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エネファーム
  
SOFC
 
 
2011/02/27(日) サーチナ 
 

 

  低炭素社会へ向けての切り札的存在と言っても過言ではない「家庭用燃料電池」。普及のカギは消費者の負担が少ないコストの早期実現である。
  世界で初めて商品化されたのが2009年、家庭用燃料電池は「エネファーム」の愛称で一般消費者にも随分浸透した感がある。これは、市場に出る1年も前からCMなどを通じ、PRされた結果でもあるが、実際の設置台数は2009年度が約5200台、2010年度は約6000台(見込)と、まだまだ導入期を脱したとは言えないのが現状だ。一刻も早く普及期に到達するべく、現在多くの企業の間で、高効率で低コストの製品の開発競争が盛んに行われている。
 
 そもそも、燃料電池と言っても4つのタイプが存在し、その中で一番普及しているのが固体高分子形燃料電池(PEFC)で、家庭用としては既に使用されており、将来的には「FCV(燃料電池車)」においても利用が想定されている。そのメリットは小型化がしやすく、低コストへの期待度も大きい所だ。
 
 このPEFCタイプの「エネファーム」は既に第2世代に突入している。4月1日から発売される新製品はパナソニック <6752>6752の日足チャート と東京ガス <9531>9531の日足チャート が共同開発したもので、従来よりも価格を70万円下げ、世界最高の定格発電効率をさらに向上させたものだ。
 
 そして、PEFCとは異なるタイプの固体酸化物形燃料電池(SOFC)が10月にJX日鉱日石エネルギーより遂に商品化されるというニュースも報じられた。SOFCは(財)新エネルギー財団(NEF)をはじめとする様々な研究機関で実用化の実証実験が行われてきたもので、今回の商品化は世界初となる。SOFCはエネルギー効率が従来のPEFCタイプよりも10ポイント向上する。また、価格は第2世代のPEFCの価格(276万1500円※予定)よりも安い270万円程度で販売される予定だ。
 
 家庭用燃料電池は2つのタイプが存在することで、市場で競争されることになり、性能アップや小型化はますます進むだろう。しかし、普及に最も重要なファクターとなる価格に関しては補助金(最大で130万円※平成22年度実績)を利用しても140万円程の商品金額、そして工事費やメンテナンス費用などの個人負担があり、一般消費者の導入にはまだまだハードルが高い。耐用年数10年と言われる燃料電池のコストを償却できない現実は、普及のブレーキになっていることは間違いない。
 
 そんな現状の中、住宅メーカーでは大手の積水ハウス <1928>1928の日足チャート家庭用燃料電池を搭載した住宅を積極的に販売している。平成22年度においては2月から12月までに、2732棟の販売実績を上げており、これは実に全国における設置予定台数の4割以上を占める数字だ。このデータを見る限り、住宅業界では積水ハウスが同システム普及に相当な力を注いでいるのが分かる。
 
 家庭用燃料電池の普及には、まず商品の低価格をさらに進める事が大前提となるが、住宅の新築・建替えは導入のタイミング的には一番適しており、いち早く普及のために先陣を切った住宅メーカーの担う役割は大きい。給湯器としては高額な商品であるだけに、消費者へのメリットを分かりやすく伝える広報活動は、普及への側面支援としては最重要なものとなる。そして年々減少する補助金が足かせにならないよう、政府がバックアップすることも欠かせない条件だ。
 
 普及に向けて、官民一体でのプロジェクト意識を持たないことには、技術力をアピールするだけに終わってしまうだろう。(編集担当:加藤隆文)
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実は政治のリーダーには変化のために使える時間的余裕がほとんどない。それは予算やその関連法案が通るか通らないかという近視眼的な意味ではない。

スリム化を終えた日本企業、銀行は国債が買えなくなる

 日本企業はデフレに苦しんだ20年間で財務体質の改善を進め、それがほぼ最終章を迎えようとしている。金融機関からの借入金を減らしてきた企業は、それもそろそろ限界に近くなっているのだ。

