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「フェイスブック 若き天才の野望」の著者に聞く!
2011年1月21日(金)日経ビジネス 水野博泰(ニューヨーク支局長)
フェイスブックの企業価値は500億ドル──。
年明け早々、米ゴールドマン・サックスが明らかにしたソーシャル・ネットワーク最大手に対する評価額は世界の度肝を抜いた。そんな価値があるのか、ないのかの議論は別にして、世界中に6億人ものユーザーを抱える最先端企業を創り出した創業者マーク・ザッカーバーグ氏に対する注目度が高まっている。日本ではザッカーバーグ氏を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」(ソニー・ピクチャーズ)も封切られた。
ザッカーバーグ氏はメディア取材を受け付けないことで有名だが、その彼に数年間にわたって密着した米国人ジャーナリストがいた。デビッド・カークパトリック氏──。著書「The Facebook Effect」はベストセラーとなり、その日本語版「フェイスブック 若き天才の野望」が今月、日経BP社から発売された。
フェイスブックを創った男の素顔を、カークパトリック氏に聞いた。
── まずストレートに聞きたい。フェイスブック創業者「マーク・ザッカーバーグ」とはいったい何者なんですか。「今」という時代において何を意味するのですか。
カークパトリック それは大きな質問だ。こう答えよう。
マーク・ザッカーバーグとは、最も成功した起業家であり、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)やスティーブ・ジョブズ(アップル創業者)、ラリー・エリソン(オラクル創業者)、孫正義(ソフトバンク創業者)に匹敵するスケールを持った人物だ。
フェイスブックのような巨大企業を作り上げた起業家は、ほんの数えるほどしかいない。ザッカーバーグは今26歳の若さだが、短い時間で目覚ましい成果を上げた。そんなことができたのは、彼が真のビジョナリー(先見の明がある人物)であり、ほかの起業家を超えているからだ。
彼がユニークなのは「こんな事業を興してやろう」と思ってフェイスブックを始めたのではなくて、「世界を変えてやろう」という気持ちから入ったという点だ。ここは多くの起業家たちと決定的に違うところだ。起業センスに長けているだけでなく、優れたマネジャーでもある。
世界に革命を起こすハッカー!
── あなたがザッカーバーグに「天性のCEO(最高経営責任者)だね」と言ったら、彼は不機嫌になった・・・。
そう、お世辞のつもりだったんだが(笑)。あれは2006年9月に初めて会った時だった。
僕は早くから「Why Facebook Matters?(フェイスブックに注目せよ)」という見出しの記事を書いたりしていたから、ザッカーバーグ・・・、マークと呼ぶよ、マークも僕のことを知っていた。そういう経緯で僕のところにフェイスブックの本を書かないかという話が持ちかけられたというわけ。
話を戻すと、マークが「CEOなんかやりたくないんだ」と言うから、「だけど、生まれつきのCEOみたいだよ」と僕が言うと、真剣な顔つきになって「ビジネスはやりたいことをやるための道具に過ぎない。僕は自分がビジネスパーソンだなんて少しも思わない」と。
マークは自分を「ハッカー」だと思っているんだ。フェイスブックはIBMやソニーみたいなエスタブリッシュメントの企業じゃない。どちらかと言えば、ウィキリークスに近い(笑)。ハッカーも世界を変えようとしているよね。たいていは世界をぶっ壊そうとしているわけだけど。マークがやりたいのは、その逆でクリエイティブな人間たちを集めて世界をもっと素晴らしいものに変えようとしている。だから、ハッカー文化が会社から無くならないように気をつけているし、彼自身は確信的ハッカーなんだ。
── ウィキリークスのジュリアン・アサンジと似ている?
まあ、共通点はあるね。ザッカーバーグがアサンジをどう思っているかは知らないけど、どちらも現代を代表するハッカーだよ。ナップスター創業者のショーン・パーカーも、グーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンも皆広い意味でのハッカーだった。ビル・ゲイツだってそうだった。
── コンピューターを使った革命家とも言える?
まさに革命家だな。マークは自分でもそうありたいと思っているはずだ。実際、新しいタイプの人間が世界に出現している。マーチン・ルーサー・キング牧師のように、本気で社会革命を起こそうと思っている連中だ。そのツールはソフトウエアだ。感動的な演説の代わりに、連中は自分たちのアイデアと今とは違う世界へのビジョンをコード(コンピューター・プログラム)に書き込む。そして、そのコードによって自分たちの革命を遂行しようとする。マーク・ザッカーバーグはまさにその代表格だ。
ビジョン、フォーカス、野望、確信、そして強運!
── 古い社会をハッキングしているということ?
