平成22年 第12回「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」(松江市)有機栽培・JAS認定部門で特別優秀賞を受賞。(食味90・味度83・計173点)
平成25年、第15回魚沼と第16回北京開催運動中!
無農薬魚沼産コシヒカリ生産農家・理想の稲作技術『CO2削減農法』
http://www.uonumakoshihikari.com/
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軍事力だけでなく外交力でも歯が立たない日本!
尖閣諸島領有権問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C
2010.09.18(Sat)JBpress 川嶋 諭
今週の感想は一言。よくもまぁ日本はなめられたものだな、である。この時期に必要かどうかも怪しい代表選挙に政権与党がうつつを抜かしている間に、為替市場は1ドル82円台にまで高騰していった。
民主党代表選の隙をつかれた日本!
一方、尖閣諸島では、中国のトロール船が海上保安庁の立ち入り検査を拒否しようと、体当たりを食らわせた。
隙あらば尖閣諸島に上陸して既成事実を作ろうとの狙いも見え隠れする。実際、ここ数カ月その手の噂が飛び交った。
しかし、世界の為替ディーラーが、日本の介入を一様に驚いてくれた結果、日本単独の介入にもかかわらずかなりな効果を得ることができた。
また、尖閣諸島では、まさか日本が中国船を拿捕して船長を逮捕するとは思わなかったというサプライズが、中国政府を慌てさせた。
その結果、中国へ赴任したばかりの丹羽宇一郎大使は気の毒にも、中国政府に5回も呼びつけられ、しかも5回目は深夜零時過ぎという異例な対応を迫られた。
こうした事件は、裏を返せば、為替介入にしても中国船の船長逮捕にしても、優柔不断な日本に、しかも政権与党の代表選の最中にはできるわけがないという読みが中国や世界にはあったということだ。
結果は適切な処置を実行できて、ことなきを得たということになるのだが、一歩対応を間違えれば、日本の国益を大きく損ねる危険性もあったわけで、手放しで喜べることではない。
実際、今の日本は生き馬の目を抜くような為替ディーラーや日本の領土を虎視眈々と狙う中国からみれば、隙だらけに見えている。
とりわけ、尖閣諸島の問題は看過できない。領土は相手に一度でも実質支配されてしまえば取り戻すことは極めて困難だ。北方領土や竹島で日本は嫌というほど思い知らされているはずなのに、日本は隙を見せすぎる。
明らかに尖閣諸島を取りにきている中国!
そうした危機感を顕にした記事が今週は多かった。「尖閣問題で日中関係は再び冬の時代に戻るのか」、「丹羽大使の『原罪』」、「尖閣諸島事件で、日中関係は過去最悪に?」など、いずれも高い視聴率を獲得した記事はすべてこの問題をテーマにしている。
また、「軍事大国へ突き進む中国の暴走を抑えよ」は、直接に中国漁船の尖閣諸島への領海侵犯を扱ったものではないが、中国がいかにして尖閣諸島を我が物にしようとしているかを解説した記事である。
また、少し毛色が違った英フィナンシャル・タイムズ紙による「9.11より9.15の方が世界を変えた理由」も、尖閣諸島の問題を直接には扱ってはいないが、中国の太平洋への進出が世界の脅威となっていることに警鐘を鳴らしている。
具体的にはぜひ、個々の記事をお読みいただきたいと思う。しかし、これだけの記事が出てくること自体、日本には隙がありすぎるのだと思わざるを得ない。
例えば、「丹羽大使の『原罪』」の記事では、中国政府が日本の隙を巧みに突いて、丹羽大使が中国政府の呼び出しにすべて応じ抗議を受けざるを得なくなった理由が説明されている。
政府要人と会うことは経済人として当然の行い
初めは下級官僚の呼び出しから始め、それに応じたら少しずつ呼び出す側の階級を上げて、日本の丹羽大使が決して断れないように追い込んでいく。もしそれが本当だとすれば“敵ながら”何とも小癪な戦略である。
しかも、政治という駆け引きに4000年の歴史を刻んでいる中国は、丹羽大使という民間出身の大使の弱点もよく心得ている。
伊藤忠商事の社長、会長を歴任した丹羽大使は日本を代表するリーダーと言える。清廉潔白さ、決断力、コミュニケーション能力の高さなど、卓越した実力を発揮してきた。中国大使として恐らく完璧に近い人事なのだろう。
しかし、いかに伊藤忠を離れて日本の代表となったとはいえ、その経歴は消せるものではない。中国側からすれば、丹羽大使が、もちろん日本の代表としてはもちろん、伊藤忠のトップだった人物として、中国政府の要人との会談を断れるはずがないと、その足元を見抜いていた可能性がある。
政府の要人と会うこと自体、企業人としてはプラスではあれ、決してマイナスにはならないからだ。
民間人出身大使の弱点とは何か!
しかし、国と国との折衝では会わないことも大切な場合もある。今回がまさにそうだったとすれば、中国側の駆け引きが圧倒的に日本を上回っていたことになる。もちろん、丹羽大使に責任は全くない。彼を選んだ日本政府に隙があっただけだ。
今回の尖閣諸島で発生した事件で、国民に人気の高い日本のある閣僚は「尖閣諸島の領土問題」という失言をした。東シナ海に領土問題はない。日本のメディアは勘違い程度の軽い扱いだったが、これもまた日本の隙としか考えられない。
失言した閣僚が日本国籍を取得した日本人とはいえ、子供の頃からどのような教育を受けてきたか分からない。本当に無知による失言なのか、隠していた本音が出たものなのか。
疑うつもりは全くない。しかし、領土問題に万が一はない。失った領土を取り返すことがいかに難しいかは歴史が証明している。隙があるから付け込まれる。
隙をなくして脇を固めることには海外から文句を言われることは決してないのだから、それだけでも抜かりなく手を打ってほしい。
いま、東シナ海のガス田に中国が新たな機材を持ち込んでいる。抜け目のない世界は隙を見ればそこを徹底的に叩く。弱いところを叩くのは兵法の原則であり不正ではない。やられてから犬の遠吠えをするようでは、私たちの子孫に申し訳ないと、日本の為政者にはぜひ思ってほしい。
尖閣諸島領有権問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E9%A0%98%E6%9C%89%E6%A8%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C
2010.09.18(Sat)JBpress 川嶋 諭
今週の感想は一言。よくもまぁ日本はなめられたものだな、である。この時期に必要かどうかも怪しい代表選挙に政権与党がうつつを抜かしている間に、為替市場は1ドル82円台にまで高騰していった。
民主党代表選の隙をつかれた日本!
一方、尖閣諸島では、中国のトロール船が海上保安庁の立ち入り検査を拒否しようと、体当たりを食らわせた。
隙あらば尖閣諸島に上陸して既成事実を作ろうとの狙いも見え隠れする。実際、ここ数カ月その手の噂が飛び交った。
しかし、世界の為替ディーラーが、日本の介入を一様に驚いてくれた結果、日本単独の介入にもかかわらずかなりな効果を得ることができた。
また、尖閣諸島では、まさか日本が中国船を拿捕して船長を逮捕するとは思わなかったというサプライズが、中国政府を慌てさせた。
その結果、中国へ赴任したばかりの丹羽宇一郎大使は気の毒にも、中国政府に5回も呼びつけられ、しかも5回目は深夜零時過ぎという異例な対応を迫られた。
こうした事件は、裏を返せば、為替介入にしても中国船の船長逮捕にしても、優柔不断な日本に、しかも政権与党の代表選の最中にはできるわけがないという読みが中国や世界にはあったということだ。
結果は適切な処置を実行できて、ことなきを得たということになるのだが、一歩対応を間違えれば、日本の国益を大きく損ねる危険性もあったわけで、手放しで喜べることではない。
実際、今の日本は生き馬の目を抜くような為替ディーラーや日本の領土を虎視眈々と狙う中国からみれば、隙だらけに見えている。
とりわけ、尖閣諸島の問題は看過できない。領土は相手に一度でも実質支配されてしまえば取り戻すことは極めて困難だ。北方領土や竹島で日本は嫌というほど思い知らされているはずなのに、日本は隙を見せすぎる。
明らかに尖閣諸島を取りにきている中国!