 つまり、実質的に借入金のない無借金経営に近い企業が増えている。これが何を意味するのだろうか。

 借入金の返済で貸し出し先を失った資金の大半は、日本国債の購入に回っている。これがなくなるということは、国債を日本の金融機関はもう買い増せなくということである。

 つまり、国債の国内消化ができなくなるということを意味する。国債を発行する側だけでなく引き受ける側でも衝撃的な臨界点が近づいているということだ。

 武者さんの言うチャンスがあるなら、リーダー次第でそれは大ピンチになるということでもある。チャンスの女神は前髪しかない。延命装置に頼り大胆な行動ができなくなっている政権は、今の日本には害毒以外の何者でもない。

民主化運動がリビアに飛び火、石油価格に火がついた

 さて、世界は今年に入って大きく変わりつつある。遠く中東やアフリカで起きている反政府・民主化デモは世界にとっても日本にとっても重大な意味を持つ。

 チュニジアで始まった民主化を要求するデモはエジプトへ飛び火してムバラク政権を倒し、いまリビアのカダフィ政権の打倒に挑んでいる。

 リビアは石油の埋蔵量で世界第8位。この国からの石油輸出が止まれば、中国インドなどの消費拡大で受給が逼迫している世界市場に大きな影響を与えるのは必至だ。

 実際、リビアからの原油輸出がストップしたとの報道もある。世界経済の観点からもリビアから目が離せない。

 

 しかし、そのリビアよりももっと目を向けておかなければならないところがあると、「バーレーンと沖縄の奇妙な共通点」を書いた伊東乾さんは指摘する。タイトルにあるバーレーンである。

東アジアの沖縄、中東のバーレーン

 「バーレーンはまた、米国と防衛協定を結ぶペルシャ湾の軍事的要衝でもある。バーレーン島には米国第5艦隊司令部が置かれ、バーレーン島の南4分の1ほどが米軍基地になっている」

 「バーレーンに米軍基地がある、のではない。言わばバーレーン島自体が軍事基地なのだ・・・」

 沖縄が東アジアにおける軍事的要衝として極めて重要であるように、バーレーンは米国にとって中東における橋頭堡である。この地での反政府デモの行方は米国にとって、民主主義・資本主義体制にとって極めて重要な意味があるというのである。

 バーレーンは2001年にそれまでの絶対王政から立憲君主制へと体制を変えている。その国で起きている反政府デモは、反独裁の民主化を求める動きとは意味合いが違う。

 映画の中の世界という連載を続けている竹野敏貴さんも今週はこの話題を追っている「リビアに達した革命の嵐、欧州に押し寄せる難民」ので、その中から引用させてもらおう。

シーア派スンニ派の主導権争いに

 「2001年にはそれまでの首長独裁型の絶対王政から立憲君主制へと体制変更も済ましており、西欧諸国としては組みやすい国なのだが、そのバーレーンでも反政府デモの嵐が今吹き荒れている」

 「チュニジアエジプトとは少々スタンスが違い、迫害され続けてきた多数派であるシーア派住民が、王家も属し権力や富が集中しているスンニ派へ不平等の是正を要求する、というものである」

 「ディルムン文明のような中継地、そして酒の飲める息抜きの地というだけでなく、ペルシャ人のイランとアラブ人のサウジという2つの異民族大国の緩衝地帯という政治的民族的意味合いもあるのだ」

 「それはシーア派スンニ派の宗派的緩衝地帯であることにもなり、そのバランスが崩れることは、宗派間対立の続くイラクをはじめとした中近東全体の力関係にも影響してくることになる」

 

伊東さんの記事に戻ると、次のように書いている。

ついに米軍が出動する可能性も

 「歴史的にはバーレーンは、サファビー朝以来のペルシャ、つまりイランがその領有権を主張している。イランシーア派イスラム革命政権が、バーレーンやサウジアラビア東部州でのシーア派暴動の背後に存在する」

 「バーレーンのハマド国王は2月23日サウジアラビアを公式訪問して対策を協議、国内に到達するイラン国営放送の電波と、イラン系のインターネットサイトを遮断する決定を下した」

 「イランの意向の背後にはロシアと中国の思惑があり、それらは決して日本の社会経済とは無縁でない。万が一ペルシャ湾を挟んで緊張が高まれば、駐留している米軍が動かねばならない可能性も出てくるだろう」