そう、社会をハックしているんだ。2000人の社員がそれを手助けしている。そのうち400~500人はエンジニアで、彼らも自分たちをハッカーだと思っている。フェイスブック社内では、そういう文化が大切に守られている。
現代という時代が生んだ寵児でもある。マークがハーバード大学でフェイスブックを始めた時、彼はオープンソース・ソフトウエアを使った。つまり、無料で世界最先端の高度なソフトウエア・データベースが使えたのだ。フェイスブックは最初から技術的にかなり高度なソフトウエア製品としてスタートしたのだ。これが第1点。
時代が後押ししたもう1つの点は、スマートフォンを代表とするモバイル機器が2000年代半ばから急速に進化したことだ。スマートフォンはもう立派なコンピューターだろう? 小型で高速で、カメラやビデオ、録音機能のほか、GPS(全地球測位システム)までついている。フェイスブックとスマートフォンがあれば、どこにいても自分のコミュニティーとつながっていられる。携帯電話を持たないで出かけるなんて考えられない。家に忘れたら必ず取りに帰る。それ無しではいられないんだ。
人々の生活の中に完全に入り込んでいくことが、フェイスブックが目指す方向だ。インターネットを使うためのの道具ではなくて、生活のために欠かせない道具を目指している。
── マーク・ザッカーバーグはメディアの取材をほとんど受けないことで有名ですが、あなたは本人に何回も会い、世界各地に同行もした。生のザッカーバーグについてもっと聞かせてください。
ザッカーバーグはユニークな男で、普通ではない。最初に会った瞬間から圧倒された。大きなビジョンとフォーカス、野望、確信を持っていた。簡単に言うと、彼は自分が成功することを知っていたんだ。それまでに多くの起業家と会い、テクノロジー企業のトップに会ってきたが、まるで違っていた。マークは自分がとてつもないことをやることを当然だと思っていた。
だから、この男を追いかけて、いったい何をしようとしているのかを世界に伝えようと思った。この本を書き始めた2008年1月、フェイスブックのユーザーは約5500万人だった。私は賭けたんだ。フェイスブックがはるかに大きくなって、現代の人間社会における巨大な力になり、時代を変革していくだろうとね。そして、書いていくにつれて、アイデアだったものがどんどん現実になっていった。
新しい技術と新しい種類の人間が世界を変えようとしている。英語の原題を『The Facebook Effect(フェイスブックの影響)』としたのは、そういう考えからだった。
マークはこの時代の産物と言える。我々も同じ時代に生きているわけだが、彼が違うのは新しい機会とチャンスが目の前にあることに気づいたことだ。そして、時間を無駄にしなかった。チャンスというのはいつ消えてしまうか分からない。もしグーグルがソーシャル系サービスでうまくやっていたら、ザッカーバーグにチャンスは回って来なかったかもしれない。一番良い時に、一番良い場所に居合わせた彼は、間違いなく強運の持ち主だ。
フェイスブックの前にもソーシャル・ネットワークはあった。米国ではマイスペースやフレンドスター、日本を含めて各国に同じようなものがあった。そうした新しいコミュニケーション手段を受け入れる準備が整っていたところに、マークはすかさず新しい価値を分かりやすく教えた。
── 2000年代の初頭に弾けたインターネット・バブルのことを覚えている人も多かったと思うが・・・。
マークにとっては大きなマイナスではなかった。ベンチャーキャピタルから何百万ドルも投資してもらうというのは難しかっただろうが、その必要もなかった。2005年春にはかなりの額を調達していたし、シリコンバレーはバブル崩壊から立ち直ろうとしているところで、再び楽観的になりつつあるところだった。シリコンバレーの側もフェイスブックの登場を歓迎したんだ。
映画は40%ぐらいが真実!
── 映画「The Social Network(邦題はソーシャル・ネットワーク)」が描くマーク・ザッカーバーグは本物と近いですか。
映画は40%ぐらいが真実といったところかな。危険な比率だね。40%が真実だとすると、観る人に全部本当のことのように思わせられる。しかし、ほとんどはフィクションだ。フェイスブックの歴史やマーク・ザッカーバーグという人物を知ろうとして映画を観るとすればかなりミスリーディングだね。
あれがフェイスブックの歴史じゃない。映画の中には真実がいくつも描かれているが、マーク・ザッカーバーグという人物については完全に間違っている。彼のモチベーションを描いた部分も間違っている。彼の大志を描いていないし、彼のビッグ・ピクチャーも、彼のすごく楽観的なところも抜け落ちている。彼の前向きなビジョンも描かれていない。
映画では彼をちょっと恐くて、怒りっぽくて、目立ちたがり屋で、妬みっぽい人間として描いているが、本当のマークは違う。彼は他人が持っているものを見て妬んだりしない。必要なら自分で作り出そうとする人間だよ。
女の尻を追っかけたりもしない。女のほうがマークを追っかけるんだ。彼にはずっとガールフレンドがいたしね。マークは面白いやつだし、自信家だし、世界一のハンサムじゃないかもしれないが不細工じゃない。背はちょっと低めで、オタクだが、女を引きつける魅力を持っている。映画ではそう描いていないね。
―― 日本でも映画が封切りになりましたが、あなたの本を読んでから観たほうが良さそうですね。
ぜひ、そうしてもらいたい(笑)。まじめな話、本当のザッカーバーグを知ってから観れば、フィクションのエンタテインメントとして映画を存分に楽しめると思う。
―― 本の話に戻りますが、多くのページが政治、メディア、ビジネス、マーケティング、ジャーナリズムに対してフェイスブックが与える影響について割かれています。メディア嫌いの人たちは「フェイスブックとは大衆が手にした新しい情報伝達の武器だ」と言って賞賛していますね。
だから「The Facebook Effect」というタイトルを付けたんだ。マーケティング、メディア、政府組織、政治などあらゆる分野に影響を及ぼしている。プライバシーとかアイデンティティー、ジャーナリズム、あらゆるビジネスのあらゆる人々にとって、フェイスブックが何を変えようとしているのかを知ることは意味がある。
特にマーケティングにおいては、ソーシャル・ネットワークが大衆へのリーチに革命を起こしていることを理解していないとしたら大きな損失を被ることになる。顧客、パートナー、社員、同僚、経営トップ・・・、相手が誰であろうとコミュニケーションが劇的に変わる。フェイスブックは個人のツールであるだけでなく、ビジネスのツールでもある。
ジャーナリズムを殺さない、ジャーナリズムを変える!
