうでなくて、どうやってデフレ経済から脱却できるのだろう。

 「英国の緊縮財政計画に厳しい警告」の記事で筆者のマーチン・ウルフ氏が英国政府に対して提案しているように、日本でも今は増税よりも減税を検討すべきではないか。

 法人税を減税するではないかという。企業の国際競争力を考えたら、世界で際立つ日本の法人税を下げるのは意味がある。しかし、それだけの意味であって、日本経済を成長軌道に乗せるための政策としては効果が低い。

 前にこのコラム「法人税引き下げは日本を弱体化させる」で指摘したように、多額の法人税を納付している大企業は、外国人株主の比率が高い。減税分は外国人への配当原資として多くが使われる可能性がある。

所得税の大胆な減税を提案する!

 また、資金が余っている大企業は減税分を貯蓄に回す可能性が高い。それはすなわち銀行を通してお金が日本国債に向かうわけだ。

 日本経済を成長軌道に乗せるための減税を目指すなら、大胆な所得減税こそ必要なのではないだろうか。自動車や家電製品に対するエコ減税が大きな効果を上げたように、消費者全体に対する減税は消費の拡大をもたらす。

 日本国内でお金を回し、かつその回転率をできるだけ上げて税収を増やす。日本経済をその路線に復帰させない限り、いくら増税しても財政は破綻に向かってしまう。

 そして、今すぐやらなければ間に合わない。

成長を続ける中国経済に加え、米国の景気回復によって世界のコモディティー価格は上昇の勢いを強めている。食料品や原油の価格高騰が問題になり始めている。

スタッグフレーションの足音が近づいている!

 円高の日本はその影響が比較的軽微だとはいえ、物価上昇圧力は増しているわけで、いったん円安に振れ始めたら輸入インフレによって、不況下の物価高、スタッグフレーションを招く危険性が強まる。

 そうなってしまえば、政府が大胆な景気刺激策を打てなくなるばかりでなく、金利の急上昇によって日本国債のディフォルト懸念が強まり、さらなる円安、物価高という悪循環をもたらしかねない。

 その時は、山崎養世さんがこの記事「2011年、戦後最大の経済危機が訪れる」で提案する日銀による国債の全量買取という、究極の日本経済再建策も実行不可能になる。量的緩和インフレを加速させるからである。

 政府が検討を始めた増税政策は日本経済の自家中毒を招き、かえって国債がディフォルトする危険性を高める。

おじいちゃんにITが分かるのか!

 与謝野氏も柳沢氏も日本きっての経済の専門家なのだろうが、おじいさんでもある。人生の下山期に入った人は、「成長」という概念を忘れやすい。しかもITなど新しい技術にリテラシーがあるとは思えない。

 税制は国家の柱である。その抜本改革をおじいさんたちに任せるのだけはやめてほしい。お願いだから。

『週刊新潮』2011年2月3日号 日本ルネッサンス 第446回 櫻井よしこ

過日、日本の国防体制の問題点について元外交官で国際的視点から国防問題を研究してきた色摩力夫(しかまりきお)氏の意見を聞いた。興味深かったことのひとつが国際法と国内法の比較と相違だった。

国際法に平時国際法と戦時国際法の2つがあるのは周知のとおりだ。また、一旦批准すれば、全ての国際法は憲法と国内法の間に位置づけられる。憲法はその国の根本的価値観であるために、如何なる場合も国際法や条約より優先されるが、国際法及び条約と国内法が異なる場合、前者が優先され、国内法は改正を求められるということだ。

国内法はいきなりどこかから生まれてきたものではなく、その国の人々の生き方や暮し方を基本にして作られたもので、いわばその国の価値観である。国際法や条約は、そのような社会の基本を変えてしまうこともある。注意深い吟味が必要なゆえんである。

国際法の解釈は、「疑わしきは主権(国家)に有利に」が大原則で、特に戦時法規については論理的に狭く狭く解釈することが求められるのがもうひとつの特徴だという。

例として、毒ガスの使用を禁止した議定書がある。これは1925年に成立し、28年に発効した。しかし、人類はそれより21年前の1907年、すでにハーグ陸戦法規第23条禁止事項でこう定めた--「毒、または毒を施したる兵器を使用すること」。

色摩氏が説明した。

「たしかに毒を施した兵器の使用を禁止しているのですが、かといって第23条が毒ガスそのものを禁止することにならないのが国際法です。その証拠に、国際社会はみな、毒ガスの使用は禁止されないと解釈し、その解釈に異議を唱えた国は一国もありませんでした。毒ガスの使用を禁止するためには別の国際法が必要だったのです。それが1925年の法律です」


性善説は世界に通用しない!