 「報道ではリビア情勢がかまびすしいが、日本にとって実際に深刻な影響が懸念されるのは、むしろ湾岸のど真ん中、バーレーン情勢の行方なのである」

 バーレーンは楽園伝説のモデルとも言われている。完全無欠な生活を送っていたアダムとイブだったが、禁断の木の実を食べたことで、ここを追放される。そして、罰としての労働を与えられる。

中東・アフリカの民主化運動は中国へ飛び火するか

 西欧の労働に対する考え方の原点もここで生まれたと言える。そこで、背後にイラン、そして中国とつながる地球のへそのようなところでの政変は、歴史の流れを大きく変える可能性がある。

 そして、中東、アフリカでの民主化を求めるデモのうねりは、東アジアの巨大な独裁国家、中国への波及も避けられない。中国政府はその流れを必死で食い止めるべく、インターネットの検閲を強化したり、デモの核となりそうな学生や活動家を検挙したりしている。

 果たして中国でも一気に民主化運動が活発化するのだろうか。これに関しては、英フィナンシャル・タイムズ紙と中国の専門家である宮家邦彦さんのどちらもが否定的な見解を示している。

 「ジャスミン革命なんか怖くない、でも・・・」の記事で、宮家さんは次のように書いている。

 

「中東のジャスミン革命が直ちに中国に波及する可能性は低いという筆者の見立ては今も変わらない。中国の現状に鑑みれば、誰が責任者かも分からないネット上の呼びかけだけで数十万の民衆が動き出す可能性は低いだろう」

ネット監視だけではない、中国公安の恐るべき底力

 「実際に、2月2日、中国の各大学には大学生・教員の外出を禁止する通達が出されていたらしい。これも立派な「社会管理」の強化である。メディアではインターネットの規制ばかり注目されるが、中国公安の能力を過小評価すべきではない」

 「中国の警察・公安組織は十分な情報と強制手段を持っている。2月20日の動きを見る限り、ネット上で呼びかけられたデモは、2月27日以降も、当面は不発に終わり続ける可能性が高いのではないか」

 一方、FT紙のデビッド・リング氏は「中国の指導者たちが神経過敏になる理由」の記事で、やはり中国政府による取締力の高さを挙げて、中東の民主化デモは簡単には飛び火しないと述べている。

 「筆者は先日のコラムで、エジプトでの出来事(今ではリビアでも同様なことが起きている)に共鳴した動きは、中国ではあまり生じていないと指摘した」

 「中国各地で抗議行動を起こそうというインターネットを介した呼びかけに強い反応が見られなかったことから、この指摘は部分的に裏付けられた」

中東のデモより怖いインフレと成長率の低下

 「筆者の同僚によれば、北京市内のマクドナルド前での集会(ミッキーマウス革命なるものの起点の1つになるはずだった)は、デモというよりは外国人特派員協会の会合のようだったという。抗議の声を上げる参加者よりも、その様子を取材しようと集まったジャーナリストの方がはるかに多かったからだ」

 しかし、と宮家さんもリング氏も言う。

 中国を襲っているインフレの波が低所得者の生活を直撃、その不満のマグマは確実にたまっている。そこでもし、経済が減速するようなことがあれば、民主化を求める行動に駆り立てる可能性は高いというのだ。

 リング氏は次のように書く。

 

 

「10%の経済成長は数多くの罪悪を覆い隠してくれる。だが、このペースでさえ、成長に付随する社会悪は隠し切れない。国家財政にとって欠かせない土地の没収、汚職、大きな貧富の格差といったものだ」

 「経済がフルスピードで成長している今でさえ、それが本当なのだとすれば、景気が減速した時に何が起き得るか想像してみるといい」

 石油価格の高騰は世界の景気を冷やし、インフレを加速させる。中東とは違った形で、中国でも民主化運動に火がつく可能性は否定できない。

鼻息の荒かった韓国経済にも陰り?