そうした危機感を顕にした記事が今週は多かった。「尖閣問題で日中関係は再び冬の時代に戻るのか」、「丹羽大使の『原罪』」、「尖閣諸島事件で、日中関係は過去最悪に?」など、いずれも高い視聴率を獲得した記事はすべてこの問題をテーマにしている。
また、「軍事大国へ突き進む中国の暴走を抑えよ」は、直接に中国漁船の尖閣諸島への領海侵犯を扱ったものではないが、中国がいかにして尖閣諸島を我が物にしようとしているかを解説した記事である。
また、少し毛色が違った英フィナンシャル・タイムズ紙による「9.11より9.15の方が世界を変えた理由」も、尖閣諸島の問題を直接には扱ってはいないが、中国の太平洋への進出が世界の脅威となっていることに警鐘を鳴らしている。
具体的にはぜひ、個々の記事をお読みいただきたいと思う。しかし、これだけの記事が出てくること自体、日本には隙がありすぎるのだと思わざるを得ない。
例えば、「丹羽大使の『原罪』」の記事では、中国政府が日本の隙を巧みに突いて、丹羽大使が中国政府の呼び出しにすべて応じ抗議を受けざるを得なくなった理由が説明されている。
政府要人と会うことは経済人として当然の行い
初めは下級官僚の呼び出しから始め、それに応じたら少しずつ呼び出す側の階級を上げて、日本の丹羽大使が決して断れないように追い込んでいく。もしそれが本当だとすれば“敵ながら”何とも小癪な戦略である。
しかも、政治という駆け引きに4000年の歴史を刻んでいる中国は、丹羽大使という民間出身の大使の弱点もよく心得ている。
伊藤忠商事の社長、会長を歴任した丹羽大使は日本を代表するリーダーと言える。清廉潔白さ、決断力、コミュニケーション能力の高さなど、卓越した実力を発揮してきた。中国大使として恐らく完璧に近い人事なのだろう。
しかし、いかに伊藤忠を離れて日本の代表となったとはいえ、その経歴は消せるものではない。中国側からすれば、丹羽大使が、もちろん日本の代表としてはもちろん、伊藤忠のトップだった人物として、中国政府の要人との会談を断れるはずがないと、その足元を見抜いていた可能性がある。
政府の要人と会うこと自体、企業人としてはプラスではあれ、決してマイナスにはならないからだ。
民間人出身大使の弱点とは何か!
しかし、国と国との折衝では会わないことも大切な場合もある。今回がまさにそうだったとすれば、中国側の駆け引きが圧倒的に日本を上回っていたことになる。もちろん、丹羽大使に責任は全くない。彼を選んだ日本政府に隙があっただけだ。
今回の尖閣諸島で発生した事件で、国民に人気の高い日本のある閣僚は「尖閣諸島の領土問題」という失言をした。東シナ海に領土問題はない。日本のメディアは勘違い程度の軽い扱いだったが、これもまた日本の隙としか考えられない。
失言した閣僚が日本国籍を取得した日本人とはいえ、子供の頃からどのような教育を受けてきたか分からない。本当に無知による失言なのか、隠していた本音が出たものなのか。
疑うつもりは全くない。しかし、領土問題に万が一はない。失った領土を取り返すことがいかに難しいかは歴史が証明している。隙があるから付け込まれる。
隙をなくして脇を固めることには海外から文句を言われることは決してないのだから、それだけでも抜かりなく手を打ってほしい。
いま、東シナ海のガス田に中国が新たな機材を持ち込んでいる。抜け目のない世界は隙を見ればそこを徹底的に叩く。弱いところを叩くのは兵法の原則であり不正ではない。やられてから犬の遠吠えをするようでは、私たちの子孫に申し訳ないと、日本の為政者にはぜひ思ってほしい。
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特命全権大使
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%91%BD%E5%85%A8%E6%A8%A9%E5%A4%A7%E4%BD%BF
丹羽宇一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B9%E7%BE%BD%E5%AE%87%E4%B8%80%E9%83%8E
戴秉国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B4%E7%A7%89%E5%9B%BD
2010.09.15(Wed)JBプレス 谷口 智彦
原罪を背負い込んでしまった丹羽駐中国大使!
丹羽宇一郎氏にとっては痛烈な洗礼になった。
駐中国大使としての実質的初仕事が、真夜中に呼びつけられて出かけていき、抗議を承ることとはあいなったのだ。
こういう異例な扱いを呑んだことは、この先丹羽大使の在任中、前例として生き続ける。
丹羽氏はいわば、「原罪」を背負い込んでしまった。
そもそもの初発行動で、丹羽氏は対応をひどく誤った。
尖閣諸島久場島(くばじま)北北西、日本領海内で操業中の中国漁船を、海上保安庁の巡視船が発見、体当たりして来るのを取り押さえたのが、9月7日午前の出来事だった。
それから丹羽氏は、中国外交部に引っ張り出され続ける。
最初に呼びつけたのは宋濤という人物で、これは外交部に12人いる次官級役人では序列7位の人だ。
会わなくてもいい下級官僚の呼び出しに応じた愚
公式バイオグラフィーによると、対日関係はその職掌に入っていない。「領事」とか「監察」という、あさっての方向のことを担当していると、説明にはある。
日本の報道では「次官」に呼ばれたことになっていたけれど、甚だミスリーディングである。日本の外務省には次官というと1人しかいないからそれなりの人かと思いがちだが、実態は上の通りだった。
もっと奇異なのは、その翌日の8日、今度は1つランクが下がり、胡正躍という「部長助理」に呼びつけられ、これにも応じて抗議を承りに出かけたことである。
大使とは日本国憲法第7条の定めるところ、天皇陛下から認証を受けて初めてその資格を得る。そういう重たい資格なのだから、赴任国のトップと同格だ。ここらへん、肝に銘じてほしい。
世界で最も序列を大切にしている国のしたたかな作戦!
実際には、例えば駐米日本大使も大統領にそう簡単に電話1本で会えるわけではなく、理屈通りにはいかないにしろ、せめて閣僚以上としか会わないというスタンスは、これは取って当たり前なものだ。
おまけに相手は世界中でいちばんそこら辺り、つまり序列を常に意識している国なのである。
序列7位の次官が最初に呼びつけたのも、その次にわざわざランクを下げて日本の役所で言えば局長クラスの役人が呼びつけたのも、中国側はたまたまお手すきの人を選んでそうしたのではない。計算したうえでのことと見るのが普通だろう。
これにのこのこ応じて出て行ってしまったというのが、丹羽氏の絶対やってはいけなかった初発における誤りである。
これがあって、12日未明の呼び出しになる。今度は「大物」だった。外交を司る人として外相の上位に立つ戴秉国国務委員が、深夜零時を過ぎて出てこいと言い、これにも応じている。
というより、下っ端の誰彼に既に会っているのだから、はねつけることなど難しかったというのが実情だろう。
頭に血が上っている相手には牛歩戦術で
向こうがカッカ来てすぐ来いと言ったからと言って、ハイハイと素直に応じなければならない外交慣例などない。
「何事でございましょうか、こんな夜遅く」
「ハ、さようですか。それでは朝になりましてから」
「なに、今すぐどうしても来い、と。承知しました、それでは急ぎ参りましょう」
とそう言っておいて、髭を剃るのに1時間、バスタブに湯をため、風呂に入るのに2時間、威儀を正してきちんとしたかっこうをしていかないといけないから、身なりを整えるのに2時間、警護の者を呼んで来させるのに1時間、都合6時間、可及的速やかな努力をしたのち、かけつければよかった。
向こうがカッカ来てすぐ来いと言ったからと言って、ハイハイと素直に応じなければならない外交慣例などない。
何をしていたケシカランと、相手はアタマから湯気を吹き出しているかもしれない。それならこう言う。
外交官の資質はここぞの大一番に表れる
「戴秉国さん、お人となり、わたくしよーく承知しておりますよ。本当に気さくでいらっしゃるし、穏やかなお方です。その戴秉国さんが、こんなお芝居を打たなきゃいけないとはねえ。ま、私もやっぱりお芝居しなくちゃいけませんから。お互い外交官てのは、大変ですなあ」
と、これくらいのすっとぼけた対応を、できるかできないか。
外交官というのは、その専門性が一体どこにあるのか、常人とどこが違うのか、普段はなかなか分からない仕事であるかもしれないが、ここぞという決定的な時、その資質を露呈するとっても怖い仕事なのである。
最初の試験で、丹羽氏は手ひどくしくじったと断じざるを得ない。ちょっと可哀相だが。
それはさておき中国が尋常ならざる反発に出ている理由を、日本のメディアはサイバースペースなる空間にどうやらあるらしい中国の世論なるものに帰していることに、少なからず違和感を覚える。
南シナ海と東シナ海で事情が違うはずがない!