―― フェイスブックはジャーナリズム、メディアをぶっ潰してしまうのでしょうか。
ジャーナリズムを殺すとは思わない。フェイスブックやツイッターは、基本的にはメディアの声を増幅することができるブロードキャスト基盤だと私は考えている。正しく使えば、フェイスブックはメディアのオーディエンスを増やすツールになる。私は記事を書くとフェイスブックとツイッターにアップする。多くの人がコメントしてくれて、友達に転送してくれる。僕が書いたことが的を射ていれば、ものすごい勢いで広がっていく。メディア側は、顧客や読者やオーディエンスが再送・転送したくなるようなメッセージを作り出すという発想の転換が必要なのかもしれない。
―― 我々メディアはフェイスブックを怖れる必要はないと。
怖れるべきはフェイスブックではない。フェイスブックのような新しいツールが既に存在していて、誰でもが使えるようになっているということを認めようとしないことが一番危ない。古いやり方を続けていれば大変なことになるだろうね。このクチコミ・メディアはフィードバックのループを持っていて、時々とんでもない反発や反感も返ってきたりするけど、メディアが発信するメッセージを再パブリッシュしたり、再ブロードキャストしたりして、メディアの風景を全く変えてしまうってことを頭に叩き込まなければならない。それさえ、しっかり押さえておけば、逆に活用する道も開けてくる。
たった1人の人間が世界を変える!
―― ところで、日本の若者は将来に対して明るい希望をも持てず、内向きになって、新しいことに積極的に挑戦しようという気概が薄くなっていると言われています。彼らは、若干26歳で大成功を収めたザッカーバーグから何を学ぶべきでしょうか。
良い質問だ。マーク・ザッカーバーグは世界で最も大志を抱いている人物であり、大成功した起業家だ。どんな国であろうと、ああいった起業家をたくさん生み出せたら元気が出るに違いない。だってマーク・ザッカーバーグのような人間がたった1人登場することによって世界が変わるんだよ!
彼はフェイスブックを立ち上げるために大学を中退した。日本ではなかなか難しいことじゃないかな。伝統的なやり方が大事にされるし、伝統的な規範が今でも極めて重んじられているから。リスクを取るということが難しい。日本で起業して失敗するということは、とんでもなく悲惨なことなんだろ?
米国には、マーク・ザッカーバーグのような奴が浮上してくる環境というか、受け入れる空気がある。起業家を作るというよりも、そういう環境をどうしたら整えることができるかを考えるべきじゃないかな。
解してもらいたくないんだが、はっきり言ってマークは特権階級の出身だ。なんてったってハーバード大学に入学したんだからね。普通の家庭からでは無理だ。そんでもって中退しちまった。こいつはいくら米国でもとんでもないリスクだ。ただ、彼は自分の力を信じていたし、この新ビジネスを立ち上げるためにリスクを取ってチャンスをつかんだ。
たった1人の人間が途方もないスケールのことを成し遂げた。26歳で、6億人のユーザーを集め、数百億ドルの企業価値を創り出した。たった26歳でだよ。会社を作ってから7年も経っていないのに。
そこから何を学ぶか――。2年間にわたってマーク・ザッカーバーグを取材してきたが、僕自身はザッカーバーグのようにはなれないことはよく分かった(笑)。だが、真面目な話、彼は僕に素晴らしい勇気をくれた。僕も起業家の端くれとして頑張ってみようという気にさせてくれたんだ。「テコノミー会議」という新しいカンファレンス・ビジネスをフォーチュン誌時代の仲間と昨年立ち上げたんだ。マークについて取材するうちに、僕も自分の会社を始めるリスクを取ろうという気になったんだ。彼から一番学んだのは僕自身なんだ。
だから、ザッカーバーグについて知るということは「いっちょうリスクを取ってチャレンジしてみようか」という自信を与えてくれるかもしれない。日本だけでなく、すべての国の多くの人々が、今、必要とすることなんじゃないかな。若者だけじゃなくてね。
米国にだって、やる気がなくて、学ぶ気がなくて、無知な若者がいっぱいいる。頭をガツンとやって、「おい、自分の仕事は自分で作れよ!“誰か仕事をくれ”なんて嘆いてないでさ!」と言ってやる必要がある。自分の仕事は自分で作り出せ。仕事がないなら会社を作れ。家でごろごろ携帯やパソコンをいじりながら待ってたって、誰も雇ってくれるはずがない。
最も重要なことは「人間を知ること」
―― チャレンジを成功させるために持っているべき素養は何だろうか。
この時代、コンピュータ・プログラミングは知っていたいな。何百万人という人々がもうスキルを身につけている。米国はこの分野ではかなりいい線をいっている。中国も、ロシアも、インドも。もし、マークがコンピュータ・プログラミングについて知らなかったら、何も起きていなかった。
ハーバードでコンピューター科学と心理学を学んだことは非常に重要だったと思う。ただ、それがすべてではない。彼の母は精神病医だが今は夫の歯科医院を手伝っている。親の職業もザッカーバーグに少なからぬ影響を与えたと思う。そして、人文学とリベラルアーツを学び、クラシック音楽にも造詣が深い。ギリシア語とラテン語を話し、今は中国語を学んでいる。
プログラマーでありながら人間味にあふれる人間だ。だから人と人との付き合いというものを理解している。ビル・ゲイツみたいに人付き合いがぎこちなくて何でもかんでも自分でやらなければ気が済まないアスペルガー症候群(内閉性)的な人間じゃない。
ザッカーバーグは非常に繊細な神経の持ち主なんだ。だから人類史上、最も急速に受け入れられたコミュニケーション・ツールを作ることができた。人間関係における微妙で敏感な間合いを理解していなければそれは不可能だった。フェイスブックは文章を書いてネットにアップするためのソフトウエアではない。生身の人間と交流するためのソフトウエアだ。
「企業100年の計」は孫正義譲り?