つまり国際法では、具体的に書かれているとおりのことを、それも出来るだけ狭く解釈しなければならないということだ。鳩山由紀夫氏や仙谷由人氏に代表される「世界は善意で成り立っており、日本さえ善意で対応すれば、戦争や悲劇は回避出来る」という類の性善説は世界に通用しない。むしろ国際社会は、隙あらば自国の勢力を拡大したい、他国の安寧や権益を侵してでも、自国の欲望を満たしたいと考える国々で満ちている。だからこそ、国際法も条約も安易な類推解釈は危険であり、許されない。

ここで疑問が生ずるはずだ。人類は1925年に毒ガス使用禁止の議定書に合意したにも拘わらず、なぜ未だに幾つかの国は公然と毒ガスを保有し、生産しているのかと。再び色摩氏が語る。

「戦時法規には復仇(reprisal)という法理があります。これによって、敵方が戦時法規に違反した場合、敵が行ったのと同じこと、或いはそれと同等の戦時法規違反行為を公然と行う権利が生じるのです。毒ガスが使用禁止になってもう80年以上経つのに、諸国が毒ガス生産をいまも続けているのは、万が一の場合、リプライザルに用いるからです」

毒ガス使用禁止をめぐる国際法と諸国の対応は、核兵器にも当てはまる。人類が核兵器の使用を禁止しても、リプライザルという法理がある限り、完全な禁止にはつながらない。オバマ大統領が核のない世界の実現に向けて決意表明し、日本はそれを大歓迎したが、国際法が冷徹に示しているのは、核のない世界の実現は絶望的なほど難しいということだ。このように、美しい言葉で核を消し去ることは出来ないのが現実だ。但し、軍縮は出来る。それでも、事実から目を逸らさなければ、軍事的脅威の実態が何ら変わらないことも見えてくる。戦時法規と軍縮の相違を認識すれば、そのことは明確だと色摩氏が語る。

「戦時法規は戦争が始まってから適用される法です。他方、軍縮は平時における政治的取引です。これは戦争が始まれば自動的に消滅します。国防の責任者たる政治家や官僚はこのことをきちんとわきまえておかなければなりません。たとえば、核兵器の使用を禁止しても、戦いになれば毒ガスの場合と同様にリプライザルの法理が作用する。加えて軍縮に関する政治的合意も或いは法規制も、消滅します」

折しも1月5日、中国人民解放軍戦略核ミサイル部隊「第2砲兵部隊」が内部文書で、場合によっては「核先制使用も検討する」との軍事理論を部隊に周知していることが報じられた。内部文書は「核先制使用」の検討を「敵国が原子力発電所や首都を含む重要都市を攻撃すると威嚇したり、戦局が極めて不利となり国家存続の危機に直面した場合」と規定している(「産経新聞」1月6日)。


やはり自国の軍事力!

中国外務省はすぐさま、「中国はいかなる状況下でも核兵器を先制使用しないと厳粛に約束し、順守している」と従来の立場を繰り返した。中国は核実験に初成功した1964年以降、「先制不使用」を表明してきたものの、中国の軍事政策は予算も装備もその意図もすべて不透明だ。6年前には中国国防大学の朱成虎少将が「米政府が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、核攻撃も辞さない」と発言した。

中国当局が強く否定しても、国際法によって厳密に核の使用を規定しても、中国がこれまでに核を拡散させてきた事実を見れば、危険に満ちたこの世界で、中国と隣接する日本にとって自国を守ることがどれほど困難な課題か、容易に想像出来る。

中国パキスタンに核を与え、それによってインドパキスタン問題に縛りつけてきた。インドの国力をパキスタンの核への対応で消耗させ、中国の脅威から目を逸らさせ、さらに海洋進出の力を殺ぐためだと、インドでは分析されている。

中国が仕掛けたこの罠は、英国国防省の研究チーム『開発・概念・ドクトリンセンター』が、「パキスタンと中国の脅威に対する負担ゆえに、インドは世界の大国とはなり得ず、地域大国に終わる可能性がある」と予測したほど効果的である。

中国国連の核兵器不拡散条約(NPT)の加盟国であるにも拘わらず、核拡散を進めてきた。国際法や条約の限界を他国には当てはめるが、自身はそれに縛られないというのが中国の核戦略である。