沿岸海洋覇権を、中国は南シナ海ではっきり取りに出た。この態度を中国流モンロー・ドクトリン(一定地域について部外勢力の介入を許そうとしない姿勢)の行使であるとして、米国は明確な反対に転じた。
南シナ海沿岸各国は、来るべきものが来たと見て、米国との紐帯再構築に真剣になっている。
その延長上のことと見るのが、常識的見方というものだろう。
つまり中国人民解放軍海軍にとっては、南シナ海と東シナ海を別々に扱う意図も必然もないのであって、戴秉国氏をぎゅうぎゅう締め上げたに違いない。日本に甘く出たら、南シナ海でも地歩を失う羽目になるぞ、それでもいいのか、と。
丹羽氏の一挙手一投足を見ているのはベトナムやフィリピンだ
丹羽氏は東京ばかり見ているかもしれないが、氏の一挙手一投足を真剣に見ているのは、実はベトナムでありフィリピンである。インドネシアでありタイやシンガポールだ。
こういう観客の前で何をするか。深夜の丹羽氏に、そこまでアタマを巡らせるだけの準備は残念ながらなかったというほかあるまい。失敗に懲りて、次からは態度を豹変させてほしい。
そして日本は尖閣諸島に気象観測所でも何でもいいから、恒久的建造物を建て、竹島の愚を繰り返さないように、本当にすべき時がきた。
筆者お断り 隔週連載ですから本当は9月23日に掲載すべきものですが、筆者出張その他の事情により早めにひとつ記事を載せておくことにしました。話題はそれに応じてこんなものに。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%91%BD%E5%85%A8%E6%A8%A9%E5%A4%A7%E4%BD%BF
丹羽宇一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B9%E7%BE%BD%E5%AE%87%E4%B8%80%E9%83%8E
戴秉国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B4%E7%A7%89%E5%9B%BD
2010.09.15(Wed)JBプレス 谷口 智彦
原罪を背負い込んでしまった丹羽駐中国大使!
丹羽宇一郎氏にとっては痛烈な洗礼になった。
駐中国大使としての実質的初仕事が、真夜中に呼びつけられて出かけていき、抗議を承ることとはあいなったのだ。
こういう異例な扱いを呑んだことは、この先丹羽大使の在任中、前例として生き続ける。
丹羽氏はいわば、「原罪」を背負い込んでしまった。
そもそもの初発行動で、丹羽氏は対応をひどく誤った。
尖閣諸島久場島(くばじま)北北西、日本領海内で操業中の中国漁船を、海上保安庁の巡視船が発見、体当たりして来るのを取り押さえたのが、9月7日午前の出来事だった。
それから丹羽氏は、中国外交部に引っ張り出され続ける。
最初に呼びつけたのは宋濤という人物で、これは外交部に12人いる次官級役人では序列7位の人だ。
会わなくてもいい下級官僚の呼び出しに応じた愚
公式バイオグラフィーによると、対日関係はその職掌に入っていない。「領事」とか「監察」という、あさっての方向のことを担当していると、説明にはある。
日本の報道では「次官」に呼ばれたことになっていたけれど、甚だミスリーディングである。日本の外務省には次官というと1人しかいないからそれなりの人かと思いがちだが、実態は上の通りだった。
もっと奇異なのは、その翌日の8日、今度は1つランクが下がり、胡正躍という「部長助理」に呼びつけられ、これにも応じて抗議を承りに出かけたことである。
大使とは日本国憲法第7条の定めるところ、天皇陛下から認証を受けて初めてその資格を得る。そういう重たい資格なのだから、赴任国のトップと同格だ。ここらへん、肝に銘じてほしい。
世界で最も序列を大切にしている国のしたたかな作戦!
実際には、例えば駐米日本大使も大統領にそう簡単に電話1本で会えるわけではなく、理屈通りにはいかないにしろ、せめて閣僚以上としか会わないというスタンスは、これは取って当たり前なものだ。
おまけに相手は世界中でいちばんそこら辺り、つまり序列を常に意識している国なのである。
序列7位の次官が最初に呼びつけたのも、その次にわざわざランクを下げて日本の役所で言えば局長クラスの役人が呼びつけたのも、中国側はたまたまお手すきの人を選んでそうしたのではない。計算したうえでのことと見るのが普通だろう。
これにのこのこ応じて出て行ってしまったというのが、丹羽氏の絶対やってはいけなかった初発における誤りである。
これがあって、12日未明の呼び出しになる。今度は「大物」だった。外交を司る人として外相の上位に立つ戴秉国国務委員が、深夜零時を過ぎて出てこいと言い、これにも応じている。
というより、下っ端の誰彼に既に会っているのだから、はねつけることなど難しかったというのが実情だろう。
頭に血が上っている相手には牛歩戦術で
向こうがカッカ来てすぐ来いと言ったからと言って、ハイハイと素直に応じなければならない外交慣例などない。
「何事でございましょうか、こんな夜遅く」
「ハ、さようですか。それでは朝になりましてから」
「なに、今すぐどうしても来い、と。承知しました、それでは急ぎ参りましょう」
とそう言っておいて、髭を剃るのに1時間、バスタブに湯をため、風呂に入るのに2時間、威儀を正してきちんとしたかっこうをしていかないといけないから、身なりを整えるのに2時間、警護の者を呼んで来させるのに1時間、都合6時間、可及的速やかな努力をしたのち、かけつければよかった。
向こうがカッカ来てすぐ来いと言ったからと言って、ハイハイと素直に応じなければならない外交慣例などない。
何をしていたケシカランと、相手はアタマから湯気を吹き出しているかもしれない。それならこう言う。
外交官の資質はここぞの大一番に表れる
「戴秉国さん、お人となり、わたくしよーく承知しておりますよ。本当に気さくでいらっしゃるし、穏やかなお方です。その戴秉国さんが、こんなお芝居を打たなきゃいけないとはねえ。ま、私もやっぱりお芝居しなくちゃいけませんから。お互い外交官てのは、大変ですなあ」
と、これくらいのすっとぼけた対応を、できるかできないか。
外交官というのは、その専門性が一体どこにあるのか、常人とどこが違うのか、普段はなかなか分からない仕事であるかもしれないが、ここぞという決定的な時、その資質を露呈するとっても怖い仕事なのである。
最初の試験で、丹羽氏は手ひどくしくじったと断じざるを得ない。ちょっと可哀相だが。
それはさておき中国が尋常ならざる反発に出ている理由を、日本のメディアはサイバースペースなる空間にどうやらあるらしい中国の世論なるものに帰していることに、少なからず違和感を覚える。
南シナ海と東シナ海で事情が違うはずがない!
沿岸海洋覇権を、中国は南シナ海ではっきり取りに出た。この態度を中国流モンロー・ドクトリン(一定地域について部外勢力の介入を許そうとしない姿勢)の行使であるとして、米国は明確な反対に転じた。
南シナ海沿岸各国は、来るべきものが来たと見て、米国との紐帯再構築に真剣になっている。
その延長上のことと見るのが、常識的見方というものだろう。
つまり中国人民解放軍海軍にとっては、南シナ海と東シナ海を別々に扱う意図も必然もないのであって、戴秉国氏をぎゅうぎゅう締め上げたに違いない。日本に甘く出たら、南シナ海でも地歩を失う羽目になるぞ、それでもいいのか、と。
丹羽氏の一挙手一投足を見ているのはベトナムやフィリピンだ
丹羽氏は東京ばかり見ているかもしれないが、氏の一挙手一投足を真剣に見ているのは、実はベトナムでありフィリピンである。インドネシアでありタイやシンガポールだ。
こういう観客の前で何をするか。深夜の丹羽氏に、そこまでアタマを巡らせるだけの準備は残念ながらなかったというほかあるまい。失敗に懲りて、次からは態度を豹変させてほしい。
そして日本は尖閣諸島に気象観測所でも何でもいいから、恒久的建造物を建て、竹島の愚を繰り返さないように、本当にすべき時がきた。
筆者お断り 隔週連載ですから本当は9月23日に掲載すべきものですが、筆者出張その他の事情により早めにひとつ記事を載せておくことにしました。話題はそれに応じてこんなものに。
エフエム世田谷
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A8%E3%83%A0%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7
岡野美和子さんのブログ記事
http://mp.i-revo.jp/user.php/jmeprhxh/archive/?lp=1
18日のデリグラテーマは「六日町って知ってますか?」
今週のあのグラは今月2度目の出張放送、新潟県南魚沼市にお伺いします。
ご注文をくださったのは六日町にあるFMゆきぐにさんです。ありがとうございます!