 今週はこの記事も大変な人気だったので最後に紹介したい「日本の巻き返しを怖れ、韓国がとんだ勇み足」。

 アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電所を強引に受注するなど、官民が一体となった韓国経済は鼻息があらかったが、ここに来て変調を見せている。日本の巻き返しに合っているのだ。

 そんな中、焦った韓国政府がインドネシアの外交官に対してスパイ事件を起こしたというもの。それが見事に成功したかと言うとあにはからんや。

 インドネシアの外交官が泊まるロッテホテルに侵入したものの、帰ってきたインドネシアの外交官に見つかってしまうという、何とも間抜けなお話だ。

 死せる孔明生ける仲達を走らすという比喩は当たらないかもしれないが、日本の底力を韓国が畏れている証拠でもある。

 

チャンスの女神の前髪はつかめるか、それとも・・・

2011.02.26(Sat) JBプレス 川嶋 諭

 

 

 政権の崩壊どころか日本では政治そのものが崩壊しそうな勢いだ。これでは20年も続いているデフレ経済からの脱出など夢のまた夢、静かに衰退し世界から忘れ去られる日本とともにこれからもずっと耐えて生きなければならないのかと目の前が暗くなる。

2011年、日本は新たな発展の道を歩み始める!

ところが、暗いトンネルはまもなく終わり明るい時代が始まるのだと予告してくれる記事がある。

 人気アナリスト武者陵司さんの「地政学が日本経済に味方、失われた20年がいよいよ終わる」だ。

 右の週間ランキングでも第2位になっているように読者の関心も極めて高かった。

 「人々の運命は地政学によって翻弄されるものであり、経済の盛衰も所詮その結果に過ぎないということは、長い歴史では当然のことである」

 日本が失われた20年という苦しみを味わってきたのは、政治・経済的な理由というよりも地政学の問題の方が大きかったというのである。

 そして、日本を取り巻く地政学的な環境が大きく変わり、日本は新たな発展段階に突入すると武者さんは言う。

 「日本を封じ込めてきた過度の円高など、逆風は止み、順風が吹き始めるだろう」

 「2011年、米国と世界景気の回復が確かとなり、米国株高と同時に円高がピークアウトし、大きな円安のトレンドが始まる」

 「これに地政学環境の順風が加われば、企業収益の回復、賃金上昇、株価・地価の上昇、円高・デフレ傾向の反転が連鎖的に起こり、われわれが目にしている経済風景は一変するだろう」

 「日本が再び繁栄する姿を見られるはずである」

 

なんと、今年から新しい日本の発展ステージに入るというのだ。それでは、今まで日本を苦しめてきたものは何だったのか。武者さんは東西冷戦の終結だと言う。

冷戦が終わり日米安保が日本封じ込めの道具になった

 米国とソ連という冷戦構造が1990年に終わり、日米安全保障条約によってそれまで日本が果たしてきた太平洋西岸の防護壁がその役目を終えた。そして日米安保は日本にとって全く逆の働きを始める。

 急激な経済成長を遂げ、米国の産業を脅かす存在となった日本を監視、二度と軍事大国とならないように押さえつける働きをし始めたと言うのである。

 「日米安全保障条約の戦略的意義が日本を守る同盟から日本を封じ込める同盟へと大きく変質したと考えられる」

 「民生用電子機械、半導体、コンピューター、自動車などの基幹産業において、米国企業は日本企業に負け続けた。そこで日本の経済躍進を食い止め米国の経済優位を維持することが、米国の世界戦略にとって最重要課題となったのである」

 その戦略は見事に成功、奢り切った日本は20年間に及ぶデフレの苦しみを味わい、自動車を除き、最先端の半導体やコンピューターで米国に追いつくことはなくなった。

中国という巨大な脅威の登場で日本の位置づけが変わった

 もはや日本が脅威でなくなったその時、米国にとっては日本以上に厄介な相手が現われた。中国である。

 日本が素直にプラザ合意に応じて懲罰的な通貨高を呑まされたのとは対照的に、中国は米国の経済政策を声高に非難して元の急な切り上げを拒否する。

 一方で、軍事力の強化を急ぎ、原子力潜水艦や空母の建設まで始め、最近ではステルス戦闘機の試験飛行までしてみせた。

 米国にとって新しい脅威が誕生、その力が日増しに強まっていることで、日本というアジア最大の民主主義国家と同盟の再構築に乗り出した。

 