―― ゴールドマン・サックスによれば、フェイスブックの企業価値は約500億ドル(約4兆2000億円)という途方もない額だという。
500億ドルというのはフェイスブックに対するかなり強気の評価であることは間違いない。フェイスブックはまだIPO(新規株式公開)するとは言っていない。それはギャンブルだが、狂ったギャンブルではない。
フェイスブックは2011年にSEC(米証券取引委員会)が定める未公開企業としての株主数の制限を超える見込みだ。その制限を超えると、未公開企業であっても財務情報を公開しなければならない。だから、株式を公開しなければならなくなると言う連中がいるが、それは正しくない。公開企業と同じように財務情報を公開すればいいだけの話なんだ。
マークが来年あたりに株式公開に動くとは思わない。彼はできる限り未公開企業のままでいたいと考えていると思う。これは私の予測だが、2012年から彼らはすべての財務情報を公開する。しかし、株式上場はしない。それから先はどのぐらいの資金を必要とするかによる。多くの要素に影響されるが、ザッカーバーグはウォール街の短期思考の連中に圧力をかけられたくないと思っている。
マークは、ソフトバンクの孫正義のように100年単位でものを考えるタイプだ。100年はちょっと長いかもしれなが、少なくとも20年ぐらい先は見ている。5年後、10年後、20年後のフェイスブックはどうなっているか、彼はそういうふうにフェイスブックを経営したいと思っている。ウォール街がからんでくると、それはとても難しくなる。
ブームとバブルを超える戦術に注目!
―― グルーポン、リンクドイン、ツイッター、そしてフェイスブックと、IT企業の株式公開ラッシュが始まるのではないかという見方がある。それは、新しいバブルではないかという声もあるが?
グルーポンなんかを見ると、あまりにも企業価値評価が高すぎて確かにバブルっぽいな。「インターネット・ブーム」「ウェブ2.0ブーム」の次として「ソーシャルネットワーク・ブーム」を期待している連中は多い。ただ、まだバブルの様相ではないし、フェイスブックに投資したら何年後かに紙くずになってしまうというようなことはないだろう。だが、バブルというのはブームに便乗する連中によって作られるものだから・・・。
―― IT企業の浮沈は激しい。フェイスブックは10年後も生き延びているだろうか。
昨年の夏、マークに同じ質問をしたよ。そうしたら、なんてバカな質問をする奴だって目で見られた(笑)。僕は「20~30年後にもフェイスブックは存在しているだろうか」と聞いた。彼は「当然だ」と言ったね。インターネット・ビジネスの変化と技術革新のスピードは恐ろしく速い。新参の競合企業は次から次へと登場してくる。10年後のフェイスブックがどうなっているかよりも、大局を見ることが重要だ。
あのグーグルでさえ、最近はナンバーワンの座から落ちかけている。インターネットの世界で10年同じ状況が続くなどということはあり得ないのだ。フェイスブックもこの先多くの課題に直面するだろうが、1つだけ言えるのは、マーク・ザッカーバーグという男は柔軟な戦術家だということだ。戦術を変えなければならない時、彼の動きは速い。マークがどんな戦術を繰り出してくるのか、わくわくしながらウオッチしていくよ。
「京都」「アキバ」頼みを脱する!