そこで今週のテーマは「六日町って知ってますか?」
地元にお住まいの方はもちろん、南魚沼や六日町自慢を…
いらしたことのある方はその時の印象や思い出などを…
そしてまだ六日町未体験という方はこの街のイメージや六日町について知りたいことなどどんどんお寄せ下さい。
番組ではもちろん南魚沼や六日町の魅力を盛り沢山ご紹介しますので乞うご期待!
今週もたくさんのメッセージお待ちしています。
ここでリスナーの皆さんにお知らせがあります。
まず今回の特設スタジオの場所が変更になりました!
先週は「八海山ロープウエー山頂駅」とご案内したのですが「八海山ロープウエー駐車場芝生広場」に場所が変わりました。駐車場は第一、第二とあるようですが第一駐車場の方だそうです。
お天気が良ければ駐車場の周りの芝生広場で番組を観覧いただけるとのことです。
今回は畳じゃなくて芝生よん♥お楽しみに~!
雨の場合はレストハウス内にスタジオが設置されるということですのでよろしくお願いします。
(可能性大か?雨具のご用意も念のためよろしくです(笑))
晴天に恵まれれば初の山グラ…爽快だと思いますのでぜひ遊びにいらしてくださいね。
たくさんの皆さんのご来場をお待ちしています。
それから今回は屋外…山からの生放送ということで残念ながらネットTVの放映をお休みさせていただきます。
ご了承頂きますようお願い致します。
ネットTVをご覧のみなさま!ごめんなさ~い。お許しくださいませ。
あのグラ一行明日新潟に入ります。
おいしいお米とお酒…いやいやおいしい空気が楽しみだなぁ~(笑)
今週も出張放送ならではの楽しいあのグラにしますのでぜひ聞いてくださいね!
新潟の皆さん…お会いできるのを楽しみにしています♪
では土曜日にお耳にかかりましょう!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A8%E3%83%A0%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7
岡野美和子さんのブログ記事
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18日のデリグラテーマは「六日町って知ってますか?」
今週のあのグラは今月2度目の出張放送、新潟県南魚沼市にお伺いします。
ご注文をくださったのは六日町にあるFMゆきぐにさんです。ありがとうございます!
そこで今週のテーマは「六日町って知ってますか?」
地元にお住まいの方はもちろん、南魚沼や六日町自慢を…
いらしたことのある方はその時の印象や思い出などを…
そしてまだ六日町未体験という方はこの街のイメージや六日町について知りたいことなどどんどんお寄せ下さい。
番組ではもちろん南魚沼や六日町の魅力を盛り沢山ご紹介しますので乞うご期待!
今週もたくさんのメッセージお待ちしています。
ここでリスナーの皆さんにお知らせがあります。
まず今回の特設スタジオの場所が変更になりました!
先週は「八海山ロープウエー山頂駅」とご案内したのですが「八海山ロープウエー駐車場芝生広場」に場所が変わりました。駐車場は第一、第二とあるようですが第一駐車場の方だそうです。
お天気が良ければ駐車場の周りの芝生広場で番組を観覧いただけるとのことです。
今回は畳じゃなくて芝生よん♥お楽しみに~!
雨の場合はレストハウス内にスタジオが設置されるということですのでよろしくお願いします。
(可能性大か?雨具のご用意も念のためよろしくです(笑))
晴天に恵まれれば初の山グラ…爽快だと思いますのでぜひ遊びにいらしてくださいね。
たくさんの皆さんのご来場をお待ちしています。
それから今回は屋外…山からの生放送ということで残念ながらネットTVの放映をお休みさせていただきます。
ご了承頂きますようお願い致します。
ネットTVをご覧のみなさま!ごめんなさ~い。お許しくださいませ。
あのグラ一行明日新潟に入ります。
おいしいお米とお酒…いやいやおいしい空気が楽しみだなぁ~(笑)
今週も出張放送ならではの楽しいあのグラにしますのでぜひ聞いてくださいね!
新潟の皆さん…お会いできるのを楽しみにしています♪
では土曜日にお耳にかかりましょう!
第一列島線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A
中国人民解放軍海軍
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E8%A7%A3%E6%94%BE%E8%BB%8D%E6%B5%B7%E8%BB%8D
沖縄の基地は削減どころか、ますます重要に!
2010.09.16(Thu)JBプレス 鈴木 通彦
米国・前太平洋軍司令官のティモシー・キーティングが、2008年3月11日に開かれた米上院軍事委員会である証言をしたことがマスコミを賑わし、世間に驚きを与えた。(敬称略)
太平洋のハワイより東を米国、西は中国で分け合おう!
2007年5月の訪中時に中国のさる高官から「ハワイを基点に太平洋を東西に分け、米中で分割管理しよう」と提案されたことを明かしたからである。
前司令官のキーティングは、中国高官の話を冗談と受け止めつつも、「中国が自国の影響下に置く地域の拡大を望んでいるのは明らかだ」としている。
それから3年経った今、中国の狙いは現実味を帯び始めている。
米国防総省は2010年の「4年ごとの国防計画見直し2010QDR」で、「統合エアシーバトル構想(Joint Air-Sea Battle concept)」を開発すると発表した。これは、急激に軍事力を強化し西太平洋支配を目論む中国を牽制する、新たな軍事戦略である。
現在の中国が繁栄し軍事拡大路線を敷くとともに、混乱し将来どうなるか分からないので、今こそ軍事的な対処をしなければならないとの国防総省の考えが背景に存在する。
今、なぜエアシーバトル(空海戦)なのか
現在、戦略の具体化段階で詳細も定かでないが、公式発言や信頼性の高い資料を基に分析すれば、かなりインパクトのある戦略で、日本に対する影響も極めて大きいようだ。
あたかも、7月下旬に行われた日本海での米韓合同演習やこれに対抗して行われた中国軍による黄海での大規模演習、および間もなく黄海で行われる予定の米韓合同演習は、その前哨戦さながらである。
構想の具体化を進めているのは、89歳になっても国防総省で現役を続けるアンドリュー・マーシャル率いる国防総省ネット評価室や統合参謀本部および海・空軍である。
細部は明らかでないが、マーシャルの部下であったクレピネビッチほか多くの専門家が執筆した「何故海空戦か?(Why AirSea Battle?)」「海空戦;出発点(AirSea Battle; A Point of Departure)」などの報告資料が出されているので、ある程度推測できる。
1 シーバトル構想の誕生とその背景
この構想は、マーシャルらが冷戦終結直後に「将来、米軍の前方展開戦略に脅威を与える国家が出現し、前方展開型戦力投射が困難になる」と警鐘を鳴らした1993年11月の報告を出発点にしている。
それが、20年近く経過した今、米軍と同じような対称能力を西太平洋地域で保有しようとする中国、および核装備を目指しつつも非対称的な能力で狭隘なペルシャ湾支配を目論むイランの出現で再び注目されることになった。
構想誕生の背景には、中国の対アクセス/地域拒否(Anti-Access / Area Denial:A2/AD)戦略により西太平洋における米軍の前方展開戦略が脅かされているとの認識がある。
軍事バランスを維持すべきか、失っても構わないか!