これはつまり、日本にとっては冷戦期に匹敵するチャンスというわけである。さらに、長く暗いトンネルを走っていた20年間、日本企業はただ耐えていただけではない。

失われた20年間でメタボな日本企業はスリムになった

 企業の体質改善に必死で取り組んできた。

 「アメリカからの要求と円高に対応していく過程で、賃金だけでなく流通コストや公共料金などが大きく低下し、日本は世界一の高物価国から、世界有数の低コスト国に生まれ変わり、日本企業は著しくスリムになった」

 「また海外に生産をシフトしたことで、日本は輸出基地から世界経営の本社へと機能を変えており、いまや日本企業が海外で膨大な雇用を生む状況になった。加えて日本企業はハイテク素材や部品、装置などで技術優位を獲得した」

 実際、日本を代表する企業の業績は大きく改善、最高益を謳歌する企業が続出している。歴史的な円高水準にある中で、こうした収益力をつけていることは、日本企業の生命力の高さを証明している。

 そのうえで、世界第2位の経済大国になり軍事的にも米国の脅威となり始めた中国が盾になってくれれば、武者さんの言う新たな発展段階へ日本が向かうだろう。大変うれしいことである。

地政学のプラスと人口動態のマイナスが綱引き

 しかし、この地政学的な変化をチャンスとして日本国民全体がその果実を本当に手にするには、企業も国もかなりの努力が必要ではないだろうか。今のまますんなりとその果実を手にできるとは考えにくい。

 地政学的な変化がプラスだとすれば、少子高齢化が急速に進み団塊世代がまさに現役を去っている真っ最中の現在は、人口動態の変化による経済的影響がマイナスのピークを迎えているからだ。

 年代別の人口が最も多い団塊世代が生産年齢人口から外れていくことは、その世代の消費が落ち込み、内需が大きく減ることを意味している。

 海外依存度の高い企業には影響が少ないにしても、内需依存度の高いサービス産業などにとっては影響は深刻だ。過当競争によって企業体力は確実に落ちる。

 

輸出型の企業にしても、これまで国内需要に支えられながら製品開発を行い、そこで切磋琢磨した製品を海外に販売して高い評価を受けてきたことを考えれば、内需低迷の影響は少なからず受ける。

企業は内部留保を高めるべきではない

 地政学上、日本はまたとないチャンスを手にしているのであれば、少子高齢化が進みかつ団塊世代が現役から去り内需が落ち込むというマイナス要素をいかに緩和してやるかが国家戦略上も、また企業戦略上も必要になるのではないか。

 その際、子ども手当ては子育て世代の消費を促すとして一見効果的な政策のように思えるが、現実には効果はゼロに近い。現役世代の税金から同じ現役の子育て世代へ分配しているだけだからである。

 大半を現役世代が払う税金を投入するのであれば、新しい産業を生み出し雇用と消費の両方に効果的な政策でなければ意味がない。

 一方、企業サイドでは、団塊世代の退職で浮いた賃金分を企業の内部留保とするのではなく、若年層への分配に使い消費を拡大させるなどの施策が必要だろう。賃金体系を狂わせるというのであれば、家族手当や子供手当てなどを復活させる手もある。

 地政学と人口動態の変化は、景気循環とは違った次元のファクターであり、今の日本にとってはその部分の影響が極めて大きい。

潮目の変化を読んで機敏に大胆に動け

 政府としては大義名分を作るのは子ども手当てに比べればはるかに難しいかもしれないが、企業の交際費の経費計上を認めても面白いかもしれない。

 恐らく、この部分の税収が減った分を補って余りある税収増につながるのではないか。消費拡大という意味では法人税減税よりも格段に効果があるだろう。

 潮目の変化を読んで機敏にそして大胆に動く。これこそがリーダーの条件である。平時は誰がリーダーを務めても変わらない。今はまさにリーダーの資質が問われているのだ。

 コストを切り詰めて新興国に対抗する時代から、地政学の変化をうまくきっかけに利用して高付加価値の製品やサービスで企業や国を発展させる仕組みに切り替える。

 

実は政治のリーダーには変化のために使える時間的余裕がほとんどない。それは予算やその関連法案が通るか通らないかという近視眼的な意味ではない。

スリム化を終えた日本企業、銀行は国債が買えなくなる

 日本企業はデフレに苦しんだ20年間で財務体質の改善を進め、それがほぼ最終章を迎えようとしている。金融機関からの借入金を減らしてきた企業は、それもそろそろ限界に近くなっているのだ。