2011年1月19日(水)日経ビジネス 安西洋之、中林鉄太郎
「クールジャパン」という政府の事業がある。
2010年1月に産業構造ビジョンとして作られた。今まで日本の経済をリードしてきたのは自動車産業やエレクトロニクス産業だった。しかし、これからは、ほかの産業も強くならないといけない。インフラ産業では原子力発電所や新幹線などの輸出が期待されているが、もう1つの核が文化産業の育成と強化だ。
そこに、クールジャパンの狙いがある。文化産業を支援するため、昨年6月、経済産業省にクールジャパン室が設けられた。2011年度からの施策実行を目指し、昨年11月より有識者会議がスタートした。年内にはクリエイティブ産業の振興を目的とした組織再編を行う予定だ(詳細は未定)。
そこで、事業の推進役である渡辺哲也クールジャパン室長に、戦略の背景を語ってもらおう。
「私の前職はアジア太平洋州課です。そして、アジアやオセアニアなどの国々を見てきて、日本の存在感が恐ろしいほどの勢いで失われていると実感しました。『クールジャパン?何、それ。日本に魅力なんてあるの?』という感じなんです。ケータイでも食でも韓国の人気は凄いし…。特に、若い世代がそうなんですね。経済力が低下し、ハブを失うというのは、日本がスルーされるってこと。ただでさえ、東の端にある国なのに、ますます他のアジアの国と距離が広がるわけです」
クールジャパンは内向きと外向きの2つの目的がある。1つは国内に眠っている「売れるネタ」を再発見して、自信を取り戻すこと。2つ目は、それらを海外市場で売れるようにすること。「でも、だからといって独りよがりの発信になってはいけません。相手の欲しがるものを用意しないと。ですからローカリゼーションは施策の肝になります」と渡辺氏は見ている。
今回、クールジャパン事業を紹介するのは、ローカリゼーションマップと日本の経済政策が「結果的」にどう関係するか、それを示すためだ。クールジャパンという表現や政策については批判も多々あるが、この意図を深く理解して、ローカリゼーションマップとの距離を正確に知ること大きな意味があると思っている。そのことによって、日本が世界で戦うための戦略が、より明確に見えてくるからだ。
「モノを売る」から「コトを売る」時代へ!
今、モノが、それ1つの価値だけでは売れにくくなっている。色々なモノが繋がってコトにならないと駄目だ。例えば、パソコンとスマートフォンとデジカメが繋がって、やっと一人前のデジタルライフが実現する。こうした現象は、デジタルネットワークの分野に限らない。
創作料理と伝統工芸の皿が出会い、それらが昭和モダンのテーブルの上に置かれた時にユーザーがどう感じるか、そこが売り手の関心テーマになる。即ち、いろいろな分野の商品に目が利き、文化や文脈を作れないと売れない時代になっている。だから、従来の分断された業界でモノを見ていると、ニーズが見えてこない。そこで「文化産業」という聞きなれない言葉がでてくる。そんな新しい消費について、渡辺氏はこう解説する。
「これからの消費のあり方は、同じ機能のモノであっても、時代の気分や物語りを感じることが重要であり、それが消費活動に繋がっていくと思うんです。買う場所へのこだわりもそうですね。これまで『ライフスタイル産業』と言われていたものに近いかもしれませんが、なかなかピッタリくる言葉がないんです…。文化産業やクリエイティブ産業という言葉も、広く認められているものではないですしね」
歯切れが悪い。それが、この事業の複雑さと難しさを物語っている。対象となる分野も、当然ながら幅広い。
「アニメなどのコンテンツや食、ファッション、デザインだけではなく、雑貨や家具といったモノ作りも入ります。特に力をいれようと思っているのは、本当は海外で売れるはずなのに、売る仕組みが作れなかったがために内需型になっているネタを、どうやって開拓していくか。予算要求にあたってパブリックオピニオンを募集したんですが、地方の方からのご意見が予想以上に多くて驚きました。地元の伝統工芸が国内はもちろん、海外でも売れるようになれば、地域活性化に繋がるという期待が大きいんです」
文化産業は、分野を特定することが難しい。インバウンド政策(外国人観光客誘致)も含まれる。ライフスタイルという意味では、ソーシャルメディアの主役であるスマートフォンも重要な分野だし、スマートフォン化するEV(電気自動車)も同様に大切だ。産業の線引きは、微妙で難しい。言ってみれば、賞味期限の切れ始めている従来の枠組みを捨てて、産業の新しい枠組みを作って日本経済の強さを再構築する――。それがクールジャパンの趣旨だ。
日本のあらゆる場所に散らばっているコンテンツを、どう売れるように編集するか。これがテーマになっている。
なぜ日本はコンテクストを作れなかったのか?
これは古くて新しいテーマとも言える。なぜなら、これまでも「地場産業をどう再生するか」という議論が続いてきたし、実際に補助金が付けられて海外の展示会に出展されてきたモノも多い。しかし、それが本格的なビジネスに発展したという話はあまり聞いたことがない。ごく限られた領域で認知が高まったに過ぎないのだろう。原因をあげれば色々と出てくるが、個人的には「独りよがり」が大きな理由ではないかと想像している。
こんな例が挙げられる。ある地方では、良い米がとれるし、優れた日本酒醸造メーカーもある。それだけではない。レベルの高い和食器を作る職人もいる。デザインセンターだってある。だから、こうした業種が集まれば、魅力的な食空間を提案できるはずだ。
ところが実際には、一緒にコンテクストを創造していこうという様子があまり見られない…。少なくとも、今までは、そういうもったいない地域が多かった。原因を考えてみても、「コンテクストを作り、市場を共有する必要性を感じていなかった」としか言いようがない。
だから、クールジャパンの目指す方向は間違っていない。コンテクストが重要になってきた時代に、その流れに沿っている。世界が日本に関心を持つ「とっかかり」を作らないといけないわけだ。日本のモノやコトを見ると、何か「ひっかかり」がある、そんな戦略的な「きっかけ」を世界中に埋め込んでいく。フック作りだ。フジヤマ、ゲイシャ、クルマ、寿司、ポケモンだけでは足りない。フックは多いほどいい。それも、日常的に接するシーンで見えるものが効果的だ。
日本のイメージは「京都」と「アキバ」だけ!