米国は、対決地域が中国に近い地政学的条件に加え、膨大な軍事投資が重なって徐々に軍事バランスが中国有利に傾斜し、死活的重要地域への軍事アクセスを失うか安定した軍事バランスを維持するかの選択を迫られていると考えている。
また、強い財政的制約にもかかわらず、米陸海空各軍が整合性を欠きコスト効果の低い過剰な軍事投資を続けようとしているとの国内認識も強く存在する。
これが、国防投資の非効率だけでなく、教義(ドクトリン)の不一致、装備の互換性や相互運用性の欠如、さらには陸海空の文化の違いによる軍種間摩擦に及んでいるとの認識である。
特に2010QDRや2010年以降の国防予算で大規模投資を伴うプログラムが中止もしくは削減されつつある海空軍に対する、勢力拡大に躍起になるよりも軍事戦略主導の統一した構想を確立してほしいとの期待感もある。
悪く言えば、陸軍と海兵隊のアフガニスタン向けの7万5000人の増員に対し、削減される一方の海空軍の不満を沈静化させる策だとの悪評につながるゆえんでもある。
純軍事的な意味合いも大きい。
冷戦時代、ソ連の膨大かつ縦深におよぶ機甲戦力に対し、戦術核の先制使用も視野に入れアクティブディフェンス(積極防御)で対抗しようとしていた米国・北大西洋条約機構(NATO)軍にとって、戦術核の全面核戦争への発展の懸念が最大の悩みであった。
それが、核の敷居を越えることなく通常戦力でソ連の戦力を確実に減殺・阻止できる戦略・戦法と技術の開発、すなわち、陸空軍を中心に全縦深同時打撃によるエアランドバトル構想およびビッグファイブと言われる戦車・装甲戦闘車・攻撃ヘリ・戦闘ヘリ・地対空ミサイルの開発につながった。
2度の湾岸戦争は、ネットワーク中心の「縦深を見る」目標情報と「縦深を射撃する」打撃手段を吻合させ敵部隊を正確に打撃するエアランドバトル構想の成果として、テレビを通じて世界を驚愕させた。これらの成功体験も拍車をかけている。
そして、今やそれらすべてが重なって海空軍主導のエアシーバトル構想へとつながりつつあるのである。
2 構想の目的
統合エアシーバトル構想の目的は、米軍の前方展開を拒否しようとする敵に対し、比類ない能力でこれに対抗し悪い気持ちを起こさせないようにする、すなわち抑止を維持することにある。
中国は現在、対アクセス戦略と地域拒否戦略という、目的と手段が重複する2つの戦略を取っている。
対アクセス戦略は、米軍の前方展開基地へのアクセスを拒否する戦略(前方にある陸海空基地への補給と増援の流れを阻止する戦略。最終的な狙いは、米前方航空基地から中国本土への攻撃能力の削減)で、焦点は沖縄の嘉手納やグアムのアンダーセン基地である。
また、地域拒否戦略は、西太平洋など死活的に重要な地域における米海軍の行動の自由を拒否する戦略で、米空母などの主力目標を第2列島線内で活動させないことに焦点が置かれている。これは、艦載機による攻撃を阻止する狙いである。
中国に対抗心を抱かせないための圧倒的軍事力
米ドナルド・レーガン政権が1983年にソ連を宇宙防衛構想(SDI)に誘い込む強硬姿勢を見せ、その財政負担の重さからソ連を崩壊させたと同様に、中国に対し、対抗困難なほどの軍事力の構築意思を示すことで対抗意思を殺ぐのが米国の狙いだ。
一人っ子政策の影響で社会の高齢化が進み、2020年以降になると社会保障費が肥大化して、中国財政に及ぼす軍事費負担が過重になるとの計算も当然加味されている。
しかし、財政負担に苦しむ米国にとっても、国防費の肥大は諸刃の剣となりかねない死活的な問題であり、コスト効果の高いプログラムの創出と財政負担の抑制が両立させられるかどうかが構想成功の鍵になる。
3 対象地域と対象領域
対象地域は、第1列島線、第2列島線という中国の航空機の行動半径やミサイルの射程でカバーされる地域、および潜水艦の遊弋と射程1500キロメートルの対艦弾道ミサイル(開発中)で米空母を抑制する地域である。
しかし、戦闘ネットワークを経由した情報を基に戦う現代の戦闘は、その地域だけでは完結せず、3次元は言うに及ばず、戦力発揮に不可欠な海、空、陸、宇宙、サイバーなど5次元領域に及ぶことになる。
特に戦力発揮のための結節(ノード)は宇宙に多く存在し、そこが弱点となって狙われやすい。
6月28日発表の米国の新宇宙政策は、ジョージ・W・ブッシュ大統領の「宇宙兵器の制限」を拒否する政策を転換し、中露の提案する宇宙空間における軍備管理の必要性に賛意を示すものとなった。宇宙を適切に管理しなければ、米国優位が脅かされると考え始めたのである。
今年10月、サイバー司令部が本格運用へ!
また、10月には戦略軍に仮編成したサイバー司令部を本格的に運用し始める。これも頻繁に繰り返される中国のサイバー攻勢をにらんだものである。
米国優位の宇宙の軍事利用を脅かし、サイバー領域にも迫る中国を強く意識せざるを得ない米国の状況が目に見えるようだ。
そして、8月16日公表の「中国の軍事力と安全保障の進展に関する年次報告書」は、宇宙やサイバーを含めた、中国海軍の外洋型海軍への転換による対アクセス/地域拒否戦略の強まりに強く警鐘を鳴らすものとなった。
一方、エアシーバトル構想には協力(期待)国が必要で、その筆頭は日本とオーストラリアである。構想の具体化に伴い、最も地理的に重要な位置を占める日本に対する要求が強まるのは確実だろう。
4 構想が想定する米中の取り得る手段
中国は、戦略を具体化する手段として、空爆やミサイル攻撃などの直接攻撃手段と、弱点となるノードの機能低下を狙う間接攻撃手段(対衛星攻撃=ASAT=やサイバー攻撃など)を併用する。
前者の場合、中国は、第1列島線以西において、濃密な短距離ミサイルや短距離攻撃機による艦艇や基地に対する攻撃により地域の完全支配を目論み、第2列島線付近、場合によってそれ以東において、中距離ミサイルや潜水艦による米空母群およびグアムなどの固定基地への攻撃により米軍の地域支配を拒否しようと目論むだろう。
後者は、先進社会や軍事組織の弱点を徹底的に攻撃し、米軍の機能発揮を殺ぐ殺手鐗(Sha-sou-jian)と言われる中国独自の弱者の戦法として奨励されている。結果として、後者を併用しながら対アクセス/地域拒否戦略を完成させることになる。
これに対し米国は、先制奇襲の利が中国にあることを前提に、平時から前方基地の抗堪化や宇宙・サイバー領域の靭強化で開戦直後の指揮の断絶を回避し、早期主動権奪回のための攻撃を想定するとともに、次に説明するような、奪回後の長期戦を覚悟した戦略を立案するだろう。
5 2つの作戦段階と作戦方向および作戦行動の候補となる事項
米軍の作戦は、(1)奇襲を受けることで始まる開戦から主動権奪回までの第1段階と、(2)奪回後、長期にわたる通常戦を有利に遂行する各種の選択肢を創出することにより米戦略を支援する第2段階からなる。
特徴は、米国が奇襲を受けるものの、時間と総合戦力においては有利だとの認識の下に、徐々に総合戦力の増大を期待する長期戦を覚悟した軍事戦略である。
第1段階の作戦軸は、(1)奇襲攻撃に耐え、部隊と基地の損害を局限する、(2)人民解放軍(PLA)の戦闘ネットワークへ目潰し攻撃を実施する、(3)PLAの目標評定・打撃のための情報・探知・偵察(ISR)能力や打撃システムを制圧する、(4)空・海・宇宙・サイバー領域で主動性を奪回・維持する、の4つである。
第2段階の作戦軸は、(1)「遠距離封鎖」作戦を実施する、(2)作戦レベルにおける兵站を維持する、(3)工業生産、特に精密誘導兵器PGM生産を拡大する、である。
これに伴って海空軍が共同実施する作戦行動は次に列挙するとおりで、これらの能力の開発は、今後新たな研究開発の対象として、コスト効果を踏まえつつ着手される。膨大な資金需要は明らかで、その実行が課題になるだろう。
●グアム、その他の基地や部隊に対するミサイルの脅威を削減する
●長距離攻撃能力の米中アンバランスを是正する(距離的条件の克服)
●水中作戦能力の向上により優位を確保する(潜水艦、水中ロボット、機雷など)
●宇宙配備の指揮・統制、通信、情報・探知・偵察能力の脆弱性を克服する
●装備やデータなどの標準化を進めるとともに、相互運用性を改善する(それぞれの軍種文化の調和も含む)
●軍種を超えて電子戦能力を向上する
●サイバー攻撃能力を向上する
●指向性エネルギー兵器の開発を促進する
6 日本への影響
米国の掲げるエアシーバトル構想は、構想主導のインパクトの大きい戦略で、中国に対する政治的、軍事的刺激も大きい。今後、米中間では、経済・政治的な協調と並行しつつ、西太平洋地域における軍事的な綱引きも激化するだろう。
それゆえ、狭間に立つ日本が、積極的な対米協力も対米協力の拒否もともに困難に陥る公算は小さくない。
日本には、下に示す4つが求められるだろう。
(1)基地の提供と抗堪化
(2)自衛隊の能力強化(対潜戦能力、機雷敷設・処理能力、水中戦能力、ミサイル防衛能力、南西諸島の確保能力、戦略機動力、指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・探知・偵察=C4ISR能力)
(3)構想具体化のための資金の提供
(4)構想への積極的参加
そして、これらの提供の可否が、対米安全保障協力のリトマス試験紙になる。そのことは、普天間だけに限らない極東地域における安全保障そのものに対する日本の姿勢を問われる問題になる。
同時に、沖縄の戦略地理的な位置に益々焦点が当たることになり、逆説のようにその重要性がますます高まるだろう。
一方、米国にとって、この地域における支配権の確保こそ極めて重要であるが、これらの実現が戦略的、財政的に困難な場合、長期戦略的に防衛線を後方に下げる可能性(南西日本の一時的放棄)も否定できない。
まさに、膨大な経費負担と同盟国なかんずく日本の協力がカギとなる、極めて難しい戦略に直面することになるわけである。
折しも、米韓で外務・国防大臣による初の2+2会議が開催され、米韓関係が、日米、米豪同様に重要であることが明らかになった。
さらに、7月25日から4日間にわたり、嘉手納を含む在日米軍基地も利用して今後数カ月かけて行われる演習の一部として、原子力空母ジョージワシントンほか20隻の艦艇、ステルス戦闘機「F-22」200機を含む合計8000人が参加して、米韓合同演習が日本海で行われた。
いずれ日本の参加も求められようが、日本として、中国の台頭を踏まえ、地域の安全保障と繁栄のシステムをどう構想するかという大きな視点からの対応が必要になるだろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A
中国人民解放軍海軍
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E8%A7%A3%E6%94%BE%E8%BB%8D%E6%B5%B7%E8%BB%8D
沖縄の基地は削減どころか、ますます重要に!