 つまり、実質的に借入金のない無借金経営に近い企業が増えている。これが何を意味するのだろうか。

 借入金の返済で貸し出し先を失った資金の大半は、日本国債の購入に回っている。これがなくなるということは、国債を日本の金融機関はもう買い増せなくということである。

 つまり、国債の国内消化ができなくなるということを意味する。国債を発行する側だけでなく引き受ける側でも衝撃的な臨界点が近づいているということだ。

 武者さんの言うチャンスがあるなら、リーダー次第でそれは大ピンチになるということでもある。チャンスの女神は前髪しかない。延命装置に頼り大胆な行動ができなくなっている政権は、今の日本には害毒以外の何者でもない。

民主化運動がリビアに飛び火、石油価格に火がついた

 さて、世界は今年に入って大きく変わりつつある。遠く中東やアフリカで起きている反政府・民主化デモは世界にとっても日本にとっても重大な意味を持つ。

 チュニジアで始まった民主化を要求するデモはエジプトへ飛び火してムバラク政権を倒し、いまリビアのカダフィ政権の打倒に挑んでいる。

 リビアは石油の埋蔵量で世界第8位。この国からの石油輸出が止まれば、中国インドなどの消費拡大で受給が逼迫している世界市場に大きな影響を与えるのは必至だ。

 実際、リビアからの原油輸出がストップしたとの報道もある。世界経済の観点からもリビアから目が離せない。

 

 


 箱根蛸川温泉・龍宮殿(1)/2010.12.31

 

龍宮殿

http://www.princehotels.co.jp/ryuguden/

 

http://blog.princehotels.co.jp/press/docs/110210_ryuguden.pdf

 

株式会社プリンスホテル(本社:東京都豊島区東池袋 代表取締役社長:小林 正則)が運営する、芦ノ湖畔蛸川温泉龍宮殿(所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根139 総支配人:田辺 正幸)は、別館の開業20周年を記念して、新潟県五泉市産の食材を使用した食の恵みフェアを開催します。
 

西武グループは2010年9月に新潟県と相互の知識、経験、情報を活用しながら地域発展のために「官民連携の取り組みに関する協定」を締結しており、今回のフェア開催の一環として五泉市の食材を用いた献立の提供や特産品の販売会、五泉産チューリップの配布などのイベントを催し、その取り組みを相互のホームページでの告知を始め、東京・表参道のネスパス新潟館などでの告知展開をして、首都圏のお客さまの誘致を行ってまいります。


<新潟県五泉市の魅力あふれる食材>


五泉市は新潟県のほぼ中央、県都新潟市の南東に位置し、一級河川の阿賀野川と早出川が流れているため、良質で豊富な水資源に恵まれ近代ではニット産業で有名です。また、牡丹の
栽培が有名ですが、そのほかにも150万本が咲き乱れるチューリップ畑も観光客が多く訪れ、市のシンボルマークにも採用されています。


肥沃な大地に恵まれた五泉市は、「五泉米」(コシヒカリ)、「帛乙女」(里芋)、「越後姫」(苺)、れんこん、栗、銀杏、キウイフルーツなど、特産物を出荷する食糧生産地でもあります。今回の当ホテルにおける「食のフェア」では、これらの食材をふんだんに使用した献立「花の里 五泉の恵み(松)(竹)」の2種をご用意いたしております。

 

 

◎本件に関する報道各位からのお問合せは


芦ノ湖畔 蛸川温泉 龍宮殿/広報担当:渡辺 TEL:0460-83-1111 FAX:0460-83-7011
株式会社プリンスホテル 箱根・湘南マーケティング/担当:佐藤 TEL:03-5928-1136 FAX:03-5928-1510

 

写真3


 

毎日新聞 2011年2月22日 21時56分 

 

 経済産業省は22日、農業関係者向けファンドの設立などを盛り込んだ農業支援策を発表した。「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)交渉への参加のハードルを下げるため、国内農業の強化を図るのが狙い。

 