「とっかかり」を多く作るには、どうしたらいいのか。要は、日本のイメージを集中させるのではなく、拡散させることだ。
グーグルの画像検索で英語やイタリア語で日本を検索すると、特定のイメージ画像しかでてこない。極論すれば、京都と秋葉原の文化で、日本が成り立っている。英語版グーグルとイタリア語版グーグルで比較すると、やや内容に差異があり、違った日本観を持っていることが分かる。フランス語版グーグルは、さらに特徴が出てくる。それでも画一的な印象は拭いきれない。もっと様々な日本の画像が出てくるのが理想だ。
だからこそ、渡辺氏は海外に日本のモノを次々と出していくことで、画一的な日本の印象を変えていこうとしているのだろう。また、日本人も、自分たちを客観視して、それぞれの市場に合わせて変わっていかなければならない。
「多くの外国人と接しながら日本を見てる方は、かえって日本の良さが分かるでしょう。でも日本に住んでいる多くの方は、日本が海外からどう見られているのか分かりません。だから、とにかく色々なモノを外で売ってみて、取り引きを経験していかないといけないと思うんです。実際に、売ってみないと自分たちがどう見られているのか分からない。国内だけで商売してきた人たちにとっては、勝負はこれからなのです」
日本の伝統文化、大手メーカーが生み出す製品、オタクの文化…。日本のイメージはこれらに集中しがちだったが、文化産業を推し進めることで広がっていく。そして、ビジネスチャンスが増える。そんな好循環が出来上がってくるのだ。結果的に文化産業だけでなく、それこそ自動車や電機といった業界をも側面支援していくことになる。
「ファッションやアニメといった産業は、自動車や電機の産業規模と比べれば小さなものです。でも、フックにはなり得る。きっかけがないところでは、何も起こらないのです。潜在力のあるエリアを掘り起こしながら、外で勝つパターンを作っていかないと。外食やコンビニといったリテールのサービスもそうですね。とにかく間口を広げないといけないのです」
冒頭に書いたクールジャパン事業に対する典型的な批判の1つは、「マンガやアニメ、ストリートファッションで一国の経済を背負えるか」という疑念だ。しかし、経産省もこれらの産業を経済の背骨にしようと思ってはいない。が、これらがないと背骨の強化ができない。もちろん、マンガやアニメが「捨て駒」ではない。全てのエレメントはそれなりの存在意義を持ち、それらが全体に貢献するという設計図を描こうとしているのだろう。
ハイエンド市場の攻略法を準備せよ!
今、海外市場の開拓で注目されるのは新興国。特に中国やインドを中心にしたアジア諸国だ。その時によく言われるのは、「中間層というマス市場をどう狙うか」。これまで北米や欧州に対して、最初はローレベルのモノで市場に入り込み、次第に「高品質・高機能・高価格」のモノに移行していった。長期間にわたるローからハイへの上昇戦術で、一定の程度まで日本製品は認知度を高めた。ところが、ある時から、このハイエンドへのアプローチがグローバル市場での普遍的感覚に目を向けない、「独りよがり」であると判断されるようになった。日本市場の特殊性ばかりに目を向けすぎた、と。それを日本の企業も強く意識した。
アジア諸国の所得水準を考慮すると、これまでの先進国市場戦略とまったく違った発想で取り組まないといけない。そう認識するようになったが、「独りよがり」の反省は強く作用している。先進国市場での失敗の二の舞は回避せねば、と考えている。だから、大衆市場を把握することに注力している。
これはこれで大切だが、ハイエンドを売るストラクチャー作りはどうなっているのだろう。昨年10月の当コラム「「マルちゃんする」とメキシコで独自解釈されたカップ麺」で紹介したように、寿司も高級市場から中間市場へ広まっていった。しかし、その逆を行くのはなかなか難しい。日本ブランドのファッション品を買った客が、所得が上がってフランスやイタリアのファッション購買層に移行してしまう…。そんな事態を、指をくわえて見ることがないように、事前にハイエンドの戦略を考えておく必要がある。
渡辺氏曰く、「ハイエンドは大事です。これまでは、おカネを持ったら日本車をドイツ車に乗り換えるのがアジア市場での一般的な傾向でしょう。それを変えていかないといけませんね。例えば、インド人はヨーロッパの消費動向をよく見ています。それならば、日本企業はヨーロッパ市場でブランドを確立して、それからインドに持ち込む、といった発想が欲しいところです。マスの中間層が憧れる高いポジションを得ないといけないわけです」
要するに、ハイもミドルも両方視野に入れていないと行き詰る。ミドルの客は永久にミドルの客ではない。肝心なのは、ハイに上がる動きがどういうタイミングで生じるかの見極めだ。
緩いネットワークで売る!