2010.09.16(Thu)JBプレス 鈴木 通彦
米国・前太平洋軍司令官のティモシー・キーティングが、2008年3月11日に開かれた米上院軍事委員会である証言をしたことがマスコミを賑わし、世間に驚きを与えた。(敬称略)
太平洋のハワイより東を米国、西は中国で分け合おう!
2007年5月の訪中時に中国のさる高官から「ハワイを基点に太平洋を東西に分け、米中で分割管理しよう」と提案されたことを明かしたからである。
前司令官のキーティングは、中国高官の話を冗談と受け止めつつも、「中国が自国の影響下に置く地域の拡大を望んでいるのは明らかだ」としている。
それから3年経った今、中国の狙いは現実味を帯び始めている。
米国防総省は2010年の「4年ごとの国防計画見直し2010QDR」で、「統合エアシーバトル構想(Joint Air-Sea Battle concept)」を開発すると発表した。これは、急激に軍事力を強化し西太平洋支配を目論む中国を牽制する、新たな軍事戦略である。
現在の中国が繁栄し軍事拡大路線を敷くとともに、混乱し将来どうなるか分からないので、今こそ軍事的な対処をしなければならないとの国防総省の考えが背景に存在する。
今、なぜエアシーバトル(空海戦)なのか
現在、戦略の具体化段階で詳細も定かでないが、公式発言や信頼性の高い資料を基に分析すれば、かなりインパクトのある戦略で、日本に対する影響も極めて大きいようだ。
あたかも、7月下旬に行われた日本海での米韓合同演習やこれに対抗して行われた中国軍による黄海での大規模演習、および間もなく黄海で行われる予定の米韓合同演習は、その前哨戦さながらである。
構想の具体化を進めているのは、89歳になっても国防総省で現役を続けるアンドリュー・マーシャル率いる国防総省ネット評価室や統合参謀本部および海・空軍である。
細部は明らかでないが、マーシャルの部下であったクレピネビッチほか多くの専門家が執筆した「何故海空戦か?(Why AirSea Battle?)」「海空戦;出発点(AirSea Battle; A Point of Departure)」などの報告資料が出されているので、ある程度推測できる。
1 シーバトル構想の誕生とその背景
この構想は、マーシャルらが冷戦終結直後に「将来、米軍の前方展開戦略に脅威を与える国家が出現し、前方展開型戦力投射が困難になる」と警鐘を鳴らした1993年11月の報告を出発点にしている。
それが、20年近く経過した今、米軍と同じような対称能力を西太平洋地域で保有しようとする中国、および核装備を目指しつつも非対称的な能力で狭隘なペルシャ湾支配を目論むイランの出現で再び注目されることになった。
構想誕生の背景には、中国の対アクセス/地域拒否(Anti-Access / Area Denial:A2/AD)戦略により西太平洋における米軍の前方展開戦略が脅かされているとの認識がある。
軍事バランスを維持すべきか、失っても構わないか!
米国は、対決地域が中国に近い地政学的条件に加え、膨大な軍事投資が重なって徐々に軍事バランスが中国有利に傾斜し、死活的重要地域への軍事アクセスを失うか安定した軍事バランスを維持するかの選択を迫られていると考えている。
また、強い財政的制約にもかかわらず、米陸海空各軍が整合性を欠きコスト効果の低い過剰な軍事投資を続けようとしているとの国内認識も強く存在する。
これが、国防投資の非効率だけでなく、教義(ドクトリン)の不一致、装備の互換性や相互運用性の欠如、さらには陸海空の文化の違いによる軍種間摩擦に及んでいるとの認識である。
特に2010QDRや2010年以降の国防予算で大規模投資を伴うプログラムが中止もしくは削減されつつある海空軍に対する、勢力拡大に躍起になるよりも軍事戦略主導の統一した構想を確立してほしいとの期待感もある。
悪く言えば、陸軍と海兵隊のアフガニスタン向けの7万5000人の増員に対し、削減される一方の海空軍の不満を沈静化させる策だとの悪評につながるゆえんでもある。
純軍事的な意味合いも大きい。
冷戦時代、ソ連の膨大かつ縦深におよぶ機甲戦力に対し、戦術核の先制使用も視野に入れアクティブディフェンス(積極防御)で対抗しようとしていた米国・北大西洋条約機構(NATO)軍にとって、戦術核の全面核戦争への発展の懸念が最大の悩みであった。
それが、核の敷居を越えることなく通常戦力でソ連の戦力を確実に減殺・阻止できる戦略・戦法と技術の開発、すなわち、陸空軍を中心に全縦深同時打撃によるエアランドバトル構想およびビッグファイブと言われる戦車・装甲戦闘車・攻撃ヘリ・戦闘ヘリ・地対空ミサイルの開発につながった。
2度の湾岸戦争は、ネットワーク中心の「縦深を見る」目標情報と「縦深を射撃する」打撃手段を吻合させ敵部隊を正確に打撃するエアランドバトル構想の成果として、テレビを通じて世界を驚愕させた。これらの成功体験も拍車をかけている。
そして、今やそれらすべてが重なって海空軍主導のエアシーバトル構想へとつながりつつあるのである。
2 構想の目的
統合エアシーバトル構想の目的は、米軍の前方展開を拒否しようとする敵に対し、比類ない能力でこれに対抗し悪い気持ちを起こさせないようにする、すなわち抑止を維持することにある。
中国は現在、対アクセス戦略と地域拒否戦略という、目的と手段が重複する2つの戦略を取っている。
対アクセス戦略は、米軍の前方展開基地へのアクセスを拒否する戦略(前方にある陸海空基地への補給と増援の流れを阻止する戦略。最終的な狙いは、米前方航空基地から中国本土への攻撃能力の削減)で、焦点は沖縄の嘉手納やグアムのアンダーセン基地である。
また、地域拒否戦略は、西太平洋など死活的に重要な地域における米海軍の行動の自由を拒否する戦略で、米空母などの主力目標を第2列島線内で活動させないことに焦点が置かれている。これは、艦載機による攻撃を阻止する狙いである。
中国に対抗心を抱かせないための圧倒的軍事力
米ドナルド・レーガン政権が1983年にソ連を宇宙防衛構想(SDI)に誘い込む強硬姿勢を見せ、その財政負担の重さからソ連を崩壊させたと同様に、中国に対し、対抗困難なほどの軍事力の構築意思を示すことで対抗意思を殺ぐのが米国の狙いだ。
一人っ子政策の影響で社会の高齢化が進み、2020年以降になると社会保障費が肥大化して、中国財政に及ぼす軍事費負担が過重になるとの計算も当然加味されている。
しかし、財政負担に苦しむ米国にとっても、国防費の肥大は諸刃の剣となりかねない死活的な問題であり、コスト効果の高いプログラムの創出と財政負担の抑制が両立させられるかどうかが構想成功の鍵になる。
3 対象地域と対象領域
対象地域は、第1列島線、第2列島線という中国の航空機の行動半径やミサイルの射程でカバーされる地域、および潜水艦の遊弋と射程1500キロメートルの対艦弾道ミサイル(開発中)で米空母を抑制する地域である。
しかし、戦闘ネットワークを経由した情報を基に戦う現代の戦闘は、その地域だけでは完結せず、3次元は言うに及ばず、戦力発揮に不可欠な海、空、陸、宇宙、サイバーなど5次元領域に及ぶことになる。
特に戦力発揮のための結節(ノード)は宇宙に多く存在し、そこが弱点となって狙われやすい。
6月28日発表の米国の新宇宙政策は、ジョージ・W・ブッシュ大統領の「宇宙兵器の制限」を拒否する政策を転換し、中露の提案する宇宙空間における軍備管理の必要性に賛意を示すものとなった。宇宙を適切に管理しなければ、米国優位が脅かされると考え始めたのである。
今年10月、サイバー司令部が本格運用へ!