色摩氏はもう一点、人類の戦争の形が9・11テロ以来、国家対国家から、国家対非合法武装組織に変化してきた点に、現代の国際法が直面する困難があると指摘する。従来の戦時法規を適用することが出来ないにも拘わらず、新しい対処法は未完成だ。混沌とした世界情勢の下で最終的に頼れるのは、やはり自国の軍事力なのである。

フジサンケイ ビジネスアイ 2月5日(土)8時15分配信

企業がグローバル人材の育成を強化するなか、ビジネスマンらの語学に対する関心が一段と高まっている。拡大するニーズに対応して生徒獲得を狙う語学学校では、工夫をこらした授業が続々と登場。特にインターネットやカフェなどを生かした低価格英会話スクールが人気の的だ。“価格破壊”の波が英会話学習に押し寄せている。

 都心に1人暮らしするIT系企業に通う30代男性社員は早朝、自宅のパソコンに向かい英会話に励むのが習慣になった。 「朝から夜まで仕事で、普通の英会話教室には通えなかったから助かる。値段も満足です」と話す。

 このサービスは、ウェブサイトやコンテンツの制作などを手がけるライトアップ(東京都渋谷区)が1月から運営を開始した英会話サイト「ワールドトーク」。講師がほとんど日本人という点が特徴で、外国人相手では質問などがしにくい初学者に好評だ。話題なのが、受講料が1回当たり25分で142円からという価格設定だ。

 講師陣は、夫の海外転勤に帯同した主婦や海外経験のある高齢者などさまざまで、同社専属講師ではないために時給は抑えられている。さらに、世界中どこにいてもパソコン間で無料通話できるソフト「スカイプ」を活用することで、海外在住者らとの通信コストを抑えた。

 それでも、なぜここまで安くできるのか。白石崇社長は「単独の事業では当然赤字。ただ、他にも多くのフランチャイズ事業やオンラインサービスを展開しており、総体で収益を挙げる考えで、今回はあくまで目玉事業の位置づけ」と説明する。

 筑波大学発のベンチャー企業「アイデアインターフェイス」(兵庫県明石市)も受講者目線で語学サービスの低価格化を追求した会社のひとつ。同大学を昨年卒業したばかりの20代の丸山要平氏が友人と共同で、昨年7月にオンライン英会話サービス「ラングリッチ」を始めたばかりだが、半年で登録数が約1600人と好調な滑り出しだ。

 月4980円(初回は2980円)を支払えば、1対1のレッスンを毎日受けられる。やはり1回当たりの受講料が100円前後だ。

 安さの秘密は、英語を公用語として使うフィリピンで講師を雇い、人件費を抑えた点だ。スカイプフィリピンと日本を結び、フィリピン在住の講師が現地からレッスンを行う。受講者はパソコンと音響機器さえ用意すれば、場所を選ばず気軽にレッスンを受けられる。

 ネットではなく、講師の自宅やカフェなどで直接、日本人講師と対面して初心者向け英会話レッスンを受けられる英会話ビギン(東京都港区)も会員数を増やしている。

 同社の場合、1回60分の対面レッスンで2500円と、一般の英会話学校のマンツーマンレッスン相場の3分の1程度に抑えている点が魅力だ。

 「賃料が高い都心の教室などの固定費を極力かけないといった徹底したコスト削減でこの値段を実現した」(加藤いづみ社長)という。

 「これまでは女性受講者が多く、男性受講者は3割程度だったが、今年は4~5割に増えるだろう」(加藤社長)。世界市場の攻略を急ぐ企業の動きや社内公用語を英語にするといった流れが影響しているとみる。

 英会話業界における価格破壊をもたらした大きな要因は、インターネットを利用した学習「eラーニング」の存在だ。通信料の低価格化も後押しする。矢野経済研究所によると、23億円(2005年度)だった語学eラーニング市場は年々拡大し、09年度には30億円に達した。

 ただ、過度な価格競争が質の低下を招くことを危惧する声も少なくない。富士通総研経済研究所の湯川抗主任研究員は「英会話サービスの運営会社が受講生に取らせる共通の資格制度をより充実させるべきだ。実績を証明できる資格制度があれば品質面の競争が促され、グローバルに活躍する人材が多く輩出できるようになる」と提案する。

 高品質を維持できなければ結局、価格だけでなく事業も「破壊」しかねない。各社はどこまで顧客満足度を上げられるか。手腕が問われそうだ。(那須慎一、臼井慎太郎)

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1954/01/01
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自己紹介:
私は、魚沼産コシヒカリを水口の水が飲める最高の稲作最適環境条件で栽培をしています。経営方針は「魚沼産の生産農家直販(通販)サイト」No1を目指す、CO2を削減した高品質適正価格でのご提供です。
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