日本ではメーカーや販社が社員を主体として営業部隊をつくる傾向が強い。しかし、ヨーロッパでは「レップ」あるいは「エージェント」が販売の根幹を成している。彼らは自分が持つ地域ネットワークを活用しながら、複数の商品を抱えて売り込んでいく。基本は歩合制である。鍋釜からベッドまで一緒に売り歩くこともある。もちろん、この制度ゆえの脆弱な点もあると思っている。だが、こうした商売のあり方が、日本とは違ったヨーロッパのビジネスパーフォーマンスを生み出していることも事実だと思う。
クールジャパン事業のコアコンセプトである「コンテクストの中で売る」という観点で見れば、このエージェント制度という考え方は有効ではないか。1人が受け持つ担当がもっと幅広くならないといけないし、そうした一人一人がネットワークでつながっていくことも重要だ。
そのネットワークは、緩くないといけない。何から何まで意見が一致する集団などあり得ない。何となく同じ方向を見ている人たちでいいのだ。でも、互いの顔が分かっていれば、必要な時に力になる。そういう「第三者には見えない緩いネットワーク」あるいは「看板のないネットワーク」を作っていく必要がある。渡辺氏はそこに、クールジャパンの存在意義を見いだしている。
「日本は今、海外ビジネスのプロデューサー的な人材が求められるのですが、実際にそんな人は多くいません。じゃあ、育成すればいいのかというと、それも難しい。もちろん、政府が顔を出しすぎるとおかしいことになります。だから、バラバラなネットワークを繋げるきっかけを作るとか、そこで起きた経験を広く伝えていく仕組みを作っていく。つまり、政府が触媒となり、みなさんが経験を増やす機会を提供することが役割だと考えています」
ローカリゼーションマップとの類似性!
ビジネスは民間が作っていくものだ。でも、現状では、余裕のある企業があまりにも少ない。異業種と組んでコンテクストを作るには、個々のプレイヤーが持つ「糊しろ」があまりないわけだ。
それでも、こうした企業群が外へ出て行かないと、日本経済は閉塞状況を打ち破れない。そこで、クールジャパンが、その一歩目を踏み出す環境を作ろうとしている。こう私は理解している。クールジャパンは今後、難航することもあろうが、その意図することは重要であり、取り組みを継続していかないといけない。
櫻井よしこ 『週刊新潮』 2011年1月20日号 日本ルネッサンス 第444回
昨年12月、水資源、領土、貿易不均衡など難問山積の中印関係を観察する貴重な現場に立ち会った。シンクタンク国家基本問題研究所(国基研)とインドのシンクタンク、インド世界問題評議会(ICWA)との意見交換のためにニューデリーを訪れたのだ。私たちの訪問は、中国の温家宝首相のインド訪問と時期が重なり、ざわめくような状況で進行した中印外交の一端を、巧まずして見聞することになった。
ICWAは1943年、ネルー首相の肝煎りで設立されたインドで最も権威あるシンクタンクだ。数百人を収容出来る講堂があり、地下全体が広い図書館となっている。正面の階段も玄関も大理石造りの如何にも歴史を感じさせる建物だった。
12月16日15時半、小柄な温首相は背筋をピンと伸ばし、顎を上げ気味にして姿を現わした。会場のそこここで、長身で屈強な男たちが目を光らせる。その光景には、どこか見覚えがあった。すぐにわかった。北京五輪の聖火リレーで、聖火ランナーを取り囲んで走っていた青服の男たちだ。どのガードも一様に髪を短く刈り込み、身長180~190センチの屈強な男たちは、漢民族で共産党員であろう。
20分余の温首相の演説への拍手はまばらだった。会見後、人々はすぐにガヤガヤと感想を語り始めた。私は前日に、意見交換したばかりの元インド外務次官のカンワル・シバル氏を見つけて早速、意見を尋ねた。
「前向きな要素は何もありません。過去半年間に国連安保理の常任理事国首脳の全てがわが国を訪問しましたが、温首相の訪問は最も実り少なかったと思います。こんな実りのない会談しか出来ないのなら、なぜ、ショートノーティス(限界ギリギリでの要請)で温首相の方から望んで来訪したのでしょうか」
シバル氏は反問するように語った。
パキスタンに肩入れ!
前の月の11月にオバマ大統領がインドを訪れ、インドの国連安保理常任理事国入りを明確に支持したこともあって、米印関係は大幅に前進する様相を呈している。ブッシュ前大統領は米印両国を最も古い民主主義の国と最も大きな民主主義の国と呼んだ。共通の価値観でしっかり結ばれる米印両国の関係緊密化で、中国が取り残されないために手を打つのが、温首相訪印の目的だと見るインドの人々は多かった。だが、それにしては温首相は国連でより大きな役割を果たしたいというインドの切望にも応えず、ただ紋切り型の対応をしただけだった。
印中貿易についての合意も実りはなかったとシバル氏は語る。
「2015年までに1000億ドルに増やすとしましたが、量的拡大が我々の目的ではありません。インドの対中赤字は約190億ドル、収支改善にはIT、農産物、医薬品分野の市場開放が必要ですが、開放に向けた提案はありませんでした」
両国間には大別して、①インドの国連安保理常任理事国入り、②インドの核の承認、③ジャム・カシミール(JK)州やアルナチャル・プラデシュ(AP)州の領土、の3つの問題がある。
どの点についても、中国は溝を埋める意思を見せず、成果の余りの乏しさに、シバル氏は、インドは中国の思惑やインド観を読み取ることが出来ていなかったのかと、思わず自問すると論評した。中国はインドをまともな相手とさえ考えていないのではないかと疑う温首相の訪問だったのだ。
インドの都市ムンバイは2008年11月26日、連続テロに襲われ、166人もが犠牲になった。このテロについて、他の常任理事国の首脳は皆、哀悼の意を表し、或いは、パキスタンは犯人を罰すべきだと指弾した首脳もいた。その中で、温首相のみが一言も同件に触れなかった。中国は、インドに対抗するためにパキスタンに肩入れをしてきた。そのパキスタン由来のテロだからこそ、温首相からは慰めの言葉さえなかったと、インドの多くの人が感じていた。
中国がパキスタンに核とミサイルを与えたのは、インドをパキスタン問題で煩わし続け、中国問題に十分な力を割けないようにするためだと、インドの専門家らは見る。インド洋の覇権を狙う中国に対して、インドが十分な海軍力を整備することも対抗することも困難にするために、パキスタン問題に縛り続けるとの分析だ。
確かにパキスタン問題はインドの大きな負担だが、中国は国境の領土問題でもインドに挑戦する。シンクタンク政策研究センター所長のブラーマ・チェラニー氏が説明した。
「温首相がニューデリー入りした当日、中国側はAP州近くのチベット東部のトンネル開通のニュースを報じました。印中間に有事が発生した場合、このトンネルを通って中国軍は即座にAP州に侵入出来ます」
同地域は水源地でもあり、中国はインドに流入する川の上流にダムを建設する計画だ。
軍事占領の可能性!