また、10月には戦略軍に仮編成したサイバー司令部を本格的に運用し始める。これも頻繁に繰り返される中国のサイバー攻勢をにらんだものである。
米国優位の宇宙の軍事利用を脅かし、サイバー領域にも迫る中国を強く意識せざるを得ない米国の状況が目に見えるようだ。
そして、8月16日公表の「中国の軍事力と安全保障の進展に関する年次報告書」は、宇宙やサイバーを含めた、中国海軍の外洋型海軍への転換による対アクセス/地域拒否戦略の強まりに強く警鐘を鳴らすものとなった。
一方、エアシーバトル構想には協力(期待)国が必要で、その筆頭は日本とオーストラリアである。構想の具体化に伴い、最も地理的に重要な位置を占める日本に対する要求が強まるのは確実だろう。
4 構想が想定する米中の取り得る手段
中国は、戦略を具体化する手段として、空爆やミサイル攻撃などの直接攻撃手段と、弱点となるノードの機能低下を狙う間接攻撃手段(対衛星攻撃=ASAT=やサイバー攻撃など)を併用する。
前者の場合、中国は、第1列島線以西において、濃密な短距離ミサイルや短距離攻撃機による艦艇や基地に対する攻撃により地域の完全支配を目論み、第2列島線付近、場合によってそれ以東において、中距離ミサイルや潜水艦による米空母群およびグアムなどの固定基地への攻撃により米軍の地域支配を拒否しようと目論むだろう。
後者は、先進社会や軍事組織の弱点を徹底的に攻撃し、米軍の機能発揮を殺ぐ殺手鐗(Sha-sou-jian)と言われる中国独自の弱者の戦法として奨励されている。結果として、後者を併用しながら対アクセス/地域拒否戦略を完成させることになる。
これに対し米国は、先制奇襲の利が中国にあることを前提に、平時から前方基地の抗堪化や宇宙・サイバー領域の靭強化で開戦直後の指揮の断絶を回避し、早期主動権奪回のための攻撃を想定するとともに、次に説明するような、奪回後の長期戦を覚悟した戦略を立案するだろう。
5 2つの作戦段階と作戦方向および作戦行動の候補となる事項
米軍の作戦は、(1)奇襲を受けることで始まる開戦から主動権奪回までの第1段階と、(2)奪回後、長期にわたる通常戦を有利に遂行する各種の選択肢を創出することにより米戦略を支援する第2段階からなる。
特徴は、米国が奇襲を受けるものの、時間と総合戦力においては有利だとの認識の下に、徐々に総合戦力の増大を期待する長期戦を覚悟した軍事戦略である。
第1段階の作戦軸は、(1)奇襲攻撃に耐え、部隊と基地の損害を局限する、(2)人民解放軍(PLA)の戦闘ネットワークへ目潰し攻撃を実施する、(3)PLAの目標評定・打撃のための情報・探知・偵察(ISR)能力や打撃システムを制圧する、(4)空・海・宇宙・サイバー領域で主動性を奪回・維持する、の4つである。
第2段階の作戦軸は、(1)「遠距離封鎖」作戦を実施する、(2)作戦レベルにおける兵站を維持する、(3)工業生産、特に精密誘導兵器PGM生産を拡大する、である。
これに伴って海空軍が共同実施する作戦行動は次に列挙するとおりで、これらの能力の開発は、今後新たな研究開発の対象として、コスト効果を踏まえつつ着手される。膨大な資金需要は明らかで、その実行が課題になるだろう。
●グアム、その他の基地や部隊に対するミサイルの脅威を削減する
●長距離攻撃能力の米中アンバランスを是正する(距離的条件の克服)
●水中作戦能力の向上により優位を確保する(潜水艦、水中ロボット、機雷など)
●宇宙配備の指揮・統制、通信、情報・探知・偵察能力の脆弱性を克服する
●装備やデータなどの標準化を進めるとともに、相互運用性を改善する(それぞれの軍種文化の調和も含む)
●軍種を超えて電子戦能力を向上する
●サイバー攻撃能力を向上する
●指向性エネルギー兵器の開発を促進する
6 日本への影響
米国の掲げるエアシーバトル構想は、構想主導のインパクトの大きい戦略で、中国に対する政治的、軍事的刺激も大きい。今後、米中間では、経済・政治的な協調と並行しつつ、西太平洋地域における軍事的な綱引きも激化するだろう。
それゆえ、狭間に立つ日本が、積極的な対米協力も対米協力の拒否もともに困難に陥る公算は小さくない。
日本には、下に示す4つが求められるだろう。
(1)基地の提供と抗堪化
(2)自衛隊の能力強化(対潜戦能力、機雷敷設・処理能力、水中戦能力、ミサイル防衛能力、南西諸島の確保能力、戦略機動力、指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・探知・偵察=C4ISR能力)
(3)構想具体化のための資金の提供
(4)構想への積極的参加
そして、これらの提供の可否が、対米安全保障協力のリトマス試験紙になる。そのことは、普天間だけに限らない極東地域における安全保障そのものに対する日本の姿勢を問われる問題になる。
同時に、沖縄の戦略地理的な位置に益々焦点が当たることになり、逆説のようにその重要性がますます高まるだろう。
一方、米国にとって、この地域における支配権の確保こそ極めて重要であるが、これらの実現が戦略的、財政的に困難な場合、長期戦略的に防衛線を後方に下げる可能性(南西日本の一時的放棄)も否定できない。
まさに、膨大な経費負担と同盟国なかんずく日本の協力がカギとなる、極めて難しい戦略に直面することになるわけである。
折しも、米韓で外務・国防大臣による初の2+2会議が開催され、米韓関係が、日米、米豪同様に重要であることが明らかになった。
さらに、7月25日から4日間にわたり、嘉手納を含む在日米軍基地も利用して今後数カ月かけて行われる演習の一部として、原子力空母ジョージワシントンほか20隻の艦艇、ステルス戦闘機「F-22」200機を含む合計8000人が参加して、米韓合同演習が日本海で行われた。
いずれ日本の参加も求められようが、日本として、中国の台頭を踏まえ、地域の安全保障と繁栄のシステムをどう構想するかという大きな視点からの対応が必要になるだろう。
ライフネット生命保険
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA
生命保険立ち上げ日誌(新しいネット生保を立ち上げようとしています!)