 22日に経産省で開いた「農業産業化支援ワーキンググループ」(議長・松下忠洋副経産相)がとりまとめた。農業の経営基盤の強化や消費者と生産者の連携、利益が出る体質作りなど六つの柱を掲げる。

 

 農林漁業者向け投資ファンド活用では、農林水産省と連携。農業法人などに資金提供して、経営基盤の強化を図る仕組みなどを検討する。また、「地域プロデューサー」を育成し、地域の農産物を使った食品の開発や販路開拓を進める。また、意思決定の際、社員全員の同意が必要な合同会社(LLC)も活用する。農家が自分の意思に反し農地を転売される懸念を減らすことで、農地集約を進めようというものだ。

 

 経産省は、政府の「食と農林漁業の再生推進本部」(本部長・菅直人首相)が6月に策定する農業改革の基本方針に支援策を反映させる方針だ。

 

 農水省は09年に改正したばかりの農地法の見直しや農協改革などに難色を示しており、他府省ペースで議論が一気に進むことには反発もある。経産省の支援策について篠原孝副農相は22日、記者団に対し「今日もどこかの役所が何か出すようだ」と述べるなど、不快感をにじませており、6月の方針策定へ向けて摩擦が高まる可能性もある。【増田博樹、行友弥】

 

経産省の農業支援策の主な内容◆

 

・農林漁業者向け投資ファンドを組成

・販路拡大に向けた「地域プロデューサー」育成

・農地集約の進展に向け合同会社の活用推進

・肥料や農業機械のコスト引き下げ

日本貿易振興機構(ジェトロ)などを活用した輸出の促進

 

 

 

「農業産業化支援について-基本的考え方と方向性-」
のとりまとめについて
http://www.meti.go.jp/press/20110222005/20110222005.html

 

本日開催されました農業産業化支援ワーキンググループ(議長:松下経済産業副大臣)において、「農業産業化支援について」をとりまとめましたので、公表いたします。
 

1.背景
昨年11月に設置された「食と農林漁業の再生実現会議」(議長:総理大臣)においては、持続可能な力強い農業の確立等に向けて、「農林水産業の成長産業化のあり方」等について検討が行われているところです。


これを踏まえ、経済産業省では、農業の産業化について検討するため、昨年12月に「農業産業化支援ワーキンググループ(以下WG)」を設置しました。


これまで、4回にわたり経済団体等とともに、本課題について検討を行い、今般、関係者の議論に資するべく、考え方と方向性についてまとめました。


2.「農業産業化支援について-基本的考え方と方向性-」の

概要
 

(1)農業産業化支援の基本的考え方
○農業産業化に向け、事業経営を支援する中小企業政策の活用を促進
○製造業などの技術や経営改善のノウハウを導入
○急拡大するアジア市場等への輸出拡大へ、輸出促進策を抜本的に強化
 

(2)農業産業化支援の方向性
 

①農業への「経営」の導入
○全国約3000の中小企業支援機関(商工会議所等)のネットワーク活用
○中小保険と農林水保険の連携等、公的信用補完制度による切れ目のない金融
支援
農水省や関係機関とともに、事業強化のためのファンド出資を促進
 

②消費者と農業をつなげる
○地域をよく知る「地域プロデューサー」の育成・強化と組織化
○小売業(スーパー・百貨店・商店街等)との継続的マッチングの推進
 

③技術革新や「カイゼン」ノウハウ等を農業へ導入する
○ITを活用し、絶え間なく農業の生産性や収益の向上を図る
 

④生産現場で利益が出る体質を作る
○農地集約に資するよう合同会社(LLC)などの活用推進
○肥料や農業機械などのコスト引き下げ
 

⑤地域を世界につなげる
○国内生産から海外販売までを切れ目なくカバーする輸出促進策を実施する
(マーケティング支援、流通の高度化、輸出関連情報のワンストップ化、海外
リスクの低減、海外事業の障害除去、日本食のブランド化)
 

⑥産業界との連携・協力の強化
 

(3)制度環境の整備について
 

 

(本発表資料のお問い合わせ先)
 

地域経済産業グループ 地域経済産業政策課長 池森啓雄
担当者: 杉本、木村、佐々木
電 話:03-3501-1511(内線 2751~8)
03-3501-1697(直通)

 

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