チェラニー氏がこんなことを語る。
「インド訪問に際して、中国首脳は常にインドの喉元に剣を突きつけるような不吉な問題を持ち込むのです。2006年の胡錦濤国家主席訪問のときは、中国が長年言及しなかったAP州の領有権主張を突然復活させました。同州は台湾の2倍以上もあるインド北東部の州です。今回、温首相は、訪印に先立ってJK州領有についてのカードを切ってきました」
いまやインドは2つの州の領有権問題を突きつけられているわけだ。その実態は非常に厳しいとチェラニー氏が続ける。
「中国は現在JK州の5分の1に当たるアクサイチン地域を占拠し、3つの方法で反インドの動きを強めています。まず、JK州の中のパキスタンが実効支配する地区で複数のプロジェクトを立ち上げました。これによって戦略的に中国の存在感を高めようという狙いです。プロジェクトを進めるために、多数の軍人を送り込みました。これら軍人はプロジェクトなるものが終わっても居坐り続け、実態として中国の軍事占領が現出する可能性も考えられます。
次にインドが支配する地域では狡猾な方法を用い始めました。ここをインド領と認めないために、同地区の住民が中国を訪れるときには、パスポートとは別の紙にビザ発給の判を押して、ホチキスでパスポートにとめ始めたのです。中国領の住民にビザは不要だという意思表明です。
第3に印中国境地帯の広範な土地を中国領に組み入れ、慣習上の国境線を大幅に短くしてしまいました」
こうした状況を作り出したうえで、温首相はICWAでの講演で語った。
「領土問題は解決にかなり長い時間がかかる。いま解決を急ぐより、将来の世代にこの問題を委ねよう」
尖閣を略奪しにきた手法と同じである。中国の狡猾さに、もう、どの国も騙されてはならない。
国内クレジット地域活性化支援プログラム
http://www.jcplr.jp/index.html
国内クレジット制度について
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004672/007_04_00.pdf
◇共同実施者
NPO法人なかまたち
http://www.kanko-navi.jp/
株式会社エフエム雪国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A8%E3%83%A0%E9%9B%AA%E5%9B%BD
◇関連事業者
高木沢企業株式会社
http://www9.ocn.ne.jp/~takakizw/index.html
ウッドペレット株式会社
http://www.wood-pellet.jp/
◇年平均削減見込み量
(44t-CO2/年)
日本海倉庫株式会社
http://www6.ocn.ne.jp/~nisouko/
新潟日報 2011年1月22日
中国へのコメの輸出拡大に向け、農林水産省が全国8ヵ所で整備を進める登録燻蒸倉庫に本県の日本海倉庫(新潟市中央区)の定温倉庫が選ばれたことが21日、分かった。
本県には対中輸出に必要な登録燻蒸倉庫と指定精米工場がなく、これまで新潟港から輸出ができなかった。燻蒸施設の整備によって県産米の直接輸出に道筋がつきそうだ。
検疫対象の病害虫(カツオブシムシ類)の調査で問題がなければ、5月にも正式に登録される見通し。
同省は2011年度、燻蒸施設だけでなく精米工場も各地に整備することを検討している。
県食品・流通課は「新潟からの輸出拡大の第一歩になる。新潟港からの輸出に向け、国に環境整備を働き掛けていきたい」としている。
同省によると、国内には現在、輸出に必要な指定精米工場と登録燻蒸倉庫は神奈川県にそれぞれ1ヵ所しかなく、輸送コストが課題となっている。
同省は昨年12月、筒井信隆農水副大臣が農産物の輸出拡大で中国側と合意したことを受け、検疫体制の整備に着手。12月末にに行った燻蒸倉庫の募集には、全国から30社の応募があり、
1、倉庫の容量や面積
2、港への近さ
3、中国への定期航路の有無
などの審査で、全国から8社の倉庫を選んだ。
北陸で唯一選ばれた日本海倉庫はミニマムアクセス(最低輸入量)米や大豆などを扱っている。選ばれた燻蒸倉庫は新潟西港にあり、総床面積は425平方メートル、総容積は2,339立方メートル。本県に中国との定期航路があることや、同社の倉庫が燻蒸施設として国の最高ランクの指定を受けていることが評価された。
同社の倉庫のほか、北海道小樽市、山形県酒田市、静岡市、三重県四日市市、京都府舞鶴市、広島県福山市、熊本市の7倉庫が選ばれた。
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