http://totodaisuke.weblogs.jp/
日本初のベンチャー生命保険会社であるライフネット生命。「原価開示」「保険料半額」「他社比較OK」「約款公開」など、これまでのどの生命保険会社とも異なるサービスを提供しているライフネット生命の出口社長に人材マネジメントに対する考え方について伺いました。
http://www.executive-interview.com/archives/006/index.html
Japanese - Startups JAPAN
現在、生命保険業界には、商品内容が分かりにくい、不払いリスクがある、原価が高い、といった大きな問題がある。
これまでの保険では顧客の多様なニーズに応えるために、多くの商品が開発され、さらにその商品に特約というオプションをつけていくのが普通の姿だった。しかし、商品と特約の増加に合わせてルールが増えた結果、何に対していくら保険料を支払っているのか、どういった場合に保険金が支払われ、また支払われないのかという点が非常に分かりにくくなってしまった。複雑な商品内容は、顧客だけでなく保険会社の担当者にとっても理解が難しい状態になっており、2005年に発生した保険金不払い問題の遠因にもなっている。
また、保険の販売を行うために保険会社は多くの店舗と営業要員を置き、そしてマスメディアで大量の広告を流す。これらの販売コストは当然、顧客からの保険料で賄われている。しかし人口が減少し始めた日本では新規顧客の獲得は厳しくなっており、以前と比較すると販売コストの割に新規契約が取れなくなっている。そのため、保険料に占める販売コストの割合が増え、その結果、顧客の負担も重くなっている。
これらの問題点をインターネットを利用することで解決したのがライフネット生命だ。インターネットの特徴をフルに活用することで「分かりやすい」「支払いが正確、かつ迅速」「安い」保険を実現している。
ライフネット生命で提供している商品は「死亡保険」と「医療保険」の2種類だけ。保険の複雑さの原因になっている特約は無い。支払い基準は国の診療点数表の定義に沿ったものにするなど、明確なものになっており、そのため顧客が保険の内容をきちんと理解しやすく、従来の保険のように「この場合は保険金は支払われるのだろうか」と心配する必要が無い。ウェブサイトでの情報提供は丁寧に行われており、かつパソコン慣れしていない人でも分かりやすいサイト設計になっている。そのため、誰でも簡単に見積もりやプラン選びが行える。パソコンだけの見積もりでは不安、という顧客にはコールセンターを夜10時まで営業するなど、顧客目線でのサービスが提供されている。
「保険金の支払いは原則5営業日」を明言しており、支払いは迅速だ。また、迅速なだけではなく正確な支払いを行うために、支払いについては3重のチェックフローを備えている。十分なチェック体制を整えながら迅速な支払いを実現したのは、これもインターネットの利点を生かしていることによる。従来の保険会社では顧客からの支払請求を紙で回していたため業務処理に時間がかかり、加えて処理にミスが発生する可能性があった。ライフネット生命ではこれをデータでやり取りすることで正確かつ迅速なフローを実現している。
ライフネット生命の販売チャネルはもちろん「ネット販売」だ。そのため店舗にかかる家賃、営業要因にかかる人件費をカット、申込手続きのシステム化により運営費をカットしている。ライフネット生命では見積もりから申込まで全てネット上で完結させることができる。他の保険会社でもネット上で見積もり依頼を出すことは可能だが、見積もりの詳細確認、本契約には担当者と会う必要があった。それらのコストを省いたことで、ライフネット生命は保障内容は他社と変わらないまま、料金の安い保険を提供することを実現した。実際に契約者アンケートでは、ライフネット生命で保険を見直した人の保険料は平均で6,942円*も安くなっているという。
*見直しにあたり、55%の方が保障内容を「減らした」、21%の方が「増やした」、24%の方が「変わらない」と答えた。
■調査期間:2008年8月11日~9月2日
■回答者数:284名(うち、見直した方が120名)
顧客目線を追求し「分かりやすく、正確かつ迅速、そして安い」商品を開発した結果、2009年3月には週刊ダイヤモンドで「プロが入りたい保険ランキング死亡保障部門第1位」に選ばれた。その他日本の経済ニュース「ワールドビジネスサテライト」など多くのメディアに取り上げられ、保険業界の風雲児としても注目されるネットライフ生命が業界の構造をどのように変革し、私たちの保険に対する認識をどのように変えていくのか、これからが楽しみだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA
生命保険立ち上げ日誌(新しいネット生保を立ち上げようとしています!)
http://totodaisuke.weblogs.jp/
日本初のベンチャー生命保険会社であるライフネット生命。「原価開示」「保険料半額」「他社比較OK」「約款公開」など、これまでのどの生命保険会社とも異なるサービスを提供しているライフネット生命の出口社長に人材マネジメントに対する考え方について伺いました。
http://www.executive-interview.com/archives/006/index.html
Japanese - Startups JAPAN
現在、生命保険業界には、商品内容が分かりにくい、不払いリスクがある、原価が高い、といった大きな問題がある。
これまでの保険では顧客の多様なニーズに応えるために、多くの商品が開発され、さらにその商品に特約というオプションをつけていくのが普通の姿だった。しかし、商品と特約の増加に合わせてルールが増えた結果、何に対していくら保険料を支払っているのか、どういった場合に保険金が支払われ、また支払われないのかという点が非常に分かりにくくなってしまった。複雑な商品内容は、顧客だけでなく保険会社の担当者にとっても理解が難しい状態になっており、2005年に発生した保険金不払い問題の遠因にもなっている。
また、保険の販売を行うために保険会社は多くの店舗と営業要員を置き、そしてマスメディアで大量の広告を流す。これらの販売コストは当然、顧客からの保険料で賄われている。しかし人口が減少し始めた日本では新規顧客の獲得は厳しくなっており、以前と比較すると販売コストの割に新規契約が取れなくなっている。そのため、保険料に占める販売コストの割合が増え、その結果、顧客の負担も重くなっている。
これらの問題点をインターネットを利用することで解決したのがライフネット生命だ。インターネットの特徴をフルに活用することで「分かりやすい」「支払いが正確、かつ迅速」「安い」保険を実現している。
ライフネット生命で提供している商品は「死亡保険」と「医療保険」の2種類だけ。保険の複雑さの原因になっている特約は無い。支払い基準は国の診療点数表の定義に沿ったものにするなど、明確なものになっており、そのため顧客が保険の内容をきちんと理解しやすく、従来の保険のように「この場合は保険金は支払われるのだろうか」と心配する必要が無い。ウェブサイトでの情報提供は丁寧に行われており、かつパソコン慣れしていない人でも分かりやすいサイト設計になっている。そのため、誰でも簡単に見積もりやプラン選びが行える。パソコンだけの見積もりでは不安、という顧客にはコールセンターを夜10時まで営業するなど、顧客目線でのサービスが提供されている。
「保険金の支払いは原則5営業日」を明言しており、支払いは迅速だ。また、迅速なだけではなく正確な支払いを行うために、支払いについては3重のチェックフローを備えている。十分なチェック体制を整えながら迅速な支払いを実現したのは、これもインターネットの利点を生かしていることによる。従来の保険会社では顧客からの支払請求を紙で回していたため業務処理に時間がかかり、加えて処理にミスが発生する可能性があった。ライフネット生命ではこれをデータでやり取りすることで正確かつ迅速なフローを実現している。
ライフネット生命の販売チャネルはもちろん「ネット販売」だ。そのため店舗にかかる家賃、営業要因にかかる人件費をカット、申込手続きのシステム化により運営費をカットしている。ライフネット生命では見積もりから申込まで全てネット上で完結させることができる。他の保険会社でもネット上で見積もり依頼を出すことは可能だが、見積もりの詳細確認、本契約には担当者と会う必要があった。それらのコストを省いたことで、ライフネット生命は保障内容は他社と変わらないまま、料金の安い保険を提供することを実現した。実際に契約者アンケートでは、ライフネット生命で保険を見直した人の保険料は平均で6,942円*も安くなっているという。
*見直しにあたり、55%の方が保障内容を「減らした」、21%の方が「増やした」、24%の方が「変わらない」と答えた。
■調査期間:2008年8月11日~9月2日
■回答者数:284名(うち、見直した方が120名)
顧客目線を追求し「分かりやすく、正確かつ迅速、そして安い」商品を開発した結果、2009年3月には週刊ダイヤモンドで「プロが入りたい保険ランキング死亡保障部門第1位」に選ばれた。その他日本の経済ニュース「ワールドビジネスサテライト」など多くのメディアに取り上げられ、保険業界の風雲児としても注目されるネットライフ生命が業界の構造をどのように変革し、私たちの保険に対する認識をどのように変えていくのか、これからが楽しみだ。
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http://www.uonumakoshihikari.com/
魚沼コシヒカリ理想の稲作技術『CO2削減農法研究会』(勉強会)の設立計画